緊急対応

こんな時はすぐに当院までご連絡ください。

患者の病態は数時間単位で変化するものから数日単位で変化するものまで様々です。その間の過ごし方によって、その子の運命を左右するといっても過言ではありません。
特に以下の症状がみられる場合は、緊急対応が必要となるかもしれません。すぐに当院までご連絡ください。

1、呼吸が早い
2,けいれん発作
3,呼びかけに対して顔を上げて反応しない(虚脱)
4,吐きたくても吐けない
5,突然足を引きずるようになった。
6、トイレでじっとしているが尿が出ない。
7、食べてはいけないものを食べてしまった。

1、呼吸が早い

心肺系に問題があった場合、数分~時間単位で急変する可能性があります。
口を開けて呼吸している時、ぐったりして舌の色がいつものピンク色よりも薄かったり、紫色になっていたりする時、お
腹を使った速い呼吸をしている時などは、お家で様子を見たりせず、すぐにご来院ください。

2、痙攣発作

痙攣発作も数分で治まるものから5 分以上続くもの(重責発作)まで様々です。一度痙攣発作が起こった場合、しばらくは脳が発作を起こしやすい状態となります。重責のものが30 分以上続く場合、脳に不可逆的な損傷が生じると言われております。
1~2 分以内で治まる場合は、発作が治まってから速やかに病院へ受診ください。
また、怪しい症状がみられる場合には動画撮影し、記録に残しておく事をお勧めします。

3、呼びかけに対して顔を上げて反応しない(虚脱)

”ぐったりしている”場合というのは、”単純に元気がない”事もあれば”意識レベルが低下している”事まで様々です。
後者の場合には様々な要因でショック状態に陥っている可能性も考えられます。判断が難しいですが、呼びかけに対して「顔をあげて」反応できないような状態の時は、早急に当院まで受診ください。

4、吐きたくても吐けない

胃拡張や胃拡張捻転症候群の可能性が考えられます。中~大型犬やM ダックスに多い病気です。食事直後の運動やいつも以上にご飯を食べすぎた場合に生じやすく、お腹が張ってきて吐きたくても吐けない様子がみられます。胃表面の血管が潰れたり、捻じれたりする事で、胃壁の壊死・血圧低下や不整脈が生じて死に至ります。レントゲンにて捻転が認められた場合には緊急手術が必要となります。
また食道梗塞(食道内におやつなどが詰まる)場合にも、類似した症状がみられます。
いずれにせよ緊急対応が必要なので、早急に病院まで受診ください。

5、突然足を引きずるようになった。

特に猫ちゃんにおいて”ギャンと鳴いて”、”嘔吐して”突然足を引きずるようになる場合、動脈血栓塞栓症の可能性が危惧されます。猫ちゃんの場合、特に心臓病を持っている子が多く、肺水腫を併発している症例も多々みられます。
閉塞を起こしてからの時間経過により、救命率は大きく変わるため早急に受診ください。

6、トイレでじっとしているが尿が出ない

これも猫ちゃん、特に雄猫の尿道閉塞の際にみられます。尿道内に結石や炎症産物などが詰まる事で尿が出なくなってしまいます。放っておくと腎臓にまで負担がかかり、急性腎障害をきたす事があります。膀胱炎でも類似する症状がみられますが、排尿姿勢をとるのに尿が出ない場合は当院までご連絡ください。

7、食べてはいけないものを食べてしまった。

人薬、おもちゃのかけら、玉ねぎやチョコレートなど、中毒を起こすものや腸に詰まってしまいそうなものを誤食した際には当院までお知らせください。
誤食直後の場合、誤食物が胃の中に入っているため、すぐに吐かせるなどすればトラブルを起こす前に回収する事もできます。食べてしまった物によって対応が変わってくるため、誤食してしまった際には、まずは当院までお電話ください。

当院における緊急対応が可能な処置・外科手術

胃拡張捻転症候群、血腹(脾臓破裂)、胆嚢破裂、消化管内異物、腎瘻チューブ設置、尿道閉塞(会陰尿道造婁)、子宮蓄膿症(子宮卵巣出)、帝王切開、内視鏡検査など