猫が高いところから飛び降りてから前の足が変!!!
こんにちは!東京都大田区大森西にあります、イース動物病院です!
ネコちゃんはよく高いところに登ってまったりしたり、寝ていることが多いと思います。高いところに登るまでは元気にいつも通り登っていたのに、下に入りた途端に泣き叫ぶ声が!!!そしてそのあとから上手く前の足を使えてない。そんなことが起きてしまう可能性があります。
ネコちゃんでも起きてしまうかもしれない、『橈尺骨骨折』について本日はお話させていただきます。
猫の橈尺骨骨折について
橈尺骨骨折とは?
橈尺骨(とうしゃくこつ)は猫の前肢の骨で、橈骨と尺骨という2本の細長い骨から構成されています。これらの骨は、猫が走ったり、ジャンプしたり、日常の動作を行うために重要な役割を果たします。橈尺骨骨折は、主に交通事故、高いところからの落下、重い物との衝突などの外傷が原因で発生します。特に若い猫や屋外に出る猫は、骨折のリスクが高くなります。
骨折の種類
橈尺骨骨折にはいくつかの種類があります。完全骨折、部分骨折(不完全骨折)、単純骨折、複雑骨折などがあり、それぞれ症状や治療法が異なります。以下は各タイプの骨折についての概要です。
完全骨折
骨が完全に折れている状態で、多くの場合、手術が必要です。
部分骨折
骨の一部が折れている状態でになります。
単純骨折
骨が折れているが、皮膚を突き破っていない状態です。
複雑骨折
骨が皮膚を突き破っているか、複数の破片に分かれている状態で、感染リスクが高くなります。
橈尺骨骨折の症状
橈尺骨骨折を起こした猫には、以下のような症状が見られることがあります。
痛み
骨折した部位を触ると強い痛みを感じ、鳴いたり噛みついたり威嚇行動することがあります。
腫れ
骨折部位が腫れ、赤くなることがあります。これは内部での出血や炎症が原因です。
跛行(びっこ)
骨折した肢を使用するのを避け、片方の脚を持ち上げて歩くことがあります。また力が入っていないです。
不自然な姿勢
骨が折れているため、肢の向きや姿勢が不自然になることがあります。
変形
骨折のタイプによっては、骨がずれて肢の形が変わることがあります。
骨の異常な動きや音
骨が不安定な状態にあるため、触診時に骨が動く音や異常な感覚があることがあります。
食欲不振や無気力
痛みやストレスにより、食欲が低下したり、元気がなくなったりすることが多くあります。
診断方法
骨折の診断は、まず獣医師による視診や触診から始まります。その後、正確な骨折の位置や状態を確認するためにX線撮影(レントゲン)が行われます。必要に応じてCTスキャンやMRI検査など、より詳細な検査が行われることもあります。これらの検査によって、骨折の種類、程度、隣接する筋肉や神経、血管への影響が評価され、治療方針が決定されます。
治療法
橈尺骨骨折の治療は、骨折の種類、部位、猫の年齢や健康状態により異なります。主な治療法には以下のようなものがあります。
手術療法
基本的に外科手術が第一選択になります。プレートやピン、ワイヤーなどを用いて骨を固定し、正しい位置に戻す手術が行われます。手術後には、再発を防ぐために一定期間の安静が必要であり、リハビリテーションも重要です。
回復とリハビリテーション
橈尺骨骨折の回復期間は、骨折の種類や治療法、猫の年齢、健康状態によって異なります。一般的には、数週間から数か月の回復期間が必要です。手術後や固定具の装着期間中は、猫の運動を制限し、食事の管理や痛みの管理を行うことが重要です。また、獣医師の指導のもとで、徐々に運動量を増やしていくリハビリテーションが行われます。これにより、筋力や関節の柔軟性を回復させることができます。
骨折予防のためのポイント
橈尺骨骨折を防ぐためには、以下のようなポイントに注意することが重要です。
屋外への外出制限
屋外での事故やケガを防ぐために、猫をできるだけ室内で飼うことが推奨されます。
運動環境の安全確保
キャットタワーやジャンプ台などの運動環境は安定していて、安全な場所に設置することが必要です。
栄養管理
バランスの取れた食事を提供し、骨の健康を維持するために必要なビタミンやミネラルを補給します。
定期健診
定期的に獣医師の診察を受け、骨の状態や全身の健康状態をチェックすることが重要です。
まとめ
猫の橈尺骨骨折は、生活の質に大きな影響を与える可能性のある重大な外傷です。早期の診断と適切な治療が、回復を促し、後遺症を最小限に抑えるためには不可欠です。万が一、骨折が疑われる場合は、速やかに動物病院での診察を受けることをおすすめします。日頃から猫の行動を観察し、安全な生活環境を整えることで、骨折のリスクを減らすことが可能です。
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当院では毎週月曜日に整形専門外来を行っています。
前足をうまく使わない。骨折と診断された。以前骨折の手術等したがよくならない。内科療法で様子を見ていたがよくならない。変な風に曲がってきた。など些細なことからでもご相談に乗らせていただきます。少しでも悩んでいることを一緒に解決させていただきます!
大切な愛猫ちゃんとの日々の暮らしに寄り添った診察をさせていただきます✨