🦷今日からできる!犬猫の歯周病予防3つのポイント

こんにちは、大田区大森にあるイース動物病院です。

最近、飼い主さんから「なんだか口が臭くて…」「歯が黄色くなってきた気がする」というご相談をよくいただきます。実はこれ、ワンちゃんやネコちゃんの“歯周病”のサインかもしれません。

歯周病は、単に「歯が汚れている」「口が臭い」というだけの問題ではありません。進行すると、歯がぐらついて抜けてしまったり、顎の骨が溶けたりするだけでなく、心臓や腎臓、肝臓などの内臓疾患にもつながる可能性がある、非常に注意が必要な病気です。

でもご安心ください。歯周病は「予防」ができる病気です。
今回は、今日から飼い主さんご自身でも取り組める、歯周病予防の3つのポイントをお伝えします。


✅ポイント①:毎日の“歯磨き”習慣をつけましょう

ワンちゃんやネコちゃんの歯周病を防ぐ最も効果的な方法は、やはり歯磨きです。

「ワンちゃんに歯磨きなんてできるの?」「うちのネコちゃんは絶対無理!」
そんな声もよく聞きますが、最初はみんな同じです。コツコツ続けていけば、少しずつ慣れてくれます。

▷ 歯磨きの始め方

  1. まずは口周りに触れることから
    → いきなり歯ブラシを使わず、指で口元や唇を軽く触る練習から始めます。
  2. おやつ感覚で歯磨きペーストを使う
    → ワンちゃん、ネコちゃん用の美味しい味のついたペーストを使って、指やガーゼで歯をなでるように磨きます。
  3. 慣れてきたら歯ブラシへ
    → 歯ブラシは柔らかく小さなペット専用のものを使い、前歯→奥歯の順にステップアップ。

1日1回が理想ですが、週に数回からでも十分効果があります。

「毎日磨けない…」という方も、できる範囲で続けることが大切です。
時間をかけてゆっくりと、「嫌がらない習慣」を育てていきましょう。


✅ポイント②:歯にやさしいフードやおやつを選びましょう

日常的に与えているフードやおやつにも、歯の健康を守る工夫ができることをご存じですか?

最近では、噛むことで歯垢を落としやすくなる形状のフードやおやつが数多く登場しています。こうした製品は、歯磨きが苦手な子の補助ケアとして非常に有効です。

▷ 例えばこんな製品があります

  • デンタルケアフード(粒が大きく、しっかり噛ませることで歯垢を除去)
  • デンタルガム・おやつ(長く噛めることで歯に物理的な刺激を与える)
  • 口腔ケア用のサプリや飲み水添加剤(抗菌成分などでお口の環境を整える)

製品を選ぶ際は、「VOHC(米国獣医口腔衛生協議会)」の認定マークがついたものが目安になります。これは「歯の健康に効果がある」と認められた商品にのみ与えられるものです。

ただし、硬すぎるガムやおもちゃは**歯の破折(はせつ)**の原因になることもありますので、選び方に不安がある場合は当院スタッフにご相談ください。


✅ポイント③:定期的な“歯科チェック”を受けましょう

見た目にはわかりにくい歯周病ですが、実際には3歳以上のワンちゃん、ネコちゃんの約80%以上が歯周病を持っているというデータもあります。

そのため、年に1〜2回は獣医師による口腔チェック・歯科健診を受けていただくことをおすすめしています。

▷ 当院の歯科チェックでは…

  • 歯の汚れ、歯石のつき具合
  • 歯ぐきの腫れや出血、ぐらつき
  • 口臭の有無、咬合(噛み合わせ)など

これらを視診・触診でチェックし、必要に応じて歯科レントゲン検査や**全身麻酔下でのスケーリング(歯石除去)**をご提案させていただきます。

特に、

  • 口が臭くなってきた
  • ごはんを食べるときに片側だけで噛む
  • よだれが増えた
  • 顔を触られるのを嫌がる

といった症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。


🐾まとめ:歯の健康は全身の健康につながります

ワンちゃんやネコちゃんの歯周病は、痛みや不快感を我慢してしまうことが多く、飼い主さんが気づきにくい病気です。でも、毎日の小さな習慣でしっかりと予防することができます。

今日からできる歯周病予防3つのポイント:

  1. 🪥 歯磨き習慣を少しずつ始めてみる
  2. 🍽️ 歯に優しいフードやおやつを取り入れる
  3. 🏥 定期的に歯科チェックを受ける

わんちゃん・ねこちゃんがいつまでも美味しく食べられる幸せのために、ぜひ今日から取り組んでみてください。

「歯磨きのやり方がわからない」
「うちの子に合うケアグッズが知りたい」
「一度口の中を診てほしい」など、
歯科疾患について気になることがあれば、イース動物病院にお気軽にご相談くださいね。