猫が骨折。もう戻らないと思った足に“希望の兆し”を与えてくれたのは、整形外科だった~整形疾患は身近に⁈~
こんにちわ!東京都大田区大森西にあります、イース動物病院です!
愛猫が急に足をびっこを急にひいたら皆さんはどうしますか?いつもの病院に連れて行ったら「骨折しているね」って言われてしまったら頭が真っ白になりますよね。そんな時二次診療の整形の先生に診てもらう。という選択が出てきたり、一般診療の獣医師が「うちで手術してあげるよ」と選択出されたらいつも診てくれてうちの子を一番知ってくれているから。と一般獣医師を選択しますか?実はそれ間違った選択かもしれません。
整形の手術はとても繊細で専門の先生に治療をしてもらったほうが完治が早かったり、手術後の足や手の使い方が昔と同じくらいになることがあります。でももちろんいつもお世話になっている獣医師に診てもらうのも安心します。しかし、そのこの今後の幸せを考えた上で判断してもらえたらと思います。
当院での整形専門外来にご来院いただく方の半分は、間違った診断された。手術したのに良くならない。など飼い主様がかなり悩んだ状況でご受診されます。
本日は猫で起きてしまう骨折についてお話をさせていただきます。
はじめに
猫は高いところが好きな動物です。棚の上、屋根の上、木の上など、自由自在に登る姿を見ると、その身体能力の高さに驚かされます。しかし、そんな猫でも時には落下して怪我をしてしまうことがあります。特に「骨折」は、飼い主として非常に心配なケガの一つです。
この記事では、「猫の骨折」について、原因、症状、治療方法、日常生活でのケア、そして予防のポイントまで、獣医師の監修のもとでわかりやすく解説していきます。愛猫の健康を守るために、ぜひ最後まで読んでみてください。
猫が骨折する主な原因
猫が骨折する原因は、大きく以下のように分類されます。
1. 高いところからの落下
猫は高いところから落ちても大丈夫、という神話がありますが、これは完全な誤解です。実際には、特に室内飼いの猫がベランダや窓から落下して骨折するケースが非常に多く報告されています。
2. 交通事故
外に出る習慣のある猫は、車にひかれて骨折するリスクが高くなります。特に夜間や雨天時は視認性が下がり、事故の確率が上がります。
3. 他の動物とのケンカ
猫同士や犬とのケンカによって骨に強い衝撃が加わることがあります。咬まれたり押さえつけられたりする中で骨が折れてしまうこともあります。
4. 飼い主の不注意
誤って猫を踏んでしまった、ドアに挟んでしまった、重い物が猫の上に落ちたなど、日常生活の中で飼い主の不注意による事故も少なくありません。
骨折の症状と見分け方
猫は痛みを隠す動物です。そのため、骨折しても飼い主がすぐに気づけない場合があります。以下のような症状が見られたら、早急に動物病院を受診しましょう。
- 明らかに足を引きずっている
- 骨が不自然な形に曲がっている、または骨の端が皮膚を突き破っている
- 触ると強く鳴く、嫌がる
- じっと動かず、元気がない、引きこもっている
- 食欲がなくなる
- 腫れや内出血が見られる
骨折の種類によって症状は異なりますが、「いつもと違う」「明らかに動きが不自然」という点に注目することが大切です。
骨折の種類と治療方法
1. 閉鎖骨折と開放骨折
- 閉鎖骨折:骨が皮膚の下で折れている状態。外からは見えないが、腫れや痛みが出る。
- 開放骨折:骨が皮膚を突き破って外に出ている。感染リスクが非常に高く、早急な対応が必要。
2. 単純骨折と粉砕骨折
- 単純骨折:骨が1か所で折れている状態。治療しやすい。
- 粉砕骨折:骨が複数に砕けている状態。手術が必要な場合が多い。
治療方法
治療は骨折の種類や猫の年齢、体調によって異なりますが、主に以下の方法があります。
・ギプスや副木による固定
比較的軽度の骨折に用いられる方法です。動かないように固定して自然治癒を促します。
・手術(内固定法)
骨に金属のプレートやピンを埋め込んで固定します。粉砕骨折や関節に近い部分の骨折などに適用されます。
・外固定法
骨の外側に金属製のフレームを取り付けて固定します。感染リスクを下げるために使われることもあります。
自宅でのケアと注意点
治療後のケアも非常に重要です。猫が安静に過ごせるような環境づくりが求められます。
- ケージレスト:広い空間を制限し、動きすぎないようにケージで管理。
- 段差をなくす:ソファや棚に飛び乗らないよう、段差を一時的に排除。
- 食事管理:体重が増えると骨への負担が大きくなるため、適切な体重を維持。
- 投薬と通院:抗生物質や痛み止めの服用、定期的なレントゲン検査が必要。
猫の骨は人間よりも細く、回復にも時間がかかることがあります。完全に治るまでは約1か月〜3か月程度が目安です。
骨折を防ぐためにできること
日頃からの予防策も重要です。以下のようなポイントを意識しましょう。
- 網戸・ベランダの安全対策:網戸ロックや脱走防止柵を設置する。
- 高所に登れる家具の配置を見直す:転落リスクのある高所へのアクセスを防ぐ。
- キャットタワーの位置:安全な高さのものを選び、滑りにくい素材を選ぶ。
- 屋外への外出を制限:完全室内飼いにすることで事故リスクを大幅に減らせる。
- 複数飼いの場合の相性チェック:ケンカの頻度が多い場合は距離を取る工夫を。
まとめ
猫の骨折は、決して珍しい事故ではありません。痛みを隠してしまう猫だからこそ、飼い主が日頃から注意深く観察し、異変にすぐ気づけるようにしておくことが大切です。
もし「いつもと様子が違う」「足をかばっている」などの兆候が見られたら、迷わず動物病院を受診してください。そして、治療後も猫が安心して過ごせるように、適切な環境とケアを提供してあげましょう。
愛猫の安全と健康を守るのは、私たち飼い主の責任です。日常の中で少しの工夫と意識を持つことで、骨折などの大きなケガを防ぐことができます。
イース動物病院では毎週月曜日に整形専門外来を行っています。
骨折と診断された。どこか痛そう。足が変な方向。手が変な方向。びっこ引いている。昔に骨折したが未だに足を使わない。など些細なことからでもご相談ください。
大切な愛猫との一生の思い出に寄り添いしっかりとその子とご家庭に合った治療方針をご提案させていただきます。
少しでも悩みがありましたらイース動物病院の整形専門外来にご予約をお待ちしております。