褒めるのは、行動している最中もしくは直後にしよう!

こんにちは!大田区大森のイース動物病院です。

みなさんは犬を褒めたり叱るとき、どんなタイミングで行なっていますか?しつけでの褒める、叱るタイミングはとても重要になっていきます。

前回お話ししたように、嬉しい楽しい気持ち(快)怖い嫌だという気持ち(不快)が行動に結び付くことで、行動に変化が現れます。褒めるもしくは叱るタイミングがズレると、行動と、行動の結果の気持ち(快か不快)が一致できず学習できないのです。

タイミングが違うとどうなるの?

タイミングが違えば、何に対して褒められているのか叱られているのかが本人(犬)は分かりません。飼い主は叱っているつもりでも、タイミングが違えば、注目してくれた!嬉しい!と捉えてしまい問題行動が悪化してしまうことがあります。

例えば、飼い主が外出中、ティッシュで遊んで荒らしたとします。家に帰ってきて現状を知り、犬に対して「ダメでしょ!」と叱っても、犬にとってはティッシュで遊んだのは今起こったことではないので、何に対して怒っているのかが分かりません。叱り方によってはただ構ってくれたと思ってしまいます。

トイレとは別の所でおしっこをした時、「何でこんな所にしてるの〜ダメでしょ!」と声高めにして犬に近寄ったり、犬が吠えているタイミングで「吠えちゃダメでしょ!」と叱った場合、犬は叱っている言葉の内容を理解しているわけではないので注目してもらった!となるわけです。そうすると、ここでおしっこしたらかまって貰えるんだな!、吠えたら注目してくれるんだな!と勘違いし、行動が助長されてしまうのです。

褒める、叱るタイミングはいつ?

前回お話ししたオペラント条件付けの場合、行動している最中又は直後褒めるもしくは叱ることが必須となります。実際に用いられるのは、おすわり(座る→ご褒美)、伏せ(伏せる→ご褒美)、靴をかじるのをやめさせる(靴をかじる→叱る)などです。

最中又は直後に反応してあげる理由に、犬の短期記憶能力があまり優れていないことがあげられます。

何度も繰り返し経験したことや、恐怖や嬉しいと感情と結びつけて学習したことは長期記憶として記憶され、何年も忘れません。しかし感情と結びついたりしていないことに関しては、直前の行動を覚えていられるのは大体2〜3秒とされています。

つまり、1から学習する場合は、行動が起こってから2秒も経たないうちに褒めたり叱らないといけません。

おすわりの場合、一瞬座って立ち上がったり、そのまま伏せの姿勢になることもありますよね。この一瞬を逃して立ち上がってから褒めたり、座って伏せの姿勢になってから褒めても「おすわり」に関しての学習にならないのです。

まとめ

褒める、叱るタイミングは、行動している最中又は直後であることが重要です!

褒めることも、順を追って少しずつ導いてあげることで犬が学習しやすくなります。次回のしつけのブログでお話ししようと思います。