【猫の膀胱結石・尿道閉塞】ひどくなる前に健康診断で未然に防ごう!
こんにちは!東京都大田区大森のイース動物病院です。
今回は猫ちゃんにとって命に関わることもある「膀胱結石」と「尿道閉塞」について、そして健康診断の大切さについてお話しします。
猫に多い泌尿器のトラブルとは?
猫は水をあまり飲まない習性があり、その結果、尿が濃くなりやすくなります。
この体質が原因となりやすいのが「膀胱結石」や「尿道閉塞」です。
- 膀胱結石
膀胱の中に石ができ、排尿時の痛みや血尿を引き起こします。 - 尿道閉塞
結石が尿道に詰まり、尿が出なくなる状態です。特にオス猫は尿道が細いため詰まりやすく、命に関わる緊急事態です。
見逃してはいけないサイン
- トイレに何度も行くが尿が少ししか出ない
- 尿に血が混じる
- トイレ以外でおしっこをしてしまう
- トイレで鳴きながら踏ん張る
- 全く尿が出ない(緊急事態!)
「尿が出ない状態」が数時間続くだけで、腎臓に大きなダメージが及び、最悪の場合は命を落とすこともあります。
実際にあった症例
先日、11歳のオス猫ちゃんが「トイレに何度も行き、血尿がでる。」と来院しました。
診察と検査の結果、膀胱内に大きな結石が見つかり、手術で摘出しました。
摘出した膀胱結石の写真
実際に摘出した石がこちらです。

思っていた以上に大きく、これが膀胱に入っていたと思うと、飼い主さんもとても驚かれていました。
写真のように、膀胱結石は目に見えない場所で大きく育ってしまうことがあるため、やはり健康診断でのチェックが重要なのです。
健康診断で未然に防ぐ
膀胱結石や尿道閉塞は、健康診断で早期発見することが可能です。
- 尿検査で「結晶」が見つかる
- エコー検査で「小さな結石」を確認できる
- 血液検査で「腎臓の数値異常」が見つかる
元気に見えても、検査してみると小さな石ができ始めている猫ちゃんは珍しくありません。
オス猫・太り気味・水をあまり飲まない猫ちゃんは特にリスクが高いため、半年~1年ごとの健康診断を強くおすすめします。
日常でできる予防
- 水を飲む工夫(循環式給水器、複数の水皿)
- 尿路ケアフードの活用
- 清潔なトイレ環境を維持
- 適正体重を保つ
ただし、日常管理だけでは限界があり、結石は知らない間に作られてしまうこともあります。やはり定期検診でのチェックが安心につながります。
まとめ
猫の膀胱結石や尿道閉塞は、命に直結する危険な病気です。
しかし、健康診断を定期的に受けていれば、重症化する前に発見・対応が可能です。
今回ご紹介した症例のように、結石が大きくなるまで気づかないこともあります。
「うちの子は元気だから大丈夫」ではなく、元気なうちこそチェックが必要です。
イース動物病院では、尿検査・血液検査・超音波検査を含めた健診を行っています。
大切な猫ちゃんを守るため、ぜひ定期的な健康診断にお越しください。
