猫の関節炎どこにできるの??~整形疾患は身近に⁈~

こんにちは!東京都大田区大森西にあります、イース動物病院です✨

最近寒くなってから猫ちゃんはより一層よく寝てるかとおもいます。しかし、年をとって本当にそれは寒いから寝ているだけでしょうか?

もしかしたら関節炎かもしれないです。猫ちゃんでも人で良く聞く関節炎は存在し身近にあるものです。本日は猫ちゃんのなりやすい関節炎についてお話させていただきます。

猫の関節炎になりやすい場所について

関節炎は、人間だけでなく、猫にもよく見られる病気です。猫にとって関節炎は、特に高齢になると多く見られる病気で、痛みや運動制限を引き起こし、猫の生活の質に大きな影響を与えることがあります。しかし、関節炎が発症する場所や原因、予防法については、まだ十分に知られていないことが多いです。本記事では、猫の関節炎になりやすい部位とその原因、さらには予防法や治療法について詳しく解説します。

1. 猫の関節炎とは

関節炎は、関節に炎症が生じる病気です。関節は骨と骨が接する部分で、滑らかに動くために関節液や軟骨が必要ですが、これらが何らかの理由で損傷したり、劣化することで痛みを引き起こすことがあります。猫における関節炎も同様に、関節の炎症や軟骨の摩耗が原因で、痛みや可動域の制限を引き起こします。

2. 猫の関節炎の原因

猫における関節炎の原因は、いくつかの要因が複合的に影響しています。主な原因は次の通りです。

(1) 加齢

猫の関節炎の最も一般的な原因は加齢です。猫は高齢になるにつれて、関節の軟骨が摩耗し、関節の可動性が低下します。また、関節内の炎症が増えることで、関節炎を引き起こします。高齢猫は、若い猫よりも関節炎になりやすい傾向があります。

(2) 外傷や怪我

猫が事故やケンカによって関節に外傷を受けることがあります。外傷や骨折が治った後でも、関節部分に後遺症が残り、関節炎を引き起こすことがあります。特に骨折後や手術後の回復期間に注意が必要です。

(3) 肥満

肥満は猫にとって非常に重要な健康問題です。過剰な体重は関節に大きな負担をかけ、関節炎のリスクを高めます。肥満の猫は、特に膝や腰の関節に負担がかかりやすく、関節炎を発症しやすくなります。

(4) 遺伝的要因

一部の猫種では、関節炎になりやすい遺伝的素因を持っていることがあります。例えば、スコティッシュフォールドやマンチカンなどの猫種は、骨や関節に問題を抱えやすいことが知られています。

(5) 関節の過度な使用

過度に走ったり飛んだりすることで、関節に過剰な負担がかかると、軟骨が摩耗しやすくなり、関節炎を引き起こすことがあります。特に、屋外に出る機会が多い猫や活発な猫に見られます。

3. 猫の関節炎になりやすい部位

猫において関節炎が発症しやすい部位は、主に以下の部位です。

(1) 膝関節

膝関節は猫にとって非常に負担がかかりやすい部位です。特に肥満の猫や高齢猫では、膝に負担がかかることが多く、膝関節の軟骨がすり減り、炎症を引き起こすことがあります。また、膝の前十字靭帯が損傷することも関節炎の原因となります。膝関節は猫が立ち上がったり歩く際に重要な役割を果たしており、この部分に炎症が起きると、歩行に支障をきたすことがあります。

(2) 股関節

股関節も猫の関節炎が発症しやすい部位の一つです。特に高齢猫や太り気味の猫では、股関節に負担がかかりやすく、炎症が発生しやすいです。股関節は、後ろ足を支える重要な関節であり、この部位に問題が生じると、歩行が困難になったり、猫が足を引きずるようになることがあります。

(3) 背骨(脊椎)

