予防医療

予防医療とは想定される悪化に対して事前に準備する事で、健康な動物が健康を維持・増進するよう備えておく事を言います。
当院で行う予防医療は大きく 3 つに分かれます

・避妊・去勢による病気・問題行動の予防
・伝染病・感染症・寄生虫などからの予防
・定期的な健康診断による病気の早期発見

避妊・去勢について

◆避妊・去勢とは?手術の必要性について

避妊・去勢とは全身麻酔下で卵巣・子宮(メス)や精巣(オス)を摘出します。
望まない繁殖を避ける事・性周期に伴うストレスの軽減・疾患の予防のため行う手術です。
若いうちに手術をすることにより、高齢で発生する疾患を高い確率で予防する事ができます。
以下が手術のメリットとデメリットです。

メリットデメリット
・望まない繁殖を避けられる
・性ホルモンに関連した病気の予防
(乳腺腫瘍、会陰ヘルニアなど)
・子宮や卵巣・精巣の病気の予防
・発情に伴うストレスを軽減
・問題行動を抑えられる可能性
(マーキング、攻撃行動、マウンティングなど)
・繁殖が不可能になる
・太りやすくなる
・全身麻酔を必要とする

◆料金と手術の流れ

♂去勢17,000 円~
♀避妊25,000 円~

※別途、術前検査費(14,000 円:レントゲン検査、超音波検査、血液検査)必要となります。

♂去勢10,000 円~
♀避妊17,000 円~
地域猫 去勢
    避妊
5,000 円
10,000 円

※大田区および獣医師会からの助成金を引いた金額になります。
また別途、術前検査費(14,000 円:レントゲン検査、超音波検査、血液検査)必要となります。
地域猫における術前検査に実施につきましては当院獣医師とご相談ください。

◆手術の流れ

①診察・予約

手術の前は診察と検査を行う必要があります。術前検査日(手術予定日の 1 週間前以内)と手術当日の 2 日間ご予約をとって下さい。
より安全に手術を行うために、画像検査(胸部レントゲン、心エコー検査)と血液検査を実施しております。
外来の混み具合によっては半日お預かりとなる場合がございますので、午前中の診察時間にお越しください。

②手術当日

手術前日の夜0時以降は食事を与えないようにして下さい。お水は飲んでも大丈夫です。
また手術の 2〜3 日前は出来る限りストレスをかけないようにするため、シャンプー・ペットホテル等は控え、普段通りの生活を心がけて下さい。

手術当日の朝 9 時以降はお水を飲ませないようにしてください。
午前中までにお越し頂きお預かりします。手術は原則、日中(13 時~16 時)に行います。
去勢手術・地域猫の手術につきましては日帰りとなります。
避妊手術やその他の手術では 1 泊 2 日~となります。

③術後

避妊手術は溶ける糸(吸収糸)を皮内に埋めるやり方で縫合をおこなうため、大きな抜糸は必要ありませんが、術創のチェックのために 1 週間後に再診となります。
猫の去勢では抜糸が必要のない術法で実施しますので、帰宅後はそのまま普段通りの生活に戻してあげる事ができます。

◆術後の注意点

手術後は性ホルモンバランスが崩れる事で基礎代謝量が落ちて太りやすくなります。
また、成長期には脂肪細胞が発達する事もあり、生涯にわたり太りやすい体質となる可能性もあります。
手術後 3 ヵ月間は半月ごとに体重を量り、その後の 3 ヵ月間は毎月体重を量りましょう。
手術後 6 ヵ月以降の体重増加は避妊・去勢とは直接の関係はありません。
術後の食餌管理も当院へお任せください。

ワクチン接種について

◆混合ワクチン

ワクチン接種により愛犬や愛猫の体の中に特定のウイルス・細菌に対する免疫を作り出すことができます。
犬と猫とで異なるワクチン接種が必要になります。

犬では 6 種と 8 種のワクチンを、猫では3種のワクチンを扱っております。
6 種は動物同士の接触や、糞、飛沫などを介して感染するため、全てのワンちゃんへの接種が勧められます。
8 種には 6 種に加えてレプトスピラに対してのワクチンが含まれています。
レプトスピラはネズミなどの野生動物を介して感染します。
猫のワクチン接種では、幼少期の猫に感染すると致死率の高い病気や、目や鼻や呼吸器に後遺症を残す事のある病気を予防する目的で接種が推奨されます。
体質やライフスタイルによりワクチン内容・接種期間の選択をおこなっております。
また、ワクチン接種が困難な場合、病気に対する十分な免疫があるかどうかの抗体検査が可能です。

◆狂犬病ワクチン

狂犬病は、狂犬病ウイルスによる人獣共通感染症です。人は感染動物(主に犬)に咬まれる事によって唾液からウイルスに感染し、長い潜伏期の後に発症します。
発症してしまうと、有効な治療法はなく、ほぼ100%死亡します。
現在、日本での狂犬病の発症は認められていませんが、アジア地域等、狂犬病の流行国では犬が主なまん延源となっています。
犬のワクチン接種率を少なくとも 70%以上にすることで、犬および人への伝播のサイクルを断つ事ができます。
日本でも万が一狂犬病が侵入した場合に備えて、年に 1 回の狂犬病ワクチン接種が義務付けられています。

◆ワクチンの料金表

狂犬病ワクチン3,200 円
犬 6 種混合ワクチン6,000 円
犬 8 種混合ワクチン8,000 円
猫3種混合ワクチン4,000 円
ワクチン抗体検査6,000 円

健康診断について

犬や猫の 1 年間は人間の5~8年に相当し、気がつかないうちに病気が進行している場合があります。
ヒトと同様、中年期(小型犬・中型犬・猫で6歳位~、大型犬で5歳位~)からは栄養代謝が低下してくると共に、心臓病、腎臓病、肺・気管などの呼吸器疾患、腫瘍などの疾患にもかかりやすくなってきます。
健康診断を行うことで病気の早期発見を可能とし、治療開始もスムーズに行うことができます。
特に腫瘍性疾患においては、血液検査では発見されず、健診時の画像検査により偶然見つかる事も多々あります。
当院の健康診断では特に画像検査に力を入れており、あんしんコース以上の検査ではすべてオプションに含まれております。

◆健康診断の料金表

コース名検査内容料金
簡単コース身体検査、血液検査5200 円
あんしんコース身体検査、血液検査
レントゲン検査(胸部 3 方向)
超音波検査(腹部)
15,000 円
しっかりコース身体検査、血液検査
レントゲン検査(胸部、腹部)
超音波検査(心臓、腹部)
心電図、尿検査
30,000 円
誕生日健診あんしんコースと同様あんしんコースの半額

※健康診断は完全予約制となります。
 ご来院の際には 6 時間以上の絶食をお願いします。
 誕生日健診は誕生月の期間に受ける事ができます。