猫の股関節脱臼

こんにちは!イース動物病院です。

本日は、猫ちゃんでも起こる可能性がある「股関節脱臼」について詳しくお話しさせていただきます。股関節脱臼とは、太ももの骨が股関節のから外れてしまう状態を指し、めちゃくちゃ痛いく歩けなくなってしまいます。通常、猫は股関節が安定しているため、股関節脱臼はあまり見られませんが、外傷や事故などの要因により発生する場合があります。

以下のような症状が見られる場合は、股関節脱臼の可能性を考える必要があります。

症状

猫の股関節脱臼の症状にはさまざまなものがあり、以下のような兆候が見られることがあります。

  1. 歩行困難
    脱臼が発生すると、猫は通常の歩き方ができなくなり、びっこを引いたり、片足をかばって歩いたりする様子が見られることがあります。足を引きずるような動きも特徴的です。
  2. 疼痛(とうつう)
    脱臼が発生した部位に強い痛みが伴うため、触れられるのを嫌がったり、痛みのために怒って鳴いたりすることがあります。また、痛みがあると猫がじっとして動かなくなったり、隠れがちになることもあります。
  3. 不自然な動き
    脱臼があると、股関節の正常な動きが制限され、ジャンプや高い場所への飛び乗りが難しくなることがよくあります。また、動きがぎこちなく、股関節を伸ばす際に無理を感じさせることもあります。

原因

猫の股関節脱臼の原因は主に外傷や事故です。例えば、以下のような場合に発生することがあります。

  • 交通事故:屋外で車に接触するなどして大きな衝撃を受けた際に脱臼が発生することがあります。
  • 高所からの落下:猫は高いところから飛び降りることが多いですが、着地に失敗したり、足をくじくことで股関節に負担がかかることがあります。
  • 強い外力の影響:家具にぶつかる、他の動物に攻撃される、なども脱臼の要因となることがあります。

診断

猫の股関節脱臼を診断するために、獣医師はまず猫の歩行や動きを観察し、痛みの有無を確認します。その後、レントゲン検査を用いて、股関節の位置や脱臼の程度を正確に把握します。これにより、どのような治療が最も適しているかが判断されます。

治療法

股関節脱臼の治療法は猫の年齢、健康状態、脱臼の程度によって異なりますが、主に以下の方法が一般的です。

  1. 手術
    外科手術が一般的な治療法であり、脱臼した骨の一部を切り取り、周囲の筋肉や組織で股関節を支えるようにします。この手術により、再発防止や痛みの軽減が期待されます。手術後には適切なリハビリテーションが必要です。
  2. リハビリテーション
    手術後の回復をサポートするために、リハビリテーションが重要です。リハビリには筋力を維持し、正しい歩行を取り戻すためのトレーニングが含まれます。物理療法や軽度の運動を通じて、猫が快適に生活できるようサポートします。獣医師の指導のもとで進めることが望ましいです。
  3. 入院管理
    外科手術を行った場合、術後の経過観察やリハビリのために数日間の入院が必要な場合があります。猫が無理をせず、しっかりと回復するために入院管理が行われます。

予防方法

股関節脱臼を予防するためには、猫が安全に生活できる環境を整えることが大切です。

  • 室内飼育:交通事故のリスクを減らすため、猫を完全な室内飼育にすることが推奨されます。
  • 高所からの落下防止:キャットタワーや窓際で猫が無理なジャンプをしないよう配慮し、安全な場所で遊べるよう工夫します。
  • 定期的な健康管理:日常的な健康チェックや適切な体重管理が、骨や関節の負担軽減につながります。

まとめ

猫の股関節脱臼は、早期発見と適切な治療がその後の生活に大きく影響します。もし最近、猫ちゃんが足を引きずっている、触られると怒る、ジャンプを避けるなどの行動が見られる場合は、獣医師に相談することをお勧めします。当院では毎週月曜日に整形外科の専門診療を行っていますので、お気軽にご相談ください。

イース動物病院では、皆様の猫ちゃんが健康で幸せな生活を送れるよう、日々サポートしております。