【犬・猫の飼い主さん必見】目や皮膚が黄色い?それ、「黄疸(おうだん)」かもしれません
こんにちは!大田区大森西のイース動物病院です。
「目の白い部分が黄色っぽく見える」「歯ぐきがいつもより黄色い気がする」
そんな変化に気づいたら、それは**黄疸(おうだん)**の兆候かもしれません。
黄疸とは、ビリルビンという色素が血液中に多くなることで、皮膚や粘膜、白目(結膜)が黄色く見える状態です。
その背景には、肝臓や胆のう、胆管の異常、あるいは赤血球の破壊など、重要な体内のトラブルが潜んでいる可能性があります。
🧪 黄疸のある動物の血液の特徴

こちらの写真は、実際に黄疸を示した犬の血液を遠心分離したものです。
通常、血液の上澄み(血漿)は透明〜淡い黄色ですが、
黄疸があると、濃い黄褐色〜オレンジ色に変化します。これは血中にビリルビンが多く含まれている証拠です。
🔍 黄疸で見られる主な症状
- 白目や耳の内側、皮膚が黄色くなる
- 歯ぐきが濃い黄色に変わる
- 食欲の低下、元気がない
- 嘔吐や下痢
- おしっこが濃い色(オレンジ〜茶色)になる
- 発熱や体重の減少
黄疸は内臓疾患のサインであることが多いため、見逃さずにすぐ受診することが大切です。
🧬 黄疸の原因は主に3つに分類されます
① 🩸 溶血性黄疸(赤血球が過剰に壊れる)
- 例:免疫介在性溶血性貧血、タマネギ中毒、血液型不適合など
→ 赤血球が破壊されすぎて、ビリルビンが大量に発生
② 🧠 肝性黄疸(肝臓の働きが低下)
- 例:肝炎、肝硬変、肝臓の腫瘍、中毒など
→ 肝臓でビリルビンを処理できず、血中に残る
③ 🫙 閉塞性黄疸(胆汁の流れが詰まる)
- 例:胆泥症、胆石、膵炎、胆のう破裂、腫瘍など
→ 胆汁が詰まり、ビリルビンが血中に逆流
🩺 診断のために行う検査
- 血液検査(ビリルビン値、肝酵素、赤血球数 など)
- 超音波検査(肝臓・胆のう・胆管の状態を観察)
- レントゲンやCT検査(腫瘍や閉塞の有無を確認)
- 血液塗抹検査(溶血の程度を確認)
症状が似ていても原因は様々なので、正確な診断には複数の検査が必要になります。
💊 治療法は原因によって異なります
- ✅ 溶血性黄疸:免疫抑制剤の投与、輸血など
- ✅ 肝性黄疸:肝臓を守る薬、点滴、食事管理
- ✅ 閉塞性黄疸:外科的な治療(胆のう摘出など)や内科的サポート
早期に対応すれば、回復できるケースも多いため、早めの受診が命を救います。
🐾 飼い主さんにできる日常のチェックポイント
- 白目・歯ぐき・耳の内側などの色をこまめに観察
- おしっこの色がいつもより濃い場合は注意
- 「いつもと様子が違う」と感じたら、すぐ相談
黄疸は目に見える「内臓のSOS」です。
少しでも異変を感じたら、ためらわず動物病院を受診しましょう。
早期の気づきと行動が、わんちゃん・ねこちゃんの命を守る鍵となります。
気になる事がございましたら大田区大森西のイース動物病院へご連絡ください。