~犬と猫と腸活と②~
こんにちわ!イース動物病院です。
前回、人と同様に犬や猫もディスバイオシスが様々な病気と関連する可能性についてお伝えしました。
前回の腸活のお話は☟
そんなディスバイオシスを改善する上で
①善玉菌を増やす!
②善玉菌を育てる !
③腸内酸素を減らす!
の3つが大切という事は前回お話しさせて頂きました。
今日はそんな腸活で必要な“善玉菌を増やす!”という事についてお話ししたいと思います。
善玉菌を増やす!
善玉菌の効果
健康や疾患に関係のある善玉菌の代表として、乳酸菌やビフィズス菌、酪酸菌があります。
これらの菌が“発酵“(「酸素が存在しない条件(←ここ大事)」で、糖などを分解して菌がエネルギーを獲得する過程)する事によって、生体にとって有益な物質を産生します。
乳酸菌が発酵して産生された乳酸は
- 消化管内での悪玉菌の増殖を抑制(消化管の環境改善)
- 発癌リスクの低減
- アレルギー低減作用
などの効果があると言われています。
また、酪酸菌が発酵して産生された酪酸は
- 腸粘膜内における制御性T-cellの分化を誘導し腸炎の制御
- 回腸や上行結腸に存在するL細胞の短鎖脂肪酸受容体を刺激し、腸管上皮増殖促進因子を活性→粘膜を増殖させる
- 大腸粘膜のエネルギー源(腸粘膜に必要なエネルギーの60〜80%)
といった効果が期待されています。
また、酪酸によって活性化された制御性T-cellはアレルギー性皮膚炎を引き起こすTh2-cellの活性を抑制する事で、皮膚炎を緩和する効果が期待されています。
プロバイオティクスという考え方
上記の通り、これら善玉菌を積極的に摂取する事が大切になります。
これがプロバイオティクスです。
しかし、単純にプロバイオティクスを摂取すれば良い訳ではありません。
こういった善玉菌は熱や酸に弱く、胃酸や熱によって多くが死滅してしまいます(死滅した菌自体も腸内細菌の栄養にはなりますが…)
そのため、プロバイオティクス製品を選ぶ際は「ちゃんと大腸まで届けられる製品」かどうかを見極める必要があります。
ポイントとしては
- 熱や酸に抵抗性のある処置がされている菌かどうか(有胞子乳酸菌など)
- 菌株が有益かどうか
- 菌数が十分かどうか
- 生菌製剤の場合はちゃんと冷蔵保存となっているかどうか
など、数あるプロバイオティクス製品の中でも上記の点は注意して選ぶ必要があると思います。
また、これらプロバイオティクス製品は、摂取しただけでは善玉菌は腸内に定着せず、そのほとんどが排泄されてしまいます。
そのためにプロバイオティクスは継続的に摂取し続ける必要があると考えられています。
また、継続的に摂取した場合、腸内環境が安定化するまでは1〜2ヶ月は要すると言われています。
取り入れた善玉菌をいかにより効率良く腸内に定着させるか…
その方法がプレバイオティクスという考えになります。
これに関連して次回は、②善玉菌を育てる 事についてお話したいと思います。
おススメのプロバイオティクス製品についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ当院までお問い合わせください。