血液検査のシスタチンC、SDMAってなに??

こんにちは!大田区大森のイース動物病院です!!

今回は当院の健康診断コースにも含まれている血液検査の中の一つである、シスタチンCとSDMAについて説明し、その重要性を皆様にお伝えしたいと思います。

犬や猫の健康管理において、血液検査は非常に重要な役割を果たします。特に腎臓の機能を評価するための新しいマーカーとして注目されているのが、シスタチンCとSDMAです。

これらのマーカーは、従来のクレアチニンや尿素窒素(BUN)とは異なり、より早期に腎障害を検出できる可能性があります

腎臓の健康とその評価の重要性

犬や猫の腎臓は、体内の老廃物を排出し、体液のバランスを保つ重要な器官です。

腎臓の機能が低下すると、老廃物が体内に蓄積し、様々な症状を引き起こします。特に、腎臓病は進行がゆっくりで症状が現れにくいため、早期発見が難しい病気の一つです。そのため、定期的な血液検査が必要です。

シスタチンCとは?

シスタチンCは、血中のフィルターとして働くタンパク質で、全身の細胞で産生されます。このマーカーは、腎臓でのろ過機能を直接的に反映するため、腎障害の早期検出に有用とされています。特に、筋肉量の影響を受けにくいため、シニアのペットや筋肉量が減少した動物においても、腎機能の正確な評価が可能です。

従来のクレアチニンは筋肉の代謝産物であるため、筋肉量の多いペットでは高く、逆に筋肉量が少ないペットでは低く出ることがあります。しかし、シスタチンCはその影響を受けないため、より信頼性のある結果を提供します。

SDMA(対称性ジメチルアルギニン)とは?

SDMAも腎臓の機能を評価するための新しいマーカーです。SDMAは、全身の細胞で生成され、主に腎臓を通して排泄されます。腎機能が低下するとSDMAの値が上昇します。SDMAは、クレアチニンよりも早く腎機能の低下を示すため、早期の腎障害の検出に役立ちます。研究によると、SDMAの上昇はクレアチニンよりも25~40%早く現れることが示されています。

シスタチンCとSDMAの併用のメリット

シスタチンCとSDMAはそれぞれ異なる特性を持っており、これらを併用することで腎機能の評価がより正確になります。例えば、SDMAはクレアチニンよりも腎機能低下を早期に示すことができ、シスタチンCは筋肉量に依存しないため、両方の数値を比較することで、個々のペットに最適な治療プランを立てることができます。

定期的な血液検査の重要性

これらの新しいマーカーを用いた血液検査を定期的に行うことで、腎臓病の早期発見が可能になります。特にシニア期に入ったペットや、腎臓病のリスクが高いとされる犬種・猫種には、年に一度の血液検査を強くおすすめします。

まとめ

シスタチンCとSDMAは、従来の腎機能評価法よりも早期に腎臓病を検出できる新しいマーカーです。定期的な血液検査を行い、これらのマーカーを使用することで、ペットの健康を守るための重要な情報を得ることができます。

動物病院では、これらのマーカーを含む血液検査を提供していますので、ぜひ一度ご相談ください。

このブログが、皆様の大切な家族であるペットの健康管理に役立つ情報であることを願っています。腎臓の健康を守るために、定期的な血液検査を習慣化しましょう。

当院では複数の健診コースをご用意してます。お気軽にご相談ください!!