犬の胸腰部椎間板ヘルニアについて|進行して歩けなくなる前に早めの治療を

犬の胸腰(きょうよう)部椎間板ヘルニアとは、胸や腰の部分にある椎間板(背骨の骨と骨の間にあるクッション)が本来あるべき場所から飛び出して、神経を圧迫してしまう病気です。
治療が遅れると回復が難しくなるため、いかに早い段階で治療を開始できるかが重要です。

今回は犬の胸腰部椎間板ヘルニアについて、原因や症状、治療方法などを解説します。

■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.ご家庭での注意点
6.まとめ

原因

胸腰部椎間板ヘルニアの主な原因は、遺伝や加齢です。

犬の場合、以下の犬種に好発します。

・ミニチュア・ダックスフンド
・ウェルシュ・コーギー
・トイ・プードル
・フレンチ・ブルドッグ
・ラブラドール・レトリーバー など

症状

胸腰部椎間板ヘルニアは症状の重さによって、以下の5つにグレードに分類することができます。

<グレード1>
背中や腰を痛そうにする

<グレード2>
フラフラ歩く、足の甲や爪を地面に擦りながら歩く

<グレード3>
後ろ足を動かせない、歩けない、自力で立ち上がれない

<グレード4>
足先を軽くつねっても感覚がない、自力でおしっこができない

<グレード5>
足先を強くつねっても感覚がない

診断方法

胸腰部椎間板ヘルニアは、レントゲン検査や神経学的検査を行うことである程度診断することは可能です。さらに正確に診断を行うためには、全身麻酔をかけてCT検査やMRI検査を行うことが重要です。

治療方法

胸腰部椎間板ヘルニアの主な治療方法は、薬による治療と手術です。

軽度であれば、消炎鎮痛剤を用いた内科治療だけでも改善する可能性が高いため、多くの場合は絶対安静をしながら、薬を使って痛みや炎症をコントロールします。

しかし、グレード3以上になると多くは手術が必要になります。ただし、グレード5にまで進行してしまうと、早期に手術を行っても、歩けるようになるまで回復するのは半数くらいだといわれています。

グレードや症状から総合的に判断して手術を行うか、それとも投薬などの内科的治療中心で進めるか決めていくため、専門医の判断が必要となります。

ご家庭での注意点

胸腰部椎間板ヘルニアは神経疾患のため、治療が遅れてしまうと、場合によっては歩けなくなったり、自力でおしっこができなくなったりします。そのため、背中を痛がるそぶりがみられる、歩き方に異変を感じる場合は、早急に動物病院を受診するようにしましょう

また、激しい運動や段差の上り下り、縦抱き、肥満などはヘルニアのリスクを高めてしまうため、特に好発犬種では日頃からなるべく腰に負担がかからないように心がけましょう。

まとめ

胸腰部椎間板ヘルニアは、早期に適切な治療を行うことができれば、高い確率で改善することが可能です。

当院には整形外科の専門医がいるため、より正確に手術を行うことができます。また、その子その子にあった最適なリハビリプログラムを考案することも可能ですので、胸腰部椎間板ヘルニアが疑われる症状がみられた場合は、ぜひ当院までご相談ください。

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