愛犬が足を引きずる!|考えられる原因と対処法を獣医師が解説
いつも元気いっぱいに走り回っている愛犬が急に足を引きずるようになったら、心配になりますよね。考えられる原因としてはケガや整形外科的問題、神経学的問題など多岐にわたり、早期に治療を行わなければ歩けなくなってしまうケースもあるため、早期発見が重要です。
今回は、犬が足を引きずる原因や適切な対処法についてご紹介します。
■目次
1.症状の見分け方
2.考えられる主な原因
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法
6.まとめ
症状の見分け方
症状が軽度の場合は足先が地面に軽く擦れる程度で、足を引きずりながら歩くことができます。しかし、重度の場合には足に力が入らず立てなくなり、足をだらんとさせて引きずります。
また、突然発症した場合は外傷やケガ(脱臼や骨折、靭帯の断裂など)が原因である可能性が高く、逆に徐々に症状が悪化している場合には、関節炎や神経学的問題が疑われます。
症状が片足のみであればケガを起こしている可能性があり、両足に症状が見られる場合は神経学的問題が疑われ、整形外科的問題が原因の場合は片足のみ、または複数の足に見られることもあります。
愛犬が足をよく舐める、触られるのを嫌がるなどの症状が見られる場合は痛みを訴えているサインであるため、見逃さないように注意しましょう。
考えられる主な原因
犬が足を引きずっている原因は、以下が考えられます。<外傷・ケガ>
・肉球の傷
・爪の損傷
・筋肉や腱の損傷
・骨折
<整形外科的問題>
・前十字靭帯断裂
・股関節形成不全
・膝蓋骨脱臼
・変形性関節症(関節炎)
<神経学的問題>
・椎間板ヘルニア
・変性性脊髄症
診断方法
まずは問診を行い、症状の経過や生活環境、既往歴などを詳細にお伺いします。そして問診で得た情報を元にある程度原因の目星をつけます。その後、視診や触診、歩様検査といった身体検査を行い、必要に応じてレントゲン検査や、CT・MRI検査、血液検査、関節液検査などを行います。
治療方法
主な治療方法は薬物療法(消炎鎮痛剤、抗生物質など)や外科的治療で、原因や症状などに合わせてどちらかを選択していきます。
また、整形外科的問題や神経学的問題が原因である場合は、リハビリテーションを行うこともあります。
予防法
肥満や筋力の低下は足に負荷をかけてしまいます。そのため、日頃から適切な運動と体重管理をしっかり行いましょう。滑りやすい床材や高所へのジャンプも足に負荷をかけてしまうため、安全な環境作りも忘れずに行いましょう。
また、定期的な爪切りと肉球のケア(クリームを塗るなど)を行うことで、足回りのケガを予防することも大切です。
しかし、どんなに対策をしていても、ケガを完全に予防することはできません。そのため、定期的に健康診断を受け、早期発見・早期治療を心がけましょう。
まとめ
犬が足を引きずる原因は多岐にわたります。しかし、原因を問わず、早期発見・早期治療を行うことで、愛犬の痛みを最小限に抑えたり、悪化のリスクを下げたりすることができます。そのため、定期的に健康診断を受け、なるべく早い段階で対処できるように心がけましょう。また、日頃からよく足を触ったり歩き方をチェックしたりする習慣をつけ、愛犬に異変を感じた場合は早めに動物病院を受診しましょう。
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