犬猫の皮膚疾患について知っておきたいこと
こんにちは!大田区大森にあるイース動物病院です!
犬や猫と暮らしていると、「最近かゆがっている」「毛が抜けてきた」「皮膚が赤い」など、皮膚トラブルに気づくことは少なくありません。
実は皮膚疾患は犬猫の来院理由の中でも上位に入るほどよくある病気です。ところが、皮膚病といっても原因は多岐にわたり、見た目だけでは判断しにくいこともあります。
本記事では、犬猫に起こる代表的な皮膚疾患、原因、症状、治療、そして日常でできる予防策まで詳しく紹介します。
1. 犬猫の皮膚疾患はなぜ多い?
犬や猫の皮膚は、外界からの刺激を最前線で受けるとてもデリケートな器官です。気温や湿度の変化、食事、環境、寄生虫、アレルギーなど、さまざまな要因が皮膚に影響します。
特に日本は高温多湿の季節が長く、細菌や真菌(カビ)、寄生虫が繁殖しやすい環境のため、皮膚トラブルが起こりやすいのです。
また、犬種や猫種によって皮膚の弱さが異なることも、発症しやすさに関係しています。
2. 犬猫に多い代表的な皮膚疾患
① アレルギー性皮膚炎
犬猫の皮膚病で最も多いと言われています。刺激物に対して免疫が過剰反応し、痒みや炎症を起こします。
主な種類
- 食物アレルギー
- アトピー性皮膚炎(環境アレルゲン)
- 接触アレルギー
症状
- 激しいかゆみ
- 目や口の周り、足先、わき腹の赤み
- 舐めすぎや噛みすぎによる脱毛
アレルギーは長期的なケアが必要で、食事管理や薬物療法など個体に合わせた治療が求められます。
② 外部寄生虫による皮膚炎(ノミ・マダニ・ダニ)
ノミやマダニ、疥癬(ヒゼンダニ)などの寄生虫は皮膚に強い刺激を与え、激しい痒みを引き起こします。
ノミアレルギー性皮膚炎はノミの唾液が原因で、少数の寄生でも症状が出ることがあります。
症状
- 急激なかゆみ
- 腰や背中に赤いブツブツ
- 脱毛やフケの増加
寄生虫は外飼い・多頭飼いで特にリスクが高く、予防薬が最も重要です。
③ 細菌性皮膚炎(膿皮症)
皮膚の常在菌が増えすぎて炎症を起こす病気で、犬に特に多くみられます。湿気が多い時期や、アレルギーのある子が悪化しやすい傾向があります。
症状
- 赤い発疹
- 膿をもつ吹き出物
- 体臭の悪化
- かさぶた
抗生物質や薬用シャンプーで治療しますが、再発しやすいため根本原因の改善も必要です。
④ 真菌(カビ)による皮膚炎(皮膚糸状菌症)
皮膚糸状菌というカビが原因で、人間にも感染する「人獣共通感染症」です。
症状
- 円形に毛が抜ける
- 表面が白っぽくフケのように見える
- かゆみがあることも
感染力が高いので、早めの治療と隔離が必要な場合があります。
3. 皮膚疾患に見られる共通のサイン
以下のような症状が見られたら、皮膚病を疑って早めに動物病院を受診しましょう。
- かゆがる、体をこする
- 舐め続ける、噛む
- 皮膚が赤い、腫れている
- フケが増えた
- 脱毛が目立つ
- 体臭がきつくなった
- ブツブツやしこりがある
これらは複数の皮膚病で共通するサインなので、自己判断は危険です。
4. 治療方法は原因によって大きく異なる
皮膚病の治療は原因によって異なり、下記のような方法が組み合わされます。
- アレルギー対策: 食事療法、アレルギー薬、環境改善
- 細菌感染: 抗生物質、薬用シャンプー
- 真菌症: 抗真菌薬
- 寄生虫: 駆虫薬、予防薬
- ホルモン異常: 内科治療
- スキンケア: シャンプー、保湿、サプリメント
皮膚病は慢性化しやすく、数週間〜数ヶ月の治療が必要になることも珍しくありません。
5. 日常でできる予防とケア
皮膚疾患は日常ケアで大きく防ぐことができます。
① 定期的なブラッシング
毛のもつれを防ぎ、皮膚の状態を観察する習慣がつきます。
② 適切なシャンプーと頻度
洗いすぎは皮膚を乾燥させ、逆にトラブルを招きます。獣医師推奨のシャンプーを使うと安心です。
③ 部屋の掃除・除湿
高温多湿は皮膚病の大敵。特に梅雨や夏場はエアコンや除湿機を活用しましょう。
④ バランスの良い食事
皮膚の健康維持には良質なタンパク質と必須脂肪酸(オメガ3・6)が重要です。
⑤ 寄生虫予防薬の投与
ノミ・マダニ対策は一年中行うことが理想です。
まとめ:皮膚疾患は早期発見・継続ケアが鍵
犬猫の皮膚病はとても身近で、放置すると悪化してしまうことが多い疾患です。
しかし、日常の観察と適切な予防、そして早めの受診によって重症化を防ぐことができます。
「いつもよりかゆがる」「赤みがある」「湿疹ができた」など、どんな小さなサインでも気づいたら早めに相談することが大切です。
小さなことでも大田区大森のあるイース動物病院にご相談ください!
