家の犬猫の口の匂いが気になったら…歯のお掃除でここまで変わります!!

こんにちは!大田区大森のイース動物病院です。

皆さんはおうちのワンちゃんネコちゃんは最近ご飯をこぼすようになったり、、口臭が気になったりすることはありませんか?

こういった症状がある場合歯に原因があるかもしれません。

今回は実際の症例も交えて歯石取りスケーリングの重要性について詳しくお話します。

■歯石取りスケーリングって?

歯石取りスケーリングとは、犬や猫の歯に付着した歯石・歯垢を専用の器具で取り除く処置です。
全身麻酔下で、歯の表面だけでなく歯周ポケットの中までしっかり清掃することで、歯周病の予防・改善に大きく役立ちます。


実際の症例

11歳の猫ちゃんが「口臭が強く、最近あまり噛めていない」と来院。
診察では、歯石の付着・歯肉の赤み・歯周ポケットの形成が確認され、痛みも疑われました。


■ 1枚目の写真:スケーリング前

処置前は歯石が厚く固着し、歯肉が赤く腫れた状態でした。
下の歯を見てみると歯肉の退縮や出血も見られ、このままでは歯周病がさらに進行し、痛み・食欲低下・抜歯のリスクが高まる状況でした。


■ スケーリング+抜歯について

深い歯周ポケットが複数あり、通常の歯石を取るだけでは不十分と判断。
歯周フラップ手術で歯肉を軽く開き、歯根周囲の汚れを徹底的に除去し、健康な歯肉が戻りやすい状態に整えました。

「フラップ」とは歯肉(はぐき)を一部めくって歯の根や歯周ポケットの深い部分を直接めくって見える状態にして清掃、治療する方法のことです。


■ 2枚目の写真:スケーリング+抜歯後

処置後は炎症部分が改善し、歯根周囲が清潔な状態に。
腫れていた歯肉も落ち着き、深い部分の細菌や汚れもきれいに取り除かれました。


■ スケーリングのメリット

痛みや不快感の改善
食べにくさが解消され、食事量が戻りやすくなります。

口臭の大幅改善
歯石に付着した細菌を除去し、ニオイが大きく軽減します。

歯周病の進行をストップ
歯の揺れ・抜歯・骨吸収などの悪化予防に有効です。

全身疾患のリスク低下
細菌の血流移行を防ぎ、心臓・肝臓・腎臓への負担軽減にもつながります。


処置後の経過

術後は抗生剤・消炎剤で経過観察。
早い段階で食欲が改善し、飼い主さんからも
「口臭が全然違う」「食べるスピードが戻った」とのご報告をいただきました。


若いうちのデンタルケアが重要

猫の歯周病は3歳頃から増加し、気づかないうちに進行します。
そのため、

✔ 1〜3歳からの定期的な歯科チェック
✔ 歯石が溜まる前のスケーリング
✔ 自宅での歯磨き・デンタルケア

がとても大切です。
猫は症状を隠しやすいため、食べ方の変化が出た頃には重度の場合も多くあります。


最後に

以下のような症状は、口腔トラブルのサインの可能性があります。

  • 1. 口が臭くなる(口臭)
  • 2. よだれが増える
  • 3. 食べ方が変わる
  • 4. 口を気にして前足でこする
  • 5. 歯ぐきの色が変わる/腫れる
  • 6. 歯がグラグラする・抜ける
  • 7. 食欲が落ちる

痛みを早く取ってあげることで、生活の質は大きく改善します。
イース動物病院では歯科専門外来を月に2回行っております。

気になる症状があれば、お早めにご相談ください。