【猫の糖尿病】絶対に放置してはいけない初期症状、早期発見方法5選!!

近年、猫の糖尿病が増えている

こんにちは大田区大森イース動物病院です。猫の糖尿病は増加傾向にあります。アメリカの報告によれば、1970年の発生頻度は0.08%でしたが、1999年には1.2%に増加しています。実に15倍の増加です。この原因として、キャットフードの普及が考えられています。1970年ごろ、アメリカではキャットフードが流行し、簡単に栄養を摂取できるようになったため、肥満猫が増え、それに伴い糖尿病の猫も増えたのです。

日本には同様のデータはありませんが、似たような状況であると考えられます。糖尿病は肥満猫がなりやすい病気であり、日本でも肥満猫が増えているため、糖尿病の猫も増加している可能性が高いです。

早期発見と治療が重要

猫の糖尿病は早期に発見して治療すれば、糖尿病が原因で亡くなることは少なく、完治することもあります。今回の内容を参考にして、ぜひ早期発見に努めてください。

初期症状と早期発見方法

1. 体重減少

太っていた猫が、食事量を変えずに痩せてしまった場合、それは危険信号です。猫は食事量や運動量に変化がない限り、自然に痩せることはありません。このような体重減少は病気の可能性があります。

糖尿病とは、体が糖という栄養を使えない状態のことを指します。糖は重要なエネルギー源であり、糖をうまく使えないと体の他の部分からエネルギーを作り出さなければならず、その結果、体重が減少します。インスリンは糖を使うためのカギであり、これが不足したりうまく機能しないのが糖尿病です。そのため、インスリンを注射する必要があります。

日頃から猫の体重をチェックし、異常があればすぐに対処しましょう。

2. 多飲多尿

糖尿病になると、お水を飲む量とおしっこの量が増えます。これを「多飲多尿」と言います。具体的には、猫の体重1kgあたり50ml以上の水を飲むと危険です。例えば、4kgの猫なら200ml以上の水を飲むと注意が必要です。

糖尿病になるとおしっこに糖が含まれるため、膀胱炎の症状が出ることもあります。水を飲む量やおしっこの量が増えた場合、注意が必要です。

3. 食欲不振

糖尿病が進行すると、食欲不振や活動低下、嘔吐、ぐったりするなどの症状が現れます。これらは糖尿病が進行し、糖尿病性ケトアシドーシスという状態に進んだことを示しています。この状態になると、治療には長期の入院が必要になり、費用もかさみます。早期に発見し、対処することが重要です。

4. デブ猫ちゃんで高齢猫は要注意

糖尿病は多くの場合、8歳以上の猫で発症します。特に10歳から13歳の猫で多く見られます。また、肥満猫が特にリスクが高いです。猫の糖尿病の多くは2型糖尿病で、これは生活習慣病に分類され、肥満が原因の一つとされています。

猫の肥満はインスリンの働きを妨げ、結果として血液中の糖が利用しづらくなります。猫が太りすぎている場合、早めに獣医師に相談し、ダイエットを検討することが重要です。

5. 血液検査、尿検査

糖尿病は血液検査や尿検査で簡単に発見できます。定期的な健康診断を受け、早期発見に努めましょう。特に体重管理や触診だけでも、半年に一回は病院でチェックを受けることをお勧めします。

尿検査は自宅でも可能ですが、猫のおしっこを採取するのは難しいため、病院での検査をお勧めします。尿検査では、糖尿病だけでなく腎臓病の早期発見も可能です。

まとめ

早期発見が非常に大切です。糖尿病の初期症状を見逃さず、早期に対処することで、猫の健康を守りましょう。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。皆さんが素敵な猫ライフを送れますように。