猫は股関節形成不全になりにくい??

こんにちは!!イース動物病院です✨

ネコちゃんはジャンプなど縦運動が多いと思います。実はそんなネコちゃんでも隠れているかもしれない股関節形成不全について本日はお話しさせていただきます。

猫の股関節形成不全は、主に犬に多く見られる疾患ですが、猫にも発症することがあります。股関節形成不全は、股関節の構造的な異常によって関節が不安定になり、最終的に関節炎や痛みを引き起こす進行性の病気です。本日は股関節形成不全について、その原因、症状、診断方法、治療法、そして予防策について詳しく解説します。

原因

股関節形成不全の主な原因は遺伝的要因です。親猫から遺伝する場合が多く、特定の品種においては特に発症率が高いことが知られています。特に、メインクーンやペルシャ猫などの大型品種は股関節形成不全のリスクが高いとされています。

その他の要因としては、環境要因や栄養不足が挙げられます。過度な体重や運動不足、成長期における過度な運動は、股関節の発育に影響を与える可能性があります。また、適切な栄養を取らないと、骨や関節の健康が損なわれることがあります。

猫の股関節脱臼の記事はこちらをご覧ください。

症状

股関節形成不全の症状は、猫の年齢や病気の進行度によって異なります。以下のような症状が見られることがあります:

歩行異常

猫が跛行(びっこ)を引く、歩き方が不自然になる。

運動不振

遊びや運動を避けるようになる。

痛み

股関節や足に触れると痛がる、鳴き声をあげる。

活動量の減少

動きが鈍くなり、ジャンプや登る行動を避ける。

姿勢の変化

腰を引いて歩く、後肢を広げて立つことがある。

初期段階では症状が軽く見過ごされがちですが、進行するにつれて症状は顕著になります。飼い主がこれらの兆候に気付いた場合、早期に動物病院を受診することが重要になります。

診断

診断には、まず獣医師による身体検査が行われます。猫の歩行や関節の動きを観察し、痛みの有無を確認します。その後、以下のような検査が行われることがあります:

レントゲン検査

股関節の状態を視覚的に確認するための基本的な診断方法です。異常な形状や関節のずれなどが確認されます。

検査により、股関節形成不全の正確な診断が可能となり、治療計画を立てるために重要な検査となります。

治療法

股関節形成不全の治療法は、症状の重症具合や猫の年齢、健康状態によって異なります。以下のような治療オプションがあります:

内科的治療

軽度の症例に対しては、経過観察になることもあります。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やコルチコステロイドが一般的に使用されます。また、体重管理がはとてもや大切になります。

外科的治療

重度の症例や内科的治療で効果が見られない場合には、外科手術が選択されます。

入院管理についてはこちらの記事をご覧ください。

予防策

股関節形成不全の予防には、遺伝的要因を完全に排除することは難しいですが、いくつかの対策を講じることでリスクを減らすことが可能です。

適切な繁殖管理

股関節形成不全のリスクが高い親猫の繁殖を避けることで、遺伝的な伝播を防ぎます。繁殖前には、獣医師による健康診断を行い、遺伝的なリスクを評価することが重要です。

体重管理

適切な体重を維持することは、関節にかかる負担を軽減し、股関節形成不全の進行を防ぐのに役立ちます。

適度な運動

適度な運動は筋肉を強化し、関節の健康を保つのに重要です。ただし、過度な運動や激しいジャンプは避けるようにしましょう。

定期的な健康診断

定期的な獣医師による健康診断は、早期発見と早期治療に繋がります。特に股関節形成不全のリスクが高い猫の場合は、定期的なレントゲン検査などを行いましょう。

まとめ

猫の股関節形成不全は、遺伝的要因が主な原因であり、適切な繁殖管理や予防策を講じることでリスクを減らすことが可能です。症状が現れた場合、早期に獣医師の診断を受け、適切な治療を行うことが重要です。内科的治療から外科的治療まで、多様な治療選択がありますので、猫の状態に合わせた最適な治療法を選択することが大切です。

当院では毎週月曜日に整形専門外来を行なっています。股関節形成不全と診断された。歩き方がおかしい。縦運動など遊ぶのを嫌がる。など些細なことからでもご相談ください。