愛犬の足が震えている…|考えられる原因と対処法を獣医師が解説

犬は不安を感じたときや寒いとき、運動後などに足が震えることがあります。高齢の場合は筋肉の衰えや関節炎による痛みが原因であることもありますが、思い当たる原因がないのに、何日も症状が続いていると、なにか深刻な病気が原因なのではないかと不安になりますよね。

今回は、犬の足が震える原因や対処法などについてご紹介します。

■目次
1.犬の足が震える一般的な原因
2.足の震えが示す可能性のある深刻な問題
3.獣医師による診断方法
4.家庭でできる対処法
5.獣医師による治療法
6.予防法
7.まとめ

犬の足が震える一般的な原因

犬の足が震えている場合、まずは以下のような原因が考えられます。

・興奮や不安
・寒さ
・疲労や運動後
・年齢(高齢犬の場合)
・痛み(関節炎など)

関節が腫れている原因についてはこちらから

足の震えが示す可能性のある深刻な問題

足の震えは、場合によっては以下のような深刻な問題を引き起こしている可能性もあるため、注意が必要です。

・神経系の疾患(椎間板ヘルニア、脳腫瘍など)
・中毒(チョコレート中毒、キシリトール中毒など)
・代謝性疾患(低血糖、電解質異常など)
・筋肉の問題(筋炎など)

獣医師による診断方法

病院ではまず問診を行い、症状について確認をします。というのも、診察室では短時間しか観察できなかったり、犬が緊張していて症状がよくわからなかったりすることもあるため、詳細にお伺いすることで診察がよりスムーズに進みます。

問診の後は身体検査と神経学的検査を行い、場合によっては血液検査やレントゲン、MRIなどの検査を行うこともあります。

家庭でできる対処法

愛犬が興奮や不安で震えている場合には、安全で落ち着ける環境をつくってあげましょう。外出先などで環境を変えられない場合には、飼い主様がそばで優しく撫でてあげると、安心感が得られるのでお勧めです。

寒さで震えている場合には、温度管理をしてあげましょう。犬の場合、冬の適温は20℃くらいだといわれているため、エアコンやヒーターなどの暖房器具を使って、適温を保つようにしてください。

疲労や運動が原因の場合は急な運動や過度の興奮を避け、足をよくマッサージしてあげましょう。

獣医師による治療法

治療内容は原因によって異なり、薬物療法や理学療法、手術などを行います。

ほとんどの場合、薬物療法や理学療法が選択されますが、重度の椎間板ヘルニアや脳腫瘍が原因の場合は、手術が必要になることもあります

また、治療は長期的に薬を服用したり、理学療法を行ったりするケースも少なくありません。そのため、獣医師とよく連携をとり、しっかりと管理計画を立てるようにしましょう。

予防法

激しい運動は足に負担がかかってしまうため、運動は適度に行い、散歩や運動中はこまめに休息を取るようにしましょう。

また、高齢犬の場合はなるべく筋力を維持することが大切です。そのため、できるだけ毎日散歩に出かけるようにしましょう。ただし、段差や坂道は足にかかる負担が大きいため、なるべく平坦なルートを選ぶようにしましょう。

また、足の震えを引き起こす原因は多岐にわたるため、完全に予防することはできません。そのため、定期的に健康診断を受け、病気の早期発見・早期治療に努めましょう

まとめ

足の震えは寒さや興奮、疲れといった一時的なものが原因であれば、ご家庭で適切に対処していただくことですぐにおさまります。しかし、原因が思い当たらず、足の震えが続いている場合には深刻な病気を引き起こしている可能性があるため、なるべく早めに獣医師の診察を受けるようにしましょう。

また、病気が原因の場合、治療が遅れると命に関わることもあります。そのため、病気を早期発見・早期治療できるよう、日頃からよく愛犬の様子を観察したり、定期健診を受けたりするようにしましょう。

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