犬猫の健康診断で偶然見つかる“隠れ病気”とその重要性
こんにちは!東京都大田区大森にありますイース動物病院です。人間と同じように、犬や猫も歳を重ねるごとに病気のリスクが高まります。しかし動物たちは自ら不調を訴えることができないため、症状が目に見えるころにはすでに病状が進行しているケースも少なくありません。
だからこそ、定期的な健康診断はとても重要です。特に、健康そうに見える犬猫に対しても行われる“予防的検査”が、命を守るきっかけになることがあります。
この記事では、健康診断で「偶然見つかることの多い病気」、つまり“隠れ病気”と呼ばれるものに注目し、その発見の重要性について詳しく解説します。
隠れ病気とは?
“隠れ病気”とは、目立った症状がなく、日常生活の中では気づきにくい疾患のことを指します。犬猫は本能的に痛みや不調を隠す性質があるため、飼い主が見ていてもまったく異変に気づけないことも多いのです。
こうした病気は、健康診断の血液検査・画像検査・身体検査などで初めて見つかることがよくあります。まさに“偶然の発見”ですが、これが早期治療や寿命の延伸につながるのです。
健康診断で見つかりやすい隠れ病気5選
1. 慢性腎臓病
高齢猫に特に多い慢性腎臓病は、血液検査や尿検査で初めて異常が見つかることがほとんどです。初期には食欲もあり、元気に見えるため見逃されがちですが、腎臓のダメージは徐々に進行します。早期発見により、進行を遅らせる治療が可能になります。
2. 肝臓病(肝炎・脂肪肝など)
肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、不調があっても症状が出にくい臓器です。血液検査で肝酵素の数値が高くなることで発見されるケースが多く、放置すると黄疸や肝不全に至ることもあります。
3. 心臓病(弁膜症・心筋症など)
心臓の異常は聴診での雑音やエコー検査で発見されます。特に小型犬に多い僧帽弁閉鎖不全症や、猫に多い肥大型心筋症などは、発見が遅れると突然死のリスクもあるため、定期的な心臓チェックが大切です。
4. 尿石症(膀胱結石・腎結石)
尿路結石は、レントゲン検査や超音波検査で見つかることが多いです。特にオス猫では、尿閉の原因となり命に関わるケースもあるため、早期の対応が求められます。
5. 腫瘍(がん)
皮下腫瘍、内臓の腫瘍、リンパ腫など、無症状で進行するがんも多く存在します。画像診断で偶然見つかることも少なくなく、早期の段階で手術や治療ができれば予後が良好なケースもあります。
健康診断で分かること
健康診断では、以下のような項目を通して、目に見えない病気の兆候を捉えることが可能です:
- 視診・触診・聴診・打診:体の外側からの異常をチェック
- 血液検査:内臓機能や炎症反応を数値で確認
- 尿検査・便検査:腎臓機能、感染症、消化状態の把握
- レントゲン検査:骨、内臓の形の異常の発見
- エコー検査:腫瘍や心臓病の早期発見に有効
- 歯科チェック:歯周病や口腔腫瘍の兆候
病気が見つかったとき、どうすればいい?
健康診断で病気が見つかっても、早期であれば「治療の選択肢」が豊富にあります。定期的な検査によって病気の進行を防いだり、食事療法やサプリメントでサポートできることも多いです。
また、経過観察が必要な場合も、発見されているというだけで大きなアドバンテージになります。何か起きた時にすぐに対応できる“備え”となるのです。
飼い主としてできること
- 年1回、シニア期は年2回の健康診断を心がけましょう。
- 「まだ若いから大丈夫」は通用しないケースもあります。若い犬猫でも先天的疾患が潜んでいることがあります。
- 健康診断の結果はしっかりと記録し、次回との比較ができるようにしておくと安心です。
- 動物病院との信頼関係を築き、何でも相談できる環境を整えておくとよいでしょう。
まとめ:見えない病気を見つけるのが“健康診断”の力
犬や猫の健康診断は、「何かおかしいから受けるもの」ではなく、「何もないように見えるときこそ受けるべきもの」です。
隠れた病気を早期に見つけ、穏やかな生活を長く続けさせてあげるためにも、定期的な健診は欠かせません。
「元気そうだから大丈夫」ではなく、「元気な今こそ確認する」——その意識が、あなたの大切な家族の命を守る第一歩になります。
イース動物病院では、わんちゃん・ねこちゃんに負担の少ない健康診断を各種ご用意しています。ご希望やご予算に応じたプランのご提案も可能ですので、お気軽にスタッフまでお声がけください。