猫の背骨も関節炎を引き起こしやすい部位です。猫の脊椎は非常に柔軟で、猫が歩く、走る、飛ぶなどの動作をする際に重要な役割を果たしますが、加齢や過度の運動、外傷などが原因で脊椎に関節炎が発生することがあります。特に後ろ足を引きずるような歩き方をする猫や、ジャンプを避ける猫は、背骨に問題を抱えている可能性があります。

(4) 肘関節

肘関節も猫の関節炎が発症しやすい部位の一つです。肘の関節は猫が歩くときや走るときに使用されるため、過度の運動や外傷が原因で関節炎を引き起こすことがあります。特に外出する機会が多い猫や、走り回ることが好きな猫では、肘関節に負担がかかりやすいです。

(5) 足首(足趾)

猫の足首や足趾も、関節炎が発症する部位として注意が必要です。特に高齢猫では、足元に痛みを感じることがあり、歩き方に異常が現れることがあります。足首や足趾に関節炎があると、猫は歩き方を変え、引きずるように歩くことがあります。

4. 猫の関節炎の症状

関節炎の症状は、発症した部位によって異なりますが、一般的な症状としては次のようなものがあります。

歩き方が変わる

猫が足を引きずったり、歩く速度が遅くなることがあります。

運動量の減少

猫があまり動かなくなり、寝ている時間が増えることがあります。

痛みを示す行動

猫が触れられたときに鳴いたり、特定の場所を舐めたり、噛んだりすることがあります。

食欲の減少

痛みが原因で食欲が減ることがあります。

関節の腫れや変形

関節部分が腫れて見えたり、変形していることがあります。

5. 予防法と治療法

関節炎を予防するためには、以下の方法があります。

(1) 適切な体重管理

肥満は関節に大きな負担をかけるため、猫が適切な体重を保つことが非常に重要です。バランスの取れた食事と定期的な運動が推奨されます。

(2) 関節サポートサプリメント

グルコサミンやコンドロイチンなど、関節の健康をサポートするサプリメントを使うことで、関節炎の予防につながります。

(3) 適度な運動

運動不足も関節炎の原因となるため、猫には適度な運動をさせることが大切です。遊びの時間を確保して、猫が自由に動ける環境を作りましょう。

(4) 定期的な健康チェック

高齢猫や関節炎のリスクが高い猫は、定期的に獣医師の診察を受け、早期に関節炎を発見することが重要です。

(5) 薬物療法と治療法

すでに関節炎が進行している場合、痛みを軽減するための薬物療法が必要です。獣医師による診断と適切な治療が求められます。

6.まとめ

猫の関節炎は、特に高齢猫や肥満猫に多く見られ、膝、股関節、脊椎、肘関節、足首などが関節炎の発症部位としてよく知られています。加齢による軟骨の摩耗や、外傷、過度の運動が関節に負担をかけることで炎症が起こり、痛みや可動域の制限を引き起こします。特に関節炎は猫の生活の質に大きな影響を与えるため、早期に症状を認識し、適切な予防や治療を行うことが重要です。

予防には、適切な体重管理や関節サポートサプリメント、定期的な運動が効果的です。また、健康な体重を保ち、関節に過度な負担をかけない生活環境を提供することが、関節炎を防ぐ鍵となります。高齢の猫や関節炎のリスクが高い猫に対しては、定期的な獣医師の診察を受けることが推奨されます。もし猫が関節炎の兆候を示した場合は、早期に獣医師に相談し、適切な治療を受けることが猫の健康維持に繋がります。

猫の関節炎を防ぐためには、日常的なケアと予防が重要です。猫が快適に過ごせるよう、飼い主としての細やかな気配りが求められます。

当院では毎週月曜日整形専門外来を行っています。

高齢になるにつれて、歩き方がおかしい、よく寝ている、前より元気ない、どこか痛そう。他の病院で関節炎と診断されたがあまり変わらない。などありましたら些細な事からでもご相談させていただきます。

その子とご家族にあった治療方法を一緒に探していきましょう!!