愛犬の歯磨き、本当の頻度は?獣医師が教える正しいケア方法と間隔

みなさんはどれくらいの頻度で愛犬に歯磨きをしていますか?実は、犬は人間の5倍のスピードで歯垢が歯石に変わるといわれていて、3歳以上の犬の多くが歯周病に悩まされています。そのため、小さい頃から定期的に口腔ケアを行うことが大切です。

今回は、犬の正しい歯磨きの頻度やケアの方法などを解説します。

■目次
1.犬の歯磨きの重要性
2.理想的な犬の歯磨き頻度
3.効果的な歯磨きの方法
4.歯磨き以外の口腔ケア方法
5.歯磨きを怠った場合のリスク
6.獣医師による口腔ケアの重要性
7.まとめ:愛犬の健康な歯を守るために

犬の歯磨きの重要性

歯の健康は、体の健康にも大きな影響を及ぼします。というのも、犬は歯周病になることが多く、痛みから食べ物が食べられなくなったり、歯周病菌が血液にのって移動し、心臓や腎臓、肝臓などに異常を引き起こしたりすることもあります。

予防のために最も重要な口腔ケアは歯磨きで、歯周病のもととなる歯石の付着を防ぐことができます。

理想的な犬の歯磨き頻度

犬の歯磨き頻度は、毎日が理想です。しかし、犬の歯垢は2〜3日で蓄積されてしまうため、毎日の歯磨きが難しい場合は、最低でも2〜3日に1回行うようにしましょう。

また、犬種別で見ると、トイ・プードルやチワワ、ミニチュア・ダックスフンドなどの小型犬は歯と歯の間が狭いため、歯石がつきやすいといわれています。そのため、小型犬では、1日1回の歯磨き頻度を心がけるようにしましょう。

効果的な歯磨きの方法

歯磨きをする際は、犬用歯ブラシと犬用歯磨き粉を使うとより効果的です。しかし、犬はもともと口周りを触られることが苦手なため、いきなりこれらを使おうとするとトラウマになって、歯磨きを嫌がってしまうことがあります。そのため、以下の手順で少しずつステップアップしていきましょう。

<歯磨きの慣らし方>
STEP1:口周りを触る
STEP2:唇をめくって歯の状態を確認
STEP3:歯磨き粉を付けたガーゼや歯磨きシートを指に巻いて歯を磨く
STEP4:歯ブラシで磨く

犬に歯磨きを慣れさせるコツとしては、嫌がる様子が見られたら無理に進めないこと、少しでもできたら大げさなくらいよく褒めることが大切です。歯磨き=嫌なこと、とならないように、最初は1本ずつでも良いので、無理なくゆっくり進めましょう。

犬や猫の歯みがきについて

歯磨き以外の口腔ケア方法

どうしても歯磨きが難しい場合には、おもちゃをデンタルトイに変える、デンタルガムを使うなど、他のデンタルケアも試してみましょう。

また、ウェットフードは歯石がつきやすいため、食事はドライフードを与えることを推奨します。口腔ケアができる療法食もあるため、気になる方はかかりつけ医までご相談ください。

ただし、どんなに口腔ケアをしていても、歯石の付着を完全に予防することは困難です。そのため、歯周病になる前の段階で獣医師によるプロフェッショナルクリーニングを行い、歯周病を予防しましょう。

歯磨きを怠った場合のリスク

歯磨きを怠ると歯周病を引き起こすリスクが高くなり、歯茎の炎症や出血が起こり、重度になると歯が抜けてしまったり、顎の骨が溶けてしまったりすることもあります。また、歯周病菌が全身にまわり、心臓病をはじめ、さまざまな全身疾患を引き起こすリスクもあります。

進行すればするほど治療費も高額になってしまうため、口腔ケアの重要性をしっかり認識し、子犬のうちから歯磨きに慣れさせておきましょう。

獣医師による口腔ケアの重要性

万が一歯石が付着してしまったとしても、歯周病になる前に歯石除去を行うことができれば、歯を抜かずに済んだり、全身疾患を予防したりすることができます。そのため、3か月に1回くらいのペースで歯科健診を受け、1年に1〜2回を目安にプロフェッショナルクリーニングを行いましょう

まとめ:愛犬の健康な歯を守るために

歯周病は多くの犬が引き起こす病気です。進行すると全身に影響を及ぼすことがあるため、小さいうちから歯磨きをしっかり行い、定期的な歯科健診とプロフェッショナルクリーニングも忘れずに行いましょう。

当院は歯科専門外来を設置し、歯周病の診察・治療に注力しております。適切な歯科処置のみならず、ご自宅での歯磨きによるホームデンタルケアのご相談も承っておりますので、お口に関して少しでもご不安や気になる事がありましたら、お気軽にご相談ください。

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