猫の歯が溶ける?吸収病巣の進行と早期発見のポイント

こんにちは!東京都大田区大森のイース動物病院です。
「最近、愛猫がカリカリを食べなくなった…」「口臭が気になるけど歳のせい?」そんな症状、実は 吸収病巣かもしれません。吸収病巣は猫の歯が溶けてしまう病気ですが、見た目だけでは気づきにくく、進行すると強い痛みを伴います。

今回は、吸収病巣の 進行段階・家庭でできるチェック方法・治療のタイミング について詳しく解説します。


吸収病巣の進行段階

吸収病巣は、進行の度合いによって 5つのステージ に分類されます。進行するほど痛みが増し、食事に支障をきたします。

ステージ状態症状治療法
ステージ1歯の表面(エナメル質)に小さな穴ができるほぼ無症状経過観察
ステージ2象牙質にまで進行軽い違和感、歯磨きを嫌がる経過観察 or 早期治療
ステージ3歯髄(神経)に到達強い痛み、食欲低下抜歯が必要
ステージ4歯の大部分が破壊されるよだれ増加、食べ方の変化抜歯が必要
ステージ5歯が完全に吸収される症状が落ち着くことも抜歯 or 定期観察

吸収病巣は ステージ3以降になると痛みが強くなる ため、早めの治療が大切です。


家庭でできる!吸収病巣のセルフチェック方法

「愛猫にこんな症状はありませんか?」

カリカリを食べたがらない(ウェットフードばかり食べる)
口を触ると嫌がる(頭を振る、引っかく)
食べ方が変わった(片側だけで食べる、時間がかかる)
口臭が強くなった
よだれが増えた

これらの症状がある場合は、 吸収病巣が進行している可能性 があります。特に 「食べ方が変わる」「口元を触られるのを嫌がる」 などの変化は要注意!


吸収病巣の治療:抜歯は必要?

「歯を抜くのはかわいそう…」と悩む飼い主さんも多いですが、吸収病巣は自然治癒しない病気 です。痛みを取り除くためには 抜歯が最も有効な治療法 となります。

治療の流れ

  1. 診察 & X線検査(目に見えない部分の病変を確認)
  2. 治療方針の決定(抜歯が必要か、経過観察か)
  3. 処置(抜歯・歯石除去など)
  4. 術後のケア(フードの調整、経過チェック)

抜歯後は 痛みがなくなり、食欲が回復 する猫がほとんどです!


吸収病巣を予防するためにできること

完全に防ぐことは難しいですが、定期的なケアで進行を遅らせること は可能です。

歯磨き習慣(猫用の歯磨きペーストを使用)
デンタルケアおやつの活用(歯石予防に効果的)
定期的な歯科検診(年に1〜2回のチェックが理想)

「うちの子は歯磨きが苦手…」という場合は、歯磨きガムや液体デンタルケア もおすすめです。


まとめ:猫の歯の異変に気づいたら早めに受診を!

吸収病巣は 進行すると強い痛みを伴う病気 ですが、早期発見・治療で猫の負担を減らすことができます。

食べ方の変化や口臭が気になるときは、早めにご相談ください!
当院では、歯科検診・X線検査も行っています!

愛猫の健康を守るために、ぜひ一度お口のチェックをしてみてください