新しく学習して上書きされている!?今までできているしつけを維持しよう 〜第二弾〜

こんにちは!大田区大森のイース動物病院です。

今回は、前回のしつけのブログに引き続き今までできているしつけを維持するコツの第二弾です!

前回のしつけを維持するコツについては、こちらへ。

・飼い主の仕草で指示を覚えているかも!?

今までは指示を言葉で伝える方法をお伝えしていましたが、実は人間の行動を見て指示と認識することもできます。言葉ではなく動作での指示のことを「ハンドシグナル」と言います。「待て」の時に手のひらを犬の前にかざしたり、「お手」の時に犬の前に手のひらを差し出すこともハンドシグナルの一つです。

このように手を差し出すなど人が意図的にした動作で指示を認識して行動する反面、指示言葉と同時に無意識に行なっていた動作の方をハンドシグナルとして認識することがあります。

例えば呼び戻しで「おいで」と言う時に、犬を迎えようとして屈むことはありませんか?呼び戻しの言葉と屈む動作を同時にしていると、飼い主が屈んだら駆け寄ると間違った学習をすることがあります。この学習をしてしまうと「おいで」と言っても駆け寄ってこない、呼び戻しの指示を出していないのに屈むと駆け寄ってくるという状態になります。

呼び戻しには犬を事故やトラブルから遠ざける、脱走を防ぐ効果があります。愛犬が興奮して飼い主の制御を振り切り、勢いよく走り出したり、走行している自転車に近付いてしまう経験はありませんか?そんな時に「おいで」ができれば、愛犬を事故やトラブルから遠ざけることができます。

また散歩中にリードが外れてしまったり、柵や家から飛び出してしまったという状況のとき、「おいで」ができれば危険な迷子や脱走を最小限に防ぐことができます。

そんな大切な役割の指示が屈むことでは、見ていなかったら何の意味もありません。無意識な動作がハンドシグナルとして認識して学習しないように、決まった動作をしないように気をつけてみましょう。例えば指示をするときに座った状態、立った状態、屈んだ状態でやってみたり、屈みながら、立ち上がりながらやってみましょう。必ず決まった体勢でする訳じゃないことを学習させます

・指示以外にも特定の条件を学習しているかも!?

言葉を指示として認識しているが、距離や方向、姿勢なども一緒に条件として学習していることがあります。

例えば、普段は犬の正面で向き合った状態で「待て」の指示をしてできているのに、自分の側面に犬を立たせている状態で「待て」と言っても待てないということがあります。これは犬が、飼い主と向き合った状態であることが条件だと認識しているからです。いつもと何か違うよ?と犬が困惑してしまい指示が通らないのです。

向き合った状態では「待て」ができるのに、自分の側面に犬を立たせている状態つまりお散歩している状況と同じ立ち位置ではできないということです。

これではお散歩中に犬が急に走り出してしまった時や赤信号の横断歩道を進みそうになった時に「待て」の指示が通らないということになります。

一定の距離から離れてしまったり、立った状態で指示すると反応しないということもあります。これらは普段から決まった立ち位置や向き、距離の近さ、姿勢でしつけトレーニングや普段のコミュニケーションを行なっていることが原因です。

いきなり立ち位置や距離を変えては困惑してしまいできません。普段の立ち位置から足1つ分ズレたところから、普段の距離から足1歩分離れたところから練習してみましょう。できたらしっかりと褒めてあげておやつをあげましょう。できなかった時は少し移動してリセットしてからやり直しましょう。

できるようになってからも、普段から決まった距離や立ち位置で指示しないようにしましょう。コミュニケーションとしてのしつけ中などにランダムな条件で指示して練習してみてください。

まとめ

今回お話しした、無意識な動作をハンドシグナルとして学習すること、指示以外の特定の条件を学習することは、私たちが意識していないところで起こっているので気づくのが遅くなりやすいです。

少し意識を向けたり、いつも決まった動きにならないように気をつけて、日々のコミュニケーションで行うしつけをしていきましょう!