犬がトイレの端でおしっこをして失敗する原因と対策は?
こんにちは!大田区大森のイース動物病院です。
犬のトイレトレーニングを頑張っているのに、「ちゃんとトイレには行くけど、なぜか端っこでおしっこをして失敗する…」という悩みを持つ飼い主さんは多いですよね。
ペットシーツの端からはみ出して床まで汚れてしまうと、片付けも大変ですし、せっかくのしつけがうまくいっていないようで落ち込むこともありますよね。
実は、「トイレの端でおしっこをしてしまう」のには、犬なりの理由があります。
今回はその原因と効果的な対策を詳しく解説していきます。焦らず愛犬の行動を観察しながら、少しずつ改善していきましょう。
原因①:トイレのサイズが合っていない
まず一番多い原因は、トイレの大きさが犬の体格に合っていないことです。
子犬の頃に使っていた小さめのトイレをそのまま使っている場合、成長とともに体が大きくなり、排泄時に体がトイレからはみ出してしまうことがあります。犬はおしっこをするとき、軽く腰を下げたり回りながら場所を決めたりします。そのため、十分なスペースがないと自然と端に寄ってしまい、結果的に外れてしまうのです。
対策
- 犬がシート上でクルッと一周できるくらいの広さのトイレを選ぶ
- 成犬になったらサイズアップを検討する
- オス犬には囲い付きや足上げ対応タイプのトイレを選ぶ
- 少量のおしっこで大きいシートを取っ替えるのは勿体無いと思う場合は、小さいサイズを数枚使って汚れた部分を取り替える
また、老犬になると関節の痛みや足腰の弱りから、立つ姿勢が安定しにくくなり、端に寄ってしまうこともあります。その場合は、段差のない低めのトイレや滑りにくいマットを敷くなど、体への負担を軽減してあげることも大切です。
原因②:トイレシートの位置がわかりづらい
犬は嗅覚で「ここが自分のトイレだ」と認識します。
しかし、シートを頻繁に替えすぎたり、トイレの位置を変えてしまうと、犬が混乱して「ここかな?」と適当に座ってしまうことがあります。特に神経質な子は、前回汚れた場所を避けようとして端を選んでしまうこともあります。
対策
- トイレの場所は固定して動かさない
- シート交換時は少しだけにおいを残す
- においづけスプレーで場所をわかりやすくする
- 落ち着ける静かな場所にトイレを設置する
トイレは、生活動線の真ん中よりも少し隅に設置するのが理想です。犬は人の目線や動きを気にするため、人の出入りが多い場所だと集中できません。
また、家族がトイレの近くを頻繁に通ると、犬が「今はしないでおこう」とためらうこともあるので、なるべく静かなスペースを用意してあげましょう。
原因③:排泄前の姿勢やクセ
犬にもそれぞれ「おしっこのクセ」があります。足を上げる高さ、体の向き、トイレの回り方などは個体差が大きく、特にオス犬では角度の関係で端を狙っても外れてしまうことがあります。メス犬でも、壁に寄ってしたいタイプの子がいます。
対策
- 壁付きや三方囲いタイプのトイレに変える
- 吸収力の高いワイドシートを使う
- クセに合わせてシートの位置を少し調整する
トイレを使う前にどんな姿勢を取るのか、数日間観察してみましょう。いつも右向きにおしっこをする子なら、右側に壁を作るなど、犬のクセに合わせたトイレ配置が効果的です。
原因④:マーキングの一種
トイレの端や壁際におしっこをするのが「マーキング行動」の一部であることもあります。特にオス犬に多く、去勢していない場合や他の犬のにおいが残っている場合に見られます。「ここは自分の場所だ」と主張するために、あえて端や隅におしっこをするのです。
対策
- 他の犬のにおいをしっかり消す(消臭スプレーを使用)
- 去勢を検討する
- 足上げ防止トレーニングを行う
- 散歩中にマーキングを十分させて家での欲求を減らす
マーキング行動が原因の場合、叱っても逆効果です。犬は叱られても「どうして怒られたのか」が理解できず、不安やストレスからかえってマーキングが増えることも。
落ち着いて、根気強く「成功した時に褒める」方向でトレーニングしましょう。
原因⑤:トイレの清潔さや環境の変化
トイレが汚れていたり掃除の頻度が少ないと、犬は「汚れている場所を避けて端の方でしよう」とします。また、引っ越しや模様替えなど環境の変化で、トイレの感覚が一時的に乱れることもあります。
対策
- 排泄のたびにシートを交換する
- トイレの周囲は静かで落ち着ける場所にする
- 一時的な失敗は叱らず、静かに片付けて再トレーニングする
もし環境の変化があった場合は、犬が安心できる匂いや習慣を維持してあげましょう。お気に入りの毛布やクッションをそばに置く、以前と同じトイレマットを使うなど、「いつもと同じだよ」と感じさせてあげることが大切です。
失敗したときの対応と褒め方のコツ
端で失敗したとしても、犬がトイレの場所に行こうとした時点で「惜しい!」という段階まできています。ここで叱ってしまうと、犬は「トイレそのものがダメなんだ」と勘違いしてしまい、トイレを避けるようになることも。
失敗したときは、無言で静かに片付け、消臭スプレーでしっかりにおいを消します。そして、次に成功したときにはタイミングよく「いい子!」と褒めてごほうびを与えましょう。
この「成功した瞬間の褒め」が、最も効果的な学習になります。
トイレの端っこ失敗は、犬からのサイン
犬がトイレの端でおしっこをしてしまうのは、「トイレが小さい」「においがわかりにくい」「落ち着かない」など、何かしらの不満や不安があるサインです。
叱るよりも、まずは原因を観察して環境を整えることが大切です。
トイレの失敗は「しつけができていない」わけではなく、犬なりの理由があるものです。焦らず一歩ずつ見直していけば、きっと成功率は上がっていきます。
飼い主さんも愛犬もストレスのない快適なトイレライフを目指しましょう。
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