猫の巨大結腸症

こんにちはイース動物病院です。今年も梅雨のじめッとした季節が来ましたね。

猫の巨大結腸症とは

猫の巨大結腸症は、大腸の一部が異常に拡張している状態を指します。通常、大腸は便を貯める役割を果たしていますが、この状態では正常な便の通過が困難になります。

症状

猫の巨大結腸症の症状には以下があります:

便秘:猫が数日間便を排泄しない場合や、便が硬くて排泄が困難な場合があります。

数日でないくて一気にでるなんて言うのも典型的な症状の一つです。

腹部の膨張:大腸が拡張するため、腹部が膨れて見えることがあります。

食欲不振:腸の状態が影響して食欲が低下することがあります。

嘔吐:嘔吐が見られることもあります。

原因

猫の巨大結腸症の原因は複数あります:

便秘:長期間の便秘が大腸の拡張を引き起こすことがあります。

神経系の問題:腸の運動に関わる神経が障害されると、大腸の正常な収縮が妨げられます。

先天的要因:一部の猫は先天的に大腸の機能が低下している場合があります。

腫瘍など物理的な閉塞:物理的な閉塞で便が出なくなり、巨大結腸症になってしまう可能性もあります。

診断と治療

巨大結腸症の診断にはレントゲンや超音波検査、血液検査などが行われます。治療法には以下があります。便秘になる他の病気は無いか?物理的に何かが閉塞していないかなどを確認します。

治療は以下の通りです。

薬物療法:便秘を解消するための薬物や、腸の運動を促進する薬物が使用されます。

食事療法:食物繊維を多く含む食事や特定の食事療法を行うことがあります。

外科的治療:状態が重篤な場合や腫瘍などが原因の場合には、大腸の一部を切除する手術が必要な場合があります。

摘便:肛門から直接指を入れて便を書き出します。腸に穴が開いてしまうかもしれない危険な行為なので絶対に獣医師以外が行わないでください

管理と予防

猫の巨大結腸症は適切な管理が重要です。正直大変ですが、便秘を解消してあげると猫ちゃんのQOL(クオリティーオブライフ)はかなり上がります。定期的な診察や、適切な食事・運動管理が役立ちます。また、便秘や消化器系の問題に早めに対処することも、巨大結腸症を予防する上で重要です。

基本的には便秘をずっと放置していると巨大結腸症になってしまいます。一度なってしまうと生涯通しての治療が必要になることが多いです。便秘はほおっておかないようにしましょう

猫の健康管理には獣医師のアドバイスを常に受けながら、適切なケアを行うことが大切です。