子猫が足を引きずっている!もしかしたらそれ成長板骨折⁈
こんにちは!東京都大田区大森西にあります、イース動物病院です✨
本日は迎えたばかりの子猫が高いところからジャンプや元気に遊んでいた時急に…足が変!!急いで動物病院に行ったら、『成長板骨折』と診断された!そんなことが急に起きてしまったら焦りや不安に押しつぶされてしまいますよね。本日は子猫で起きてしまうかもしれない成長板骨折についてお話しをさせていただきます!
猫の成長板骨折について
猫が怪我をする原因はさまざまで、交通事故や高所からの落下、喧嘩などが一般的ですが、成長期にある若い猫に特に見られる怪我の一つに「成長板骨折(せいちょうばんこっせつ)」があります。これは子猫や若い猫の骨の端にある「成長板(せいちょうばん)」という部分が損傷する骨折のことを指します。成長板は成長中の骨の長さを伸ばす役割を果たしており、猫がまだ成長期にある間は、骨が完全に硬化していません。そのため、この部分が非常に脆弱で、比較的軽い外力でも損傷することがあります。
今回は、この成長板骨折について詳しく解説し、その原因、症状、治療方法、そして予防策について掘り下げていきます。
成長板骨折とは
成長板は、骨の端に存在する軟骨組織で、猫が成長するにつれて骨が伸びる部分です。この部分は成猫になるまで完全に硬くなることはなく、軟骨のままです。成長板骨折は、成長板の部分に衝撃が加わり、骨折を引き起こす状態を指します。成長板骨折が起こると、成長板の働きが妨げられ、骨が正常に成長しなくなる可能性があります。成長板は通常、猫が生後12〜18ヶ月になるまでに閉じて硬化しますが、それまでは非常にデリケートです。
特に注意が必要なのは、成長板骨折は外見上は普通の骨折と区別がつきにくいため、軽視されることがある点です。しかし、適切に治療されないと、骨の成長が歪む原因となり、永久的な障害を引き起こす可能性もあります。
成長板骨折の原因
成長板骨折の最も一般的な原因は外傷です。以下は、その主な原因です。
落下事故
高い場所から飛び降りたり、窓やベランダから誤って落下することが猫にとっては一般的な事故です。特に高所からの落下は、猫の足に大きな衝撃を与え、成長板に損傷を与える可能性があります。
交通事故
外出自由の猫や外飼いの猫は、車との衝突事故に遭うリスクがあります。交通事故では、衝撃が猫全体にかかるため、成長板も容易に損傷することがあります。
激しい遊びや衝突
子猫や若い猫は、活発に遊び回ります。その際に、家具や壁、他の猫と衝突したり、激しく走り回ったりすることで、足に過度な負荷がかかり、成長板を損傷する可能性があります。
骨の発育異常や栄養不良
栄養バランスが悪いと、骨の発育が正常に行われず、成長板が弱くなることがあります。特にカルシウム不足やビタミンDの欠乏は、骨の強度に大きな影響を与えます。
成長板骨折の症状
成長板骨折が起こると、猫に以下のような症状が現れることが一般的です。
足を引きずる
成長板が骨折している場合、猫はその足に体重をかけるのを嫌がります。結果として、足を引きずったり、完全に持ち上げたりします。
痛がる行動
触れた際に痛みを訴えることが多く、触られるのを嫌がったり、鳴いたりすることがあります。特に骨折した部位を触れると顕著です。
腫れや熱感
骨折部位が腫れたり、触ると熱を感じることがあります。これらは炎症や内出血が原因です。
活動性の低下
通常活発な猫が、急に動かなくなったり、元気がなくなったりすることがあります。これは痛みや不快感によるものです。
異常な足の向きや変形
骨折した足が正常な向きでない、あるいは不自然な形に見えることがあります。
成長板骨折の診断には、レントゲン撮影が必要です。レントゲンで骨の状態を確認することによって、成長板が損傷しているかどうかが判断されます。
成長板骨折の治療方法
成長板骨折の治療方法は、損傷の程度や位置によって異なります。基本的な治療アプローチとしては、以下の方法が考えられます。
安静と固定
軽度の骨折であれば、患部を固定して安静を保つことで自然治癒を促すことが可能です。この場合、ギプスや包帯で骨をしっかりと固定し、猫がその足に体重をかけないようにします。また、猫が跳び跳ねたり、走り回ったりしないように、狭いスペースでの生活を推奨されることが多いです。
外科的手術
骨折が重度の場合や、骨がずれている場合は、手術が必要になることがあります。成長板を元の位置に戻し、ピンやネジ、プレートを使って固定する手術が一般的です。特に、成長板が完全に損傷している場合は、手術が最も有効な治療法とされています。
リハビリテーション
骨折が治った後も、筋肉や関節が固くならないように、リハビリテーションが行われることがあります。これには、マッサージや軽い運動、場合によっては水中での運動療法が含まれます。
また、治療後の定期的なレントゲン検査や健康チェックも重要です。特に成長期の猫の場合、成長板の損傷がその後の骨の成長にどのような影響を与えるかを慎重に見守る必要があります。
成長板骨折の予防策
成長板骨折を予防するためには、飼い主が環境に対して十分な注意を払うことが重要です。以下は、猫の成長板骨折を防ぐための具体的な予防策です。
室内飼育
猫を室内で飼育することで、交通事故や外的な危険から守ることができます。室内飼育は、安全性を高め、外部の脅威から猫を保護する有効な方法です。
家具の配置に配慮
猫は高い場所を好むため、家具を配置する際には、猫が無理なく登れるように配慮することが大切です。また、危険な高さから飛び降りないように、キャットタワーや段差の少ない家具を用意することも効果的です。
栄養管理
成長期の猫には、適切な栄養が必要です。カルシウムやビタミンDを豊富に含むバランスの取れた食事を与えることで、骨の発育を促進し、骨折のリスクを減らすことができます。
定期的な健康チェック
獣医師による定期的な健康チェックを受けることで、骨や関節の異常を早期に発見できることがあります。特に成長期の猫は、発育状況を定期的に確認してもらうことが重要です。
まとめ
まとめとして、猫の成長板骨折は、特に若い猫に多く見られる怪我であり、成長板が骨に置き換わる成長過程で外部からの衝撃や事故によって損傷することがあります。高所からの落下や交通事故、他の動物との衝突などが主な原因となります。症状としては、痛みや腫れ、足を引きずる、異常な動きが見られ、診断にはX線検査が有効です。治療は、固定治療や手術が必要になることがあり、適切な治療を行えば多くの猫は回復しますが、放置すると成長異常や再発のリスクが高まります。予防策としては、高所からの落下防止や交通事故を防ぐための対策が重要です。
当院では毎週月曜日に整形専門外来を行なっています。
昔骨折をした。骨折と診断された。足が変。鈍臭い。動きたがらない。びっこを引いている。など些細なことからでもご相談ください。
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