犬猫の耳血腫とは?

こんにちは!大田区大森のイース動物病院です。

愛犬愛猫が耳をかゆがるときはありませんか?時に激しく掻いたり、振ったりして耳が腫れてしまう耳血腫になってしまうこともあります。今日はその耳血腫についてお話したいと思います。

耳血腫とは?

耳血腫の概要

犬や猫の耳血腫(じけっしゅ)とは、耳の皮膚と軟骨の間に血液が溜まって膨れ上がる病気です。この状態は通常、耳の内側が膨らんで、まるで気泡ができたかのように見えることから、「耳血腫」と呼ばれています。

耳血腫の原因

耳血腫は、耳を頻繁にかいたり、振ったりすることが主な原因です。こうした動作によって耳の血管が破れ、血液が皮膚と軟骨の間に漏れ出します。耳のかゆみや不快感の原因となる、耳疥癬、細菌や真菌による耳感染症、アレルギーなども耳血腫の誘因となることがあります。

主な症状

耳血腫の症状は、耳の内側が膨らみ、柔らかく触るとスポンジのような感触があることです。耳が重くなることで、頭を傾けたり、バランスが崩れることがあります。患部が痛みを伴うことも多く、犬や猫が耳を触られるのを嫌がるようになることが一般的です。

耳血腫の診断と治療方法

診断のプロセス

耳血腫の診断は、視覚的な確認と触診によって行われます。獣医師は、膨れ上がった耳の内側を確認し、その状態を確認します。また、耳血腫の原因を突き止めるために、耳の感染症やアレルギーの有無を調べることもあります。

治療の選択肢

耳血腫の治療にはいくつかの方法がありますが、最も一般的な方法は、血液を抜き取り、その後、耳の皮膚を縫い合わせる手術です。この方法により、再び血液が溜まるのを防ぐことができます。

1. 手術療法

手術は最も効果的な治療法とされ、耳の中に溜まった血液を除去し、内側の皮膚と軟骨を再び密着させることで再発を防ぎます。この手術後、耳を包帯で固定し、回復を助けることが一般的です。

2. 保存療法

一部の軽度の耳血腫では、自然に治癒する場合もありますが、その過程で耳の形が変わることがあります。保存療法は、血腫が小さく、痛みが少ない場合に適用されます。抗炎症薬やステロイドの投与が行われることもあります。

3. ドレナージ

ドレナージは、溜まった血液を注射針で排出する方法ですが、再発率が高いため、長期的な解決策としては適していません。この方法は、手術が難しい高齢のペットや、他の健康状態の問題がある場合に選ばれることがあります。

耳血腫の予防とケア

耳の健康を保つためのポイント

耳血腫を予防するためには、日常的な耳のケアが重要です。耳の中を定期的にチェックし、異常がないか確認することが必要です。また、耳の清潔を保つために、適切な耳掃除を行うことが大切です。

アレルギーや感染症の管理

アレルギーや耳感染症が原因で耳血腫が発生する場合、それらの根本的な原因を管理することが重要です。アレルギーを引き起こす食物や環境要因を特定し、それらを避けることで耳血腫のリスクを低減できます。

定期的な獣医の診察

定期的な獣医の診察を受けることで、耳の健康状態を確認し、早期に問題を発見することができます。特に、耳血腫が再発しやすいペットの場合、定期的なチェックが欠かせません。

耳血腫に悩むペットのために

耳血腫は、犬猫にとって不快で痛みを伴う状態です。早期の発見と適切な治療が、ペットの耳の健康を守るために重要です。耳に異常を感じたら、早めに獣医に相談し、適切なケアを受けることをお勧めします。日々のケアと愛情を持って、愛犬愛猫の健康を守りましょう。