大切な愛猫が痛そう。そんな愛猫は腰痛を忘れる?!~整形疾患は身近に?!~

こんにちは!東京都大田区大森西にあります、イース動物病院です✨

この寒い時期の愛猫ちゃんはゆっくりと温かい所で寝ていると思います。その寝ているのは眠い。寒い。だけではないこともあります。実は腰痛で痛くて動きたくない。そんなこともあります。さて本日は腰痛についてお話しさせていただきます。

猫の腰痛について知ろう

猫はしなやかで柔軟な体を持っているため、一般的には関節や筋肉の問題が目立ちにくい動物です。しかし、加齢や病気、怪我などの要因で腰痛を発症することがあります。この記事では、猫の腰痛の原因、症状、治療法、そして予防策について詳しく解説します。


1. 腰痛とは?

腰痛は、腰椎やその周辺の筋肉、神経、靭帯、関節に何らかの異常が生じることで起こる痛みを指します。人間の腰痛と同様に、猫も腰の部分にストレスや負担がかかることで痛みを感じる場合があります。猫の腰痛は、早期発見と適切な対応が重要です。


2. 猫が腰痛になる主な原因

加齢

  • 年齢を重ねると、猫の関節や骨に変性が起こることがあります。特に関節炎や椎間板の劣化が腰痛の原因となることが多いです。

外傷

    • 高いところからの落下や転倒、交通事故などの外傷によって腰に負担がかかる場合があります。

    肥満

    • 体重が増加すると、背骨や関節に余計な負担がかかり、腰痛を引き起こすことがあります。

    椎間板ヘルニア

    • 椎間板が圧迫されることで、神経が刺激され痛みを伴うことがあります。

    腫瘍や感染症

    • 腰椎周辺に腫瘍や感染が発生することで、痛みや運動障害が生じることがあります。

    筋肉の緊張や疲労

    • 激しい運動や長時間の特定の姿勢が原因で、腰の筋肉が緊張し痛みを感じることがあります。

    3. 猫の腰痛の症状

    猫の腰痛は以下のような行動や体の変化で見られることがあります:

    • 動きが鈍くなる、または極端に動かなくなる
    • 飛び跳ねるのを嫌がる
    • 腰のあたりを触ると嫌がる、あるいは鳴いて痛みを訴える
    • 歩き方がぎこちない、または後ろ足を引きずる
    • 排便や排尿時に困難を示す
    • グルーミング(毛づくろい)の頻度が減少
    • 食欲低下や元気の喪失

    これらの症状が見られる場合は、早急に動物病院に連れて行くことが重要です。


    4. 診断方法

    獣医師による診断は、猫の腰痛の原因を特定する上で欠かせません。以下のような方法で診断が行われます:

    問診

    • 飼い主から、猫の行動の変化や過去の怪我について詳細を聞き取ります。

    身体検査

    • 腰の部分を触診して痛みの場所を特定します。

    画像診断

    • レントゲンやMRI、CTスキャンを用いて、骨や椎間板、筋肉の状態を詳しく調べます。

    血液検査

    • 感染症や腫瘍の可能性を排除するために血液検査を行うことがあります。

    5. 治療法

    猫の腰痛の治療は、原因や症状の重さに応じて異なります。

    薬物療法

    • 鎮痛剤抗炎症薬(非ステロイド系抗炎症薬など)を使用して、痛みや炎症を軽減します。
    • 筋弛緩薬を用いて、筋肉の緊張を和らげる場合もあります。

    物理療法

    • 温熱療法やマッサージが腰痛の改善に役立つことがあります。
    • リハビリテーションやストレッチも効果的です。

    手術

    • 腫瘍や椎間板ヘルニアなどの深刻なケースでは、外科手術が必要になる可能性があります。

    生活環境の改善

    • 猫の動きやすい環境を整え、負担を減らすことが治療の一環として重要です。

    6. 腰痛の予防策

    猫が腰痛になるリスクを減らすために、以下のポイントに注意しましょう:

    適切な体重管理

    • 肥満は腰への負担を増やします。適切な食事と運動で理想体重を維持しましょう。

    快適な住環境

    • 段差や急な階段が少ない環境を作りましょう。ジャンプ台やステップを設置することで、無理な動きを減らすことができます。

    定期的な健康診断

    • 年1~2回の健康診断で早期発見に努めましょう。

    適度な運動

    • 猫に合った運動を取り入れることで、筋力を維持し、腰の健康を保つことができます。

    7. 飼い主としての心構え

    猫の腰痛は早期発見と適切な治療が鍵です。飼い主としては、日頃から猫の行動を観察し、異変を見逃さないことが重要です。また、腰痛を予防するための生活環境の改善や、定期的な健康チェックを怠らないようにしましょう。


    猫が健康で快適に過ごせるよう、この記事を参考に日々のケアを心がけてください。

    当院では毎週月曜日に整形専門外来を行なっています。

    他の病院での腰痛と診断された。や痛み止めだけで様子見ている。画像検査などせずに触診だけ。腰が痛そう。などありましたらご相談ください。

    実はよく当院には他の病院さんで腰痛と診断された方が受診し、ただの腰痛ではないことが多くあります。少しでも手遅れになる前に、「どこか痛そう」や「最近動きが鈍い」などでもご相談いただけましたら1からご説明させていただきます。

    少しでも一緒に大切な愛猫ちゃんとの思い出を作っていきましょう!