愛犬・愛猫の健康診断、ちゃんと受けていますか?

〜“見えない異変”に気づくために〜

こんにちは!イース動物病院です!

私たちにとって、犬や猫は大切な家族の一員です。毎日ごはんを食べて、元気に走って、ぐっすり眠って…そんな日常が続くことを願ってやみませんよね。
でも、見た目が元気そうでも「本当に健康かどうか」は、見ただけではわからないこともあります。

犬や猫は本能的に体調不良を隠す傾向があり、気づいた時には病気が進行している…というケースも少なくありません。そんな“見えない異変”にいち早く気づくための方法が「健康診断」なのです。


🩺 健康診断って、どんなことをするの?

健康診断とは、今現在の身体の状態を調べるために、獣医師が行うさまざまなチェックの総称です。具体的には以下のような検査が一般的に行われます。

🔍1. 身体検査(視診・触診・聴診)

まずは獣医師による基本的なチェック。
目の濁りや充血、耳の汚れ、歯の状態、皮膚や被毛の状態、しこりの有無などを見て、全体の健康状態を確認します。

触診では腹部や関節を触り、腫れや痛みがないかを調べます。また、聴診器で心音や呼吸音を聞き、心臓や肺の状態を把握します。

🧪2. 血液検査(生化学検査・血球計算)

血液検査は、体の中の情報を「数値」で知ることができる非常に重要な検査です。

  • 赤血球・白血球・血小板の数や形:貧血や感染症の有無を確認
  • 肝臓・腎臓の機能:ALP、ALT、BUN、CREなどの値をチェック
  • 血糖値・コレステロール:糖尿病や代謝異常の兆候がわかる
  • 炎症や脱水の有無:全身状態の変化を反映する

外からは見えない「内臓の働き」や「免疫の状態」などを評価できます。

💧3. 尿検査・便検査

尿からは腎臓の機能、糖尿病の有無、感染や結石の兆候などがわかります。
便からは消化の状態や寄生虫の存在などをチェック。とくに外に出る猫や、散歩中に草を食べる犬などは寄生虫のリスクがあるため、定期的な検査が大切です。

🩻4. レントゲン・超音波検査(必要に応じて)

外から見えない体の奥の状態を調べる画像診断。
レントゲンでは心臓の大きさや骨の状態、肺の様子などが見られます。
超音波検査では肝臓・腎臓・膀胱・脾臓・子宮などの形や動きを確認できます。しこりや腫瘍の有無を調べる際にも役立ちます。


🐾 年齢によって異なる健康診断の目的

犬や猫の健康診断は「年齢」によって、注目すべきポイントが異なります。

🐕‍🦺1〜6歳の成犬・成猫(若年〜中年期)

この時期は比較的健康なことが多いですが、生活習慣病や先天的な異常が見つかることもあります。
早期に体質や弱点を知っておくことで、予防やケアがしやすくなります。

  • 肥満傾向のチェック
  • 歯周病の兆候
  • 遺伝性疾患の早期兆候

🐾7歳以上のシニア期

犬や猫も7歳を過ぎるとシニアの仲間入り。老化による変化が少しずつ現れ始めます。
この時期は年に2回ほどの健康診断が理想的です。

  • 腎臓病・肝臓病の早期発見
  • 心臓病の兆候
  • がん・腫瘍の有無
  • 視力・聴力の変化
  • 認知機能の低下(犬の認知症など)

「高齢だから仕方ない」ではなく、「今できることを見つける」ための健診が大切です。


🧠 健康診断でわかる“予兆”とは?

健康診断の最大のメリットは、「まだ症状が出ていない段階で異常を発見できる」ことです。

たとえば…

  • 血液検査で腎臓の数値が少し高い→食事療法を開始して進行予防
  • 超音波で見つけた小さな腫瘍→早期手術で完治
  • 心音に雑音→心臓病の兆候とわかり、薬で症状の進行を遅らせられる

これらはすべて、定期健診を受けていたからこそ早く対応できた例です。


🐶健康診断を受ける時のポイント

初めての健康診断では、飼い主さんが準備しておくとよいことがあります。

✅事前のメモを持参しよう

  • 食欲や水を飲む量の変化
  • トイレの様子(回数・色・におい)
  • 最近気になる行動(元気がない、寝てばかり など)
  • 家族歴や過去の病歴

これらの情報を紙やスマホにまとめておくと、診察がスムーズになります。

✅空腹で来院するよう指示されることも

検査内容によっては、前日24時以降のご飯は絶食でのご来院をお願いしております。

お薬などおやつでないと食べられない場合は獣医師にご相談ください。

✅ストレスを減らす工夫を

動物病院が苦手な子には、キャリーケースに慣れさせる・好きなおやつを持参するなど、なるべくリラックスできる環境を整えてあげましょう。


❤️ まとめ:健康診断は「病気の早期発見」だけじゃない

健康診断は単なる“病気のチェック”ではありません。
「今の健康を確認する」「将来のリスクに備える」そして「飼い主が安心する」ための大切な習慣です。

犬や猫は言葉で不調を訴えることができません。だからこそ、飼い主さんが一歩先を読んで、健診を活用していくことが必要です。

今日も元気に見えるその子の中で、何が起こっているかを知るために——
ぜひ、定期的な健康診断を受けさせてあげてください🩺✨