愛猫の歩き方が変?痛みがなくても要注意!原因と対策を解説

猫は優雅で気品のある歩き方をしますが、ある日突然足を引きずっていたり浮かせたりしていたら、飼い主様は不安な気持ちになりますよね。痛みを訴えてくれればすぐにでも病院に連れていけるのですが、猫は繊細な性格をしていることから痛みを隠す傾向にあり、痛がっていないように見えても歩き方がおかしい場合もあります。そのため、日頃から注意深く観察することで、いち早く異常に気が付くことが大切です。

今回は猫の歩き方の異常について、原因や治療法などを詳しく解説します。

■目次
1.猫の正常な歩き方とは
2.歩き方の異常:気づきやすい症状と特徴
3.痛がらなくても歩き方がおかしくなる原因
4.猫の歩き方を注意深く観察するポイント
5.獣医師による診断と治療アプローチ
6.まとめ:愛猫の健康と快適な生活を守るために

猫の正常な歩き方とは

猫はつま先立ちで足音をたてずに歩く姿が印象的ですが、基本的には犬と同じように四肢がバラバラに動き、「左後肢→左前肢→右後肢→右前肢」の順に足を運びます。前後左右の足は等間隔に動きますが、必ず2本以上の足が地面に着いていて、頭はほとんど上下しません。

また、猫はバランス感覚が優れているため、高いところや不安定な場所でも優雅にそつなく歩くことができます。

歩き方の異常:気づきやすい症状と特徴

実際にどのような異常が見られるのか、気づきやすい症状や特徴を一つずつご紹介します。

<足を引きずる>
軽度の場合は足先が軽く地面にこすれる程度ですが、重度の場合は足をだらんとさせて引きずったり、足に力が入らず立てなくなったりします。

<体重をかけない>
地面に足をつけると痛みが生じる場合は、患肢に体重をかけられなくなります。

<頭を上下に振って歩く>
患肢を挙げている場合、頭を上下に振りながら歩くことがあります。

<歩幅が変わる>
足のどこかに異常が生じると小さい歩幅で歩くようになったり、前肢と後肢の歩幅が揃わなくなったりすることがあります。

<バランスを崩す>
足に力が入らずふんばることができなくなると、バランスを崩してフラフラすることがあります。

<ジャンプをしない>
足に痛みが生じると、高い場所へジャンプしなくなります。

痛がらなくても歩き方がおかしくなる原因

歩き方に異常があるからといって、必ずしも痛みを伴うわけではありません。痛みを示さない場合には、以下のような原因が考えられます。

<神経系の問題(脳炎、脳腫瘍など)>
猫も人間と同じように、脳からの司令を受けることでスムーズに歩くことができます。そのため、神経系に異常が生じると司令がうまく伝わらなくなり、足を引きずったりフラフラしたりします。また、重度の場合は立てなくなることもあります。

<筋肉や関節の慢性的な疾患(関節炎、変形性関節症など)>
猫は本能的に痛みを隠す傾向にあります。筋肉や関節に慢性的な異常を抱えている場合は鈍い痛みが続くことが多いため、痛がるそぶりを見せないことがあります。

<加齢による変化>
猫も年齢を重ねると筋肉が衰えたり関節の動きが悪くなったりするため、よろよろと歩いたり、歩幅が狭くなったりします。また、さらに老化が進むと、寝たきりの時間が増えるようになります。

<内耳の問題(内耳炎など)>
内耳には平衡感覚をつかさどる働きがあります。そのため、内耳に異常が生じると体のバランスがとれなくなり、フラフラすることがあります。また、重度の場合は立てなくなることもあります。

<心臓や呼吸器の問題(肥大型心筋症、肺水腫など)>
心臓や呼吸器に異常が生じると、呼吸が苦しくなってフラフラすることがあります。進行すると命にかかわることもあるため、注意が必要です。

猫の歩き方を注意深く観察するポイント

異常を見逃さないためには、普段からどんな歩き方をしているのかを把握しておく必要があります。そのため、以下のチェックポイントを中心に、日常的に愛猫の歩き方を観察・記録するようにしましょう。

・四肢がバラバラに動いているか
・歩幅は同じか
・体重のかけ方は均一か
・フラフラしていないか
・頭を上下に振っていないか
・足を引きずっていないか
・足を挙げていないか

肉眼での観察が大変であれば、動画におさめて確認する方法がおすすめです。正確に観察できるだけでなく、記録として残すこともできるため、病院を受診する際に役立つことがあります。

獣医師による診断と治療アプローチ

動物病院では、まずはじめに歩行検査を行います。歩行検査は猫ちゃんに診察室内を歩いてもらい、歩幅や歩くときの姿勢を観察することで異常を確認する検査方法です。ただし、猫ちゃんは警戒心が強いことから検査がうまくいかないこともあるため、先ほどご紹介したように、ご自宅での歩行の様子をおさめた動画をもとに判断することもあります

その後、身体検査や神経学的検査、画像診断を行います。神経学的検査では、痛覚や反射などが正常に機能しているかどうかを検査します。その後、必要に応じて血液検査などを行うことで総合的に診断し、原因に合った治療を行います。

<投薬>
痛み止めや抗炎症薬など、症状にあった薬を投与します。また、場合によっては関節をサポートするようなサプリメントを処方することもあります。

<理学療法>
運動機能を回復させるために、マッサージや運動療法、レーザー治療などを行います。

<手術>
骨折など、一部の病気やケガにおいては手術が適応となることもあります。

まとめ:愛猫の健康と快適な生活を守るために

猫はギリギリまで痛みを我慢してしまう傾向があり、日頃から注意深く観察していないと見過ごされてしまうケースが少なくありません。そのため、飼い主様が日頃から愛猫の歩き方をよく観察・記録し、いち早く異常に気がつけるよう準備を整えておきましょう。今回ご紹介した内容を参考に、愛猫の歩き方に疑問や不安がある場合は、早めに動物病院に相談するようにしましょう。

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