犬猫の【疥癬】について


こんにちは イース動物病院です!
本日は犬猫の疥癬について解説します。

疥癬とは

疥癬(かいせん)は、犬や猫に感染する非常に痒みを伴う皮膚疾患です。
この病気はヒゼンダニというダニが原因で発症し、犬や猫だけでなく、他の動物や人間にも感染する可能性があります。
そのため、疥癬は迅速かつ適切な対応が求められる疾患です。

疥癬の症状

疥癬に感染した犬や猫は、以下のような特徴的な症状を示すことがあります。

  • 強い痒み:
    疥癬の最も特徴的な症状です。犬や猫は強い痒みに耐えられず、皮膚を掻いたり噛んだりすることが頻繁に見られます。特に夜間に痒みが強くなることが多いです。
  • 皮膚の赤みや発疹:
    感染部位は通常、耳、肘、腹部、膝の周りなどに現れます。これらの部位には赤みや小さな発疹が見られることが多いです。
  • 脱毛:
    痒みから皮膚を掻きむしるため、毛が抜けてしまうことがあります。特に感染が進行すると、広範囲にわたって脱毛が見られることがあります。
  • かさぶたや皮膚の厚み:
    感染が長期化すると、皮膚が厚くなり、かさぶたや硬い皮膚が形成されます。また、感染部位がひび割れたり、膿が出ることもあります。

疥癬の原因と感染経路

疥癬は、ヒゼンダニが皮膚に寄生し、皮膚の表層にトンネルを掘ることで引き起こされます。
これにより、動物の免疫反応が活発になり、強い痒みが生じます。
ヒゼンダニは非常に小さく、肉眼で確認することは困難ですが、感染した動物との接触や、感染源となった寝具、ブラシ、ケージなどからも容易に感染します。

また、ヒゼンダニは環境中でもしばらく生存できるため、直接接触がなくても感染するリスクがあります。
特に、免疫力が低下している動物や、ストレスを受けている動物は感染しやすくなります。

診断と治療法

疥癬の診断は、獣医師が皮膚スクラッチテストを行い、顕微鏡でヒゼンダニを確認することで行われます。
診断が確定したら、以下の治療法が行われます。

  • 外用薬:
    疥癬虫を駆除するための薬剤を直接皮膚に塗布します。薬の種類によっては、数回の塗布が必要となります。
  • 内服薬:
    痒みを和らげるための抗ヒスタミン薬や、疥癬虫を殺すための駆虫薬を内服することがあります。
  • 抗生物質:
    二次感染が起こった場合、抗生物質が処方されることがあります。
  • 環境の消毒:
    ペットが使用していた寝具やケージ、ブラシなども同時に消毒し、再感染を防ぐことが重要です。

予防と管理

疥癬を予防するためには、定期的な健康チェックと環境の清潔維持が重要です。
特に、多くの動物が集まる場所(ペットホテル、ドッグランなど)や、新しく動物を迎え入れる場合は注意が必要です。

また、ペットが痒みを訴える場合や、皮膚に異常が見られる場合は、早めに獣医師に相談することが推奨されます。
疥癬は早期発見と適切な治療で、速やかに治癒する可能性が高まります。
ペットの健康を守るために、日常的な観察とケアを怠らないようにしましょう。
何か気になる症状がありましたらお気軽にお問い合わせください!