「おいで」の練習をしてみよう!
こんにちは!大田区大森のイース動物病院です。
みなさんの愛犬は、「おいで」(呼び戻し)が上手にできますか?
どんなしつけやコミュニケーションにおいても、まずはアイコンタクトをマスターしましょう!名前を呼んだら目を合わせることができるようになりましょう。
「おいで」だけでなく、おすわり、待てなどのしつけでもアイコンタクトは重要になっていきます。人でも認識していない後ろから急に「◯◯取って」と言われても上手く反応できないですよね。アイコンタクトで犬に自分を注目させることで指示が伝わりやすくなります。
アイコンタクトの詳細については、こちらへ。
「おいで」を教える必要ってあるの?
「おいで」には、犬を事故やトラブルから遠ざける、脱走を防ぐ効果があります。
愛犬が興奮して飼い主の制御を振り切り、勢いよく走り出したり、走行している自転車に近付いてしまう経験はありませんか?そんな時に「おいで」ができれば、愛犬を事故やトラブルから遠ざけることができます。
また散歩中にリードが外れてしまったり、柵や家から飛び出してしまったという状況のとき、「おいで」ができれば危険な迷子や脱走を最小限に防ぐことができます。
おいでの練習をしてみよう
最初に、
・念頭に置いておくこと
・学習しやすい環境とご褒美の準備
・指示言葉を統一する
ことを確認しましょう。アイコンタクトの練習とおなじです。
「待て」を覚えていた方が距離をとるまでに動かないので、おいでの練習がやりやすくなります。
待ての練習の詳細については、こちらへ。
・「おいで」と駆け寄る動作を関連付けする
「おいで」と言われた後に、駆け寄ったらご褒美がもらえることを関連付けします。おやつを見せて行う必要はありません。
おいでの指示言葉は、「おいで」、「来い」、「カム(come)」などがあります。ここでは「おいで」を指示言葉とします。
1.ご褒美のおやつを手に持って、犬に「待て」と言ってから2〜3歩離れる
初めは犬に背を向けず、アイコンタクトを続けながら後ろに下がります。アイコンタクトが上手くいかない時は、一度大きくはっきりと名前を呼んで、こちらに意識を向けさせましょう。もしくは、持っているおやつを見せずに匂いだけ嗅がせてこちらに意識させます。
待てができない場合
待てができない場合は、リードを用いて2人で行いましょう。
1人がリードを短く持ち、犬がその場から動けないようにします。リードの余っている部分はすぐ伸ばせるようにし、手に巻かないようにしましょう。
もう1人がご褒美のおやつを持って、2〜3歩離れます。初めは犬に背を向けず、アイコンタクトを続けながら後ろに下がります。アイコンタクトが上手くいかない時は、一度大きくはっきりと名前を呼んで、こちらに意識を向けさせましょう。もしくは、持っているおやつを見せずに匂いだけ嗅がせてこちらに意識させます。
2.駆け寄る方に意識が向いている状態の時、犬の顔の高さにおやつを持った手を差し出す
犬が駆け出す直前に「おいで」と言う
意識が逸れてしまった場合、一度大きくはっきりと名前を呼んで、こちらに再度意識を向けさせましょう。それでも意識が向かない場合、もう一度最初の手順に戻ってやり直します。また離れる距離を短くし、離れるところから「おいで」と言うまでの時間も短くします。
待てができない場合
離れた人は、確実に犬の意識が向いている状態の時、「おいで」と言います。
リードを持っている人は、「おいで」と言われた瞬間に短く持っていたリードを離しましょう。駆け寄るまでの間にリードが突っ張らないようにします。突っ張った反動で嫌な思いをすると、駆け寄るのは嫌なことと学習してしまうことがあるので注意!
意識が逸れてしまった場合、一度大きくはっきりと名前を呼んで、こちらに再度意識を向けさせます。それでも意識が向かない場合、もう一度最初の手順に戻ってやり直します。また離れる距離を短くし、離れるところから「おいで」と言うまでの時間も短くします。
3.駆け寄って到着し、おやつを握っている手に鼻先をつけたら、手を広げて褒めながらおやつをあげる
駆け寄っておやつを食べる前に首輪を軽く掴んでおくことで、その場からすぐに動くことを防ぎ、首への刺激慣れも行うと良いです。食べ終わったら首輪から手を離します。
駆け寄ってこなかったり指示の前に動いた場合、おやつは与えず、少し移動することで動作をリセットして最初からやり直しましょう。
再度、以下のことを意識しましょう。
・犬の気が散るものがないか
・アイコンタクトするかおやつの匂いを嗅がせる
・距離を短くする
・駆け寄る方に意識が向いている時におやつを持った手を出す
4.1〜3を繰り返し、離れる距離を少しずつ伸ばす
繰り返していくうちに、「おいで」と言われてから駆け寄ったらご褒美がもらえると学習します。
大股1歩など、急に距離を離すと反応できなくなることがあります。できなかった場合、できていた距離まで戻ってまた少しずつ距離を離していきましょう。
・色んな状況でやってみる
・体勢を変えたり、犬の正面以外で指示をする
今までの練習では犬と向かい合って行っていましたが、どんな時でもできるように飼い主の姿勢を変えてやってみましょう。「おいで」という時に屈んで言ってみたり、立った状態で行います。また、犬に対して正面に立つだけではなく、少し外れて斜めから行なったりしてみましょう。いきなり真横に変更してしまうと、違いについていけなくなります。連続でできたら斜め45度から、またできたら真横から、と少しずつ誘導してあげましょう。誘導していく途中でキョトンとしている場合は、反応できていた角度まで戻って繰り返し練習しましょう。
・ご褒美を少しずつ減らす
毎回おすわりをする度におやつをあげれば、おやつの過剰摂取で健康状態に問題が起こってしまいます。
ご褒美を「おやつ」から「褒める」ことに緩やかに替える必要があります。おすわりを確実に覚えてからは、おやつを与える回数を2回に1回→3回に1回→4回に1回と減らしていきましょう。最終的に褒め言葉だけになるようにしましょう。
最終的には褒め言葉によるご褒美に移行させますが、ランダムでご褒美におやつをあげると、褒め言葉のご褒美としての効果が持続します。
・環境を変える
学習しやすくしていた環境ですが、誘惑や興味を引く環境にしてみましょう。テレビなどをつける、窓を開ける、おもちゃを床に置くなど。
今度は部屋を変えたり、公園でおこなってみましょう。
まとめ
「おいで」(呼び戻し)は、事故やトラブルから犬を遠ざけたり、迷子や脱走を最小限にするという大事な役割があります。
しつけは、飼い主と犬とのコミュニケーション方法であり、犬の頭の運動にもなります。
ぜひ、おうちで練習してみてください!