あなたの犬も危険!? 股関節に隠れた驚愕の病、レッグ・ペルテス病の真実とは~整形疾患は身近に⁈~
こんにちは!東京都大田区大森西にあります、イース動物病院です✨
新しく迎えたワンちゃんとこれからたくさんの思い出を作っていきたいですよね?
そんな中急に足をうまく使ってなくて病院でも骨折していない。と言われたら心配になりますよね…。実はそれレッグぺルテス病かも?
レッグぺルテス病って整形疾患なの?病が付くから内臓の病気なの?と思いきや股関節の異…整形疾患になるんです。
犬のレッグ・ペルテス病について
レッグ・ペルテス病(Legg-Calvé-Perthes Disease)は、犬においても発症することがある股関節に関連した病気で、特に小型犬に多く見られます。この病気は、股関節を構成する大腿骨頭(だいたいこっとう)に血流が不足することによって、骨の壊死や変形が生じ、最終的には痛みや運動機能障害を引き起こすことがあります。レッグ・ペルテス病は犬にとっては非常に痛みを伴う疾患であり、早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。
本記事では、犬におけるレッグ・ペルテス病の概要、原因、症状、診断方法、治療法、予後について詳しく説明します。
1. レッグ・ペルテス病とは?
レッグ・ペルテス病は、大腿骨頭(股関節のボール部分)の血流が一時的に不足し、その結果として骨が壊死(死滅)し、最終的には骨の変形や機能障害が引き起こされる疾患です。これは、特に若い犬、特に小型犬に多く見られる病気であり、通常、6ヶ月から1歳の間に発症します。股関節は大腿骨と骨盤の寛骨臼(かんこつきゅう)によって構成されており、通常、これらがしっかりと噛み合って動きます。しかし、レッグ・ペルテス病では、大腿骨頭の骨が壊死し、その部分が変形するため、関節の動きが制限され、最終的に痛みや歩行困難が発生します。
症例としての特徴
レッグ・ペルテス病は、犬の股関節に特化した疾患であり、大腿骨頭への血流不足によって、骨が壊死し、関節の機能障害が引き起こされます。多くの犬が片方の脚に発症しますが、両足に影響が及ぶこともあります。病気が進行すると、犬は歩行が困難になり、足を引きずるようになります。痛みが強い場合は、動かすことを避けるために、犬は足を使わなくなることがあります。
2. 犬のレッグ・ペルテス病の原因
犬のレッグ・ペルテス病の正確な原因は明確ではありませんが、いくつかの因子が関与していると考えられています。
2.1 血流の障害
レッグ・ペルテス病は、大腿骨頭の血流不足が原因で発症します。骨は血液を通じて栄養や酸素を供給されており、この血流が途絶えると、骨組織は壊死し、その後骨の再生が必要になります。血流が途絶える原因としては、血管の圧迫や血液の流れを妨げる何らかの要因があると考えられています。しかし、この血流障害が発生する具体的なメカニズムはまだ完全には解明されていません。
2.2 遺伝的要因
レッグ・ペルテス病は遺伝的な要因が関与している可能性があります。特に、小型犬種でこの病気が多く見られることから、遺伝的素因が影響を与えていると考えられます。特定の犬種では、レッグ・ペルテス病の発症リスクが高いことが知られています。
2.3 その他の因子
レッグ・ペルテス病の発症には、外傷や骨折などの外的な要因も関与する可能性があります。犬が活発に遊ぶことが多いため、衝撃や圧力が加わることで、血流に影響を与えることがあると考えられています。
3. 犬のレッグ・ペルテス病の症状
レッグ・ペルテス病の最も特徴的な症状は、歩行の異常です。初期段階では軽度の症状しか現れないこともありますが、進行すると犬は明らかに痛みを感じ、動きが制限されます。主な症状は以下の通りです。
3.1 足を引きずる
犬が片足を引きずって歩くことが多く見られます。足を使うことを避けるために、足を上げて歩こうとすることがあります。このため、飼い主は犬の歩き方に違和感を感じることがあります。
3.2 歩行の困難
歩行に際しての不安定さや、すり足になることがあります。股関節の痛みが強くなると、犬は歩くこと自体を避けるようになります。
3.3 脚の使用を避ける
痛みが強いと、犬は問題のある脚を使わないようになります。床に脚をつけずに座ったり、立ったりすることがあります。
3.4 持続的な痛み
犬がレッグ・ペルテス病を患っている場合、運動後や休息後に痛みが現れることがあります。飼い主が触れたときに痛みを示すこともあります。
4. 犬のレッグ・ペルテス病の診断方法
レッグ・ペルテス病の診断には、獣医師による身体検査と画像診断が重要です。診断のプロセスは次の通りです。
4.1 身体検査
獣医師は、犬の歩行を観察し、足を使うときにどのような症状が現れるかを確認します。また、触診によって股関節や脚に痛みがあるかどうかを調べます。
4.2 X線検査
レッグ・ペルテス病を診断するためには、X線検査が最も有効です。X線画像を使って、大腿骨頭の骨の状態や変形の有無を確認します。初期段階では骨の異常が見られないこともありますが、進行した場合には骨の変形や壊死が明確に現れます。
5. 犬のレッグ・ペルテス病の治療法
レッグ・ペルテス病の治療には、手術的治療と非手術的治療があります。治療方法は、病気の進行状況や犬の年齢、全体的な健康状態によって異なります。
5.1 手術的治療
病気が進行した場合や、非手術的治療で改善が見られない場合、手術が必要となることがあります。代表的な手術は、股関節の関節破壊部位を除去する手術です。この手術により、関節の動きを回復させ、痛みを軽減することができます。
5.2 物理療法
手術後には、物理療法(リハビリテーション)が推奨されることがあります。物理療法を通じて、股関節の可動域を広げ、筋力を回復させることが目標です。
6. 犬のレッグ・ペルテス病の予後
レッグ・ペルテス病の予後は、治療のタイミングや進行状況によって異なります。早期に適切な治療を行えば、多くの犬が痛みを軽減し、正常な歩行が回復することが可能です。しかし、治療が遅れると関節に永続的な変形が生じ、将来的に股関節症を引き起こすリスクが高まります。
手術による治療を受けた場合、術後の回復には数ヶ月かかることがありますが、適切なリハビリを行うことで、犬は再び活発に動き回ることができるようになります。
7. 結論
犬のレッグ・ペルテス病は、早期発見と適切な治療が鍵を握る疾患です。痛みを和らげ、関節の機能を保つためには、獣医師と連携して治療を進めることが重要です。もし、犬が歩行に問題を抱えている場合は、早期に診断を受けることを強くお勧めします。
当院では毎週月曜日に整形専門外来を行っています。
足をうまく使わな。レッグぺルテス病と診断された。昔に内科療法で様子見ているけど、現状どうなのか?など小さな悩みからでもご相談ください。
当院では飼い主様のご家庭とその子にあった治療方針や定期検査などご提案させていただきます。
大切な家族の一人のワンちゃんと一生の思い出を大切にしていきます。