「待て」の練習をしてみよう!

こんにちは!大田区大森のイース動物病院です。

みなさんの愛犬は、「待て」がどのくらいできますか?

どんなしつけやコミュニケーションにおいても、まずはアイコンタクトをマスターしましょう!名前を呼んだら目を合わせることができるようになりましょう。

「待て」だけでなく、おすわり、おいでなどのしつけでもアイコンタクトは重要になっていきます。人でも認識していない後ろから急に「◯◯取って」と言われても上手く反応できないですよね。アイコンタクトで犬に自分を注目させることで指示が伝わりやすくなります。

アイコンタクトの詳細については、こちらへ。

「待て」を教える必要ってあるの?

待て」は、アイコンタクトと同様に犬を事故やアクシデントから遠ざける効果があります。他にも、他者への攻撃誤飲を防いだり、他のしつけの土台にもなります。

例えば、走っている自転車を追いかけて道路に出てしまいそうになった時や赤信号を進もうとしている時、「待て」のしつけができていれば犬の行動を中断できるので、事故に巻き込まれる可能性は低くなります。

待ての練習をしてみよう

最初に、

・念頭に置いておくこと

・学習しやすい環境とご褒美の準備

・指示言葉を統一する

ことを確認しましょう。アイコンタクトの練習とおなじです。

犬にしっかりと「待て」をしつけるには時間がかかります。数日、数週間かけて少しずつ進めていきましょう。

「おすわり」を覚えていた方が、腰を下ろしていることで動きを制限して「待て」の練習がやりやすくなります。

おすわりの詳細については、こちらへ。

・「待て」と待つ動作を関連付けする

まずは「待て」と言われた後に、動かなかったらご褒美がもらえることを関連付けします。おやつを見せて行う必要はありません。

待ての指示言葉は、「ステイ」、「ウェイト」、「待て」などがあります。ここでは「待て」を指示言葉とします。

1.犬の正面に立ちアイコンタクトができている状態で「待て」と言い、1〜2秒待たせる

この時の犬の姿勢は何でも大丈夫です。

しかし、おすわりをしている方が腰を下ろしているため動きに制限がかかり動きづらくなります。そうすることで待ての練習がやりやすくなります。

おすわりの状態で行う場合、「おすわり」と言ってからできたら「いいこ」とだけ言い、おやつはあげません。「いいこ」の後にすぐ続けて「待て」を言います。

2.犬が動き始める直前で、「いいこ」など声をかけておやつをあげる

一番重要なのは、犬が動く前にご褒美をあげることです。動いてからご褒美をあげると、動かなかったらご褒美がもらえるという学習ができません。

流れ

(「おすわり」→犬が座る→「いいこ」→)「待て」→犬が動かない(1〜2秒)→「いいこ」ご褒美

3.1と2を繰り返し、動かない時間を2秒→3秒、3秒→4秒と少しずつ延ばしていく

繰り返していくうちに、動かなかったらご褒美がもらえると学習します。延ばす時間をいきなり5秒や10秒と飛ばして延ばさないようにしましょう。

飼い主は、その間アイコンタクトを続け動かないようにします。

中々待ってくれないからといって「待て」や名前を連呼しないようにしましょう。犬が聞き取りづらくなります。

10秒動かないようになったら、次のステップに進みます。

・解除の言葉を教えよう

次に、待てを解除するして「動いていいよ」という合図を教えます。

解除の言葉を決めましょう。「よし」、「いいよ」、「フリー」などがあります。ここでは「よし」を解除の言葉とします。

1.犬から一歩離れた位置に立ち、今まで通り「待て」と指示を出す

2.3秒ほど待てたら「よし」と解除の言葉を言うと同時に、おやつを持った手を差し出して犬が移動するようにする

手元にやって来たらおやつをあげて褒めましょう。解除する前に動いた場合は、少し移動して状態をリセットして最初から始めましょう。できなかった時におやつをあげないようにしましょう。

流れ

(「おすわり」→犬が座る→「いいこ」→)「待て」→犬が動かない(3秒)→「よし」おやつを差し出す→犬が動く→「いいこ」ご褒美

・指示する人が動いても、待てるようにしよう

次のステップでは「待て」の最中に、犬との距離を伸ばしたり立ち位置を変えても犬が動かない練習をします。

距離を伸ばす

1.「待て」と言ってから足1つ分くらい距離を離して、今まで通りのステップを行う

2.今度は1歩分などまた少しずつ距離を離して、今まで通りのステップを行う

大股1歩など、急に距離を離すと反応できなくなることがあります。できなかった場合、できていた距離まで戻ってまた少しずつ距離を離しましょう。

距離を離した分、犬が近寄るために動きやすくなることがあります。前のステップと同じように、犬が動き始める直前にご褒美をあげることを意識しましょう。

3.「待て」してから、離れてから戻ったり、多少左右にずれながら動くなど試してみる

流れ

(「おすわり」→犬が座る→「いいこ」→)「待て」→犬が動かない、飼い主が離れる/戻ってくる→「よし」おやつを差し出す→犬が動く→「いいこ」ご褒美

立ち位置をずれる

1.「待て」と言ってから足1つ分くらい左右に動き、今まで通りのステップを行う

2.少しずつ犬の側面に立つように動き、今まで通りのステップを行う

大股1歩など、急に距離を離すと反応できなくなることがあります。できなかった場合、できていた距離まで戻ってまた少しずつ距離を離しましょう。

側面に動く分、犬が追おうとして動きやすくなることがあります。前のステップと同じように、犬が動き始める直前にご褒美をあげることを意識しましょう。

3.「待て」してから、犬の側面に動いて元の位置に戻るなど試してみる

・時間と距離を伸ばそう

今までのステップでは、10秒などわかりやすく目標を設定してステップアップしていましたが、犬が慣れてきたら待機時間や飼い主が動く距離をゲーム感覚で少しずつ伸ばしていきましょう。日常的にご飯の前に行うのも良いです。

・色んな状況でやってみる

・犬の正面以外で指示をする

今までの練習では犬と向かい合って行っていましたが、どんな時でもできるように飼い主の姿勢を変えてやってみましょう。はじめは犬の正面から少し外れたくらいの斜めから行なってみましょう。いきなり真横に変更してしまうと、違いについていけなくなります。連続でできたら斜め45度から、またできたら真横から、と少しずつ誘導してあげましょう。

誘導していく途中でキョトンとしている場合は、反応できていた角度まで戻って繰り返し練習しましょう。

・ご褒美を少しずつ減らす

毎回おすわりをする度におやつをあげれば、おやつの過剰摂取で健康状態に問題が起こってしまいます。

ご褒美を「おやつ」から「褒める」ことに緩やかに替える必要があります。おすわりを確実に覚えてからは、おやつを与える回数を2回に1回→3回に1回→4回に1回と減らしていきましょう。最終的に褒め言葉だけになるようにしましょう。

最終的には褒め言葉によるご褒美に移行させますが、ランダムでご褒美におやつをあげると、褒め言葉のご褒美としての効果が持続します。

・環境を変える

学習しやすくしていた環境ですが、誘惑や興味を引く環境にしてみましょう。テレビなどをつける、窓を開ける、おもちゃを床に置くなど。

今度は部屋を変えたり、公園でおこなってみましょう。

まとめ

できるようになるまでには時間がかかります。日常的に行って、少しずつマスターしていきましょう!