愛猫の足が震えている…|考えられる原因と対処法を獣医師が解説

愛猫の足が震えていたら、「もしかして病気かも?」と不安になりますよね。確かに深刻な問題が原因となっている可能性もありますが、不安などのストレスや疲れなど、一時的な問題が原因で起こっていることもあります。そのため、ご家庭でできる対処法などがあれば知りたいという方も多いのではないでしょうか。

今回は猫の足が震える原因や対処法などについてご紹介します。

■目次
1.猫の足が震える一般的な原因
2.足の震えが示す可能性のある深刻な問題
3.獣医師による診断方法
4.家庭でできる対処法
5.獣医師による治療法
6.予防法
7.まとめ

猫の足が震える一般的な原因

猫の足が震えている場合、まずは以下のような原因が考えられます。

・興奮や不安
・寒さ
・疲労や過度の運動後
・年齢(高齢猫の場合)
・痛み(関節炎など)

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足の震えが示す可能性のある深刻な問題

足の震えは、場合によっては以下のような深刻な問題を引き起こしている可能性もあるため、注意が必要です。

・神経系の疾患(脊髄疾患、脳腫瘍など)
・中毒(エッセンシャルオイル、殺虫剤など)
・代謝性疾患(低血糖、甲状腺機能亢進症など)
・筋肉の問題(筋炎など)
・感染症(トキソプラズマ症など)

獣医師による診断方法

病院では、まず問診を行います。というのも、診察室では短時間しか観察できなかったり、猫が緊張していて症状がよくわからなかったりすることもあるため、飼い主様に症状を詳細にお伺いすることで診察がよりスムーズに進みます

その後、身体検査や神経学的検査を行い、場合によっては血液検査やレントゲン、MRIなどの検査を行うこともあります。

家庭でできる対処法

興奮や不安などのストレスで震えている場合には、安全で落ち着ける環境を作ってあげましょう。猫は周りを見渡せるような高い場所や人の出入りが少ない静かな場所、身を隠せるような狭い場所を好むので、そのような場所に寝床を用意しましょう。元気が有り余っている場合には、おもちゃで遊ぶなどして運動量を増やしてあげると、ストレスが軽減されるのでおすすめです。

また、猫は20℃を下回ると寒さを感じるといわれています。特に高齢猫は体温調節が苦手なため、冬場はエアコンなどの暖房器具を使って、適温になるようしっかり管理しましょう。

獣医師による治療法

治療法には薬物療法や理学療法、手術などがあります。

ほとんどの場合、薬物療法や理学療法が選択されますが、神経系の病気が原因の場合は、手術が必要になることもあります

また、治療が長期にわたるケースも少なくありません。そのため、獣医師とよく連携をとり、しっかりと管理計画を立てるようにしましょう。

予防法

激しい運動は足に負担がかかってしまうため、運動は適度に行い、こまめに休息を取るようにしましょう。

また、猫は繊細な性格の子が多く、環境の変化や騒音、運動不足などにストレスを感じやすい傾向にあります。そのため、適度に遊ぶ、安心できる場所を提供するなどして、なるべくストレスがかからない生活を心がけましょう

高齢猫の場合は筋力を維持することが大切です。ただし、キャットタワーを使った上下運動などは足に負担がかかってしまうため、なるべく床を多く歩いてもらうように工夫しましょう。

しかし、足の震えを引き起こす原因は多岐にわたるため、完全に予防することはできません。そのため、病気の存在にいち早く気付けるよう、毎年定期診断を受けるようにしましょう。

まとめ

愛猫の足が震えている場合、原因がわかっているのであれば、ご家庭で適切に対処していただくことで症状が緩和することがあります。しかし、震えの原因がわからなかったり、症状が続いたりする場合には病気が原因である可能性が考えられるため、直ちに獣医師の診察を受けましょう。

また、原因によってはすぐに治療を行わなければ命を落としてしまうような深刻なケースもあるため、日頃からよく愛猫の様子を観察しつつ、定期健診による病気の早期発見・早期治療に努めましょう。

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