冬の乾燥で犬は耳にトラブルが!?
~寒い季節に気をつけたい耳の健康~
こんにちは!大田区大森西にありますイース動物病院です!
冬になると「乾燥」でお肌がカサカサするように、わんちゃんも皮膚全体のバリア機能が弱まりやすい季節です。
実はその影響は“耳の中”にも表れ、耳のトラブルが増える季節でもあります。
今回は、冬に起こりやすい耳のトラブルについて、実際に病院でよく見るケースも交えながらご紹介します。
💡冬に耳のトラブルが起きやすい理由
①乾燥で皮膚のバリアが弱まる
冬の空気は乾燥し、暖房を使うことでさらに水分が奪われてしまいます。
耳の中の皮膚も同じく乾燥し、バリアが弱くなると少しの刺激でも炎症が起こりやすくなります。
これにより、「外耳炎(がいじえん)」が冬に悪化したり、新しく発症するわんちゃんも多くみられます。
②季節の変わり目で耳の調子が崩れやすい
「垂れ耳の子は季節の変わり目に悪くなりやすい」と思われている飼い主さんも多いと思います。
実際に、垂れ耳の犬種(ダックス、プードル、コッカーなど)は、耳の通気が悪く、もともと湿気が溜まりやすい構造です。

そこに冬の乾燥が重なることで
・皮膚が弱る
・痒くて掻く
・傷ができて炎症が悪化
することが多く、季節の変わり目は特に注意が必要です。
🏥実際に病院でよくある冬の耳トラブル
ケース1:ミックスの女の子

「最近耳をすごく掻くようになって、赤いポツポツができている気がする」
という主訴で来院した女の子。
診察で耳の入口をそっとのぞくと、
細かい「紅斑(赤い点状の炎症)」が広がり、痒みから掻いたのか少し傷もできていました。
乾燥の強い冬は、皮膚のバリアが弱まって刺激に敏感になりやすい季節。
早めに治療を始めたことで、数日で赤みが落ち着き、痒みも改善しました。
ケース2:ダックスの男の子

いつも耳のトラブルを繰り返していて、
「この冬もまた耳の赤みと痒みが強くなってきた」
ということで来院した男の子。
垂れ耳で、もともと耳の中が蒸れやすい体質。
しかし今回診察を進めていくと、
耳の炎症の特徴・皮膚状態・他の部位の軽い赤みなどから、
「アレルギーが原因の耳炎」だと判断できました。
アレルギーの子は、
・体の皮膚バリアが弱い
・乾燥で炎症が出やすい
・耳だけに炎症が集中することもある
という特徴があります。
治療は、耳の炎症を抑える点耳薬に加えて、
アレルギーケアの治療を組み合わせることで、再発を減らせるように調整しています。
冬は皮膚が乾燥するため、アレルギー持ちの子は特に耳が悪化しやすい季節です。
🏠お家でできる耳ケア
冬は特にこまめなチェックが大切です。
飼い主さんが気づきやすいポイントをまとめました。
✓1.耳を掻いていないか
耳を後ろ足で掻くしぐさが増えていないかチェックしましょう。
軽い痒みのうちに気付いてあげることが大切です。
✓2.耳のにおいを確認
「前より少しにおう」「なんとなく湿った感じがする」
それだけでも外耳炎の初期症状のことがあります。
✓3.耳の入口に赤みがないか
耳の中全体を見ようとすると嫌がる子も多いですが、入口だけでも赤みがある場合は炎症が始まっている可能性があります。
✓4.耳垢の量や色
・黒っぽい
・黄色くベタつく
・しっとりと湿っている
これは要注意のサインです。
🛁耳掃除の頻度は“多くて週1回”
冬は特に皮膚が弱まりやすいため、耳掃除のし過ぎは逆効果。
・毎日→かえって傷をつけて悪化
・週1回程度→多くてもこのくらいで十分なことが多い
・汚れが目立つ時だけ→正しいケア
耳掃除は「耳が健康な子」には頻繁に行う必要はありません。
むしろ無理にやらなくて大丈夫です。週1回以上が必要なら治療を開始。
心配な時は、病院でその子に合った洗浄液を使ってケアするのが安心です。
まとめ(イース動物病院での経験から)
冬は「蒸れないから耳は大丈夫」と思われがちですが、実際は乾燥でバリアが弱まり炎症が増える時期です。
毎年12~2月は、耳のトラブルで来院される患者さんがとても多い印象です。
・少しのにおい
・ちょっとした掻き行動
・耳垢の変化
これらの「小さな変化」のうちに気づいていただければ、治療も早く終わり、わんちゃんの負担も少なく済みます。
ご相談はお気軽にどうぞ
イース動物病院は、毎週月曜日以外は予約なしで診察を行っています。
「ちょっと気になる」だけでも構いませんので、いつでもお気軽にご来院ください。
スタッフ一同、皆さまとわんちゃんの健康を丁寧にサポートいたします。
