新しくワンちゃんを迎え入れた飼い主様へ

新しい家族を迎え入れる。 こんな素敵な出来事は一生涯の内で滅多にないイベントです。

今日はそんな大切なワンちゃんを迎えいれた時、最初に動物病院で何をする必要があるのかをお伝えしたいと思います。

今回は若齢のワンちゃんを迎え入れた時を想定してお伝えします。

ワンちゃんを迎え入れて動物病院でやるべき事

  • 消化管寄生虫の駆虫(〜初回来院時)
  • ワクチンプログラムに沿ったワクチン接種(〜4ヶ月齢)
  • 狂犬病予防接種(1年に1回)
  • 予防薬(フィラリア、ノミ・ダニ)(4・5月〜11・12月)
  • 避妊・去勢手術(6ヶ月齢〜)

それでは1つずつ説明させて頂きます。

〜消化管寄生虫の駆虫〜

ペットショップやブリーダー様から迎え入れられる方も多いかと思います。

最近だと、すでに駆虫済みの状態で迎え入れられる傾向にありますが、中には駆虫しきれず、お腹の中に寄生虫がまだいる場合もあります。

はじめて動物病院にきた時に、駆虫歴がない場合には駆虫薬を処方させて頂きます。

また、駆虫歴がある場合でも、下痢や嘔吐などの消化器症状が認められる場合には、糞便検査などを実施の上、必要に応じて処方させて頂きます。

〜ワクチンプログラムに沿ったワクチン接種〜

若齢で感染すると重篤と化する感染症・接触により伝播する恐れのある感染症をワクチン接種する事で予防する事が目的です。

“6種ワクチン”とか“8種ワクチン”と呼ばれるものが、この類です。

ざっくりとした話、4ヶ月齢(16週齢)未満の子犬は体の中で抗体を記憶する事ができません。

なので、4ヶ月齢をまたいで最低2回は接種する必要があります。

4ヶ月齢未満の子犬の場合、ワクチン接種で得られた抗体はそのまま消費されます。

要は使い捨てです。

なので、おおよそ1ヶ月に1回、4ヶ月齢をまたぐまで接種する必要があります。

〜狂犬病予防接種〜

狂犬病とは、狂犬病ウイルスに感染した犬やそのほかの動物に咬かまれることで引き起こされる病気です。

一度発症すると人もワンちゃんも救命は極めて難しいといわれています。

日本では、狂犬病予防法により、犬へのワクチン接種・検疫制度が十分に整えられており、清浄国とされています。

しかし、それを守る上では国内でのワンちゃんへのワクチン接種率を少なくとも70%以上キープしないといけないと言われております。

清浄国ではあるものの、狂犬病予防接種が“義務化”されているのはそのためです。

日本国においては1年に1回の接種が義務化されています。

〜予防薬(フィラリア、ノミ・マダニ)〜

蚊の吸血を介してフィラリアと呼ばれる寄生虫がワンちゃんへ感染します。

2ヶ月程は皮膚の中に住み着いているので悪さをしませんが、その後血管内に入り心臓で成虫となり、様々な症状をきたします。

蚊の吸血を完全に防ぐ事はできませんので、皮膚の中に入り込んでいるタイミングで駆虫する事が必要です。

1ヶ月に1度、フィラリアの予防薬(“予防薬“という名前ですが、実際は駆虫薬です)を飲ませる事で感染成立を予防します。

生まれた時期によっては初年度のフィラリア検査(血液検査)は必要ありませんが、毎年、飲み始めの前にフィラリア検査(血液検査)を実施する必要があります。

また、最近ではフィラリア薬に加えて、ノミやマダニを1ヶ月間予防する成分も含まれている薬(=オールインワンタイプと言われる薬)が主流となっています。

〜避妊・去勢手術〜

健康な体にメスを入れて生殖器官を取り除く手術を言います。

女の子の場合は避妊手術、男の子の場合は去勢手術と言います。

愛しい家族の負担を考えると手術を受けさせるべきなのか悩んでしまう飼い主さんも多いと思います。

多くの獣医さんは避妊・去勢を勧めてくると思いますが、その理由は手術をするメリットの方がデメリットよりも遥かに大きいと思われるからです(詳しくはまた別の機会に記載させていただきますね。)

ワンちゃんの場合、避妊・去勢ともに6〜8ヶ月齢頃に実施するのが適切とされます。

また、この時期に乳歯が残っている事も多いため、避妊・去勢手術の際に一緒に抜歯するケースが多いです。

1つの目安として、犬歯(八重歯に値する歯)の永久歯が生えてきたタイミングでそろそろ手術が必要かなと思ってください。

いかがでしたか?

ざっくりとしたお話となりましたが、ご来院して頂いた際にはもっとより詳しくお話できたらと思います。

ぜひお気軽にご相談ください。