犬の頚椎ヘルニア:原因、症状、診断、治療法を徹底解説

こんにちは大田区大森イース動物病院です。

今回は犬の頸椎ヘルニアについて紹介します。

原因

犬の頚椎ヘルニアは、主に2つのタイプに分けられます。1つ目は遺伝的な要因による「ハンセンⅠ型」で、急に発症することが多く、椎間板が突然壊れて背中側に飛び出し、神経を圧迫します。2つ目は「ハンセンⅡ型」で、加齢による椎間板の変性が原因です。このタイプは、椎間板が徐々に劣化し、長期間にわたってゆっくりと進行します。

症状

頚椎ヘルニアの症状は、軽度から重度までさまざまで、次のように分かれます。

  • 軽度(グレード1): 首を動かすのが困難で、痛みを感じ、首を上下左右に動かすことを嫌がる。
  • 中度(グレード2): 歩けるが、ふらつきが見られる。また、部分的な麻痺も起こる。
  • 重度(グレード3): 自力で立つことができず、完全な麻痺が起こる。

頚椎ヘルニアは痛みが強いため、犬の元気がなくなったり、食欲が低下することがあり、時には攻撃的になることもあります。また、頚椎ヘルニアは主に前肢に麻痺が出ることが特徴です。

診断方法

診断の際には、まず触診や神経学的検査が行われ、症状の詳細な把握が進められます。その後、レントゲンや超音波検査によって、骨や内部の状態が確認されます。正確な診断を行うためにはCTスキャンが有効ですが、全身麻酔が必要なため、飼い主様には事前に十分な説明が行われます。

治療法

治療は症状の程度によって異なります。軽症の場合は、痛みを和らげるための鎮痛剤や抗炎症薬を使用し、運動制限を徹底します。
一方、重症の場合や再発を繰り返す場合は、手術が必要になることもあります。手術では、飛び出した椎間板物質を取り除き、神経への圧迫を解消します。治療法は、犬の状態や症状に応じて専門医が判断します。

ご家庭でのケア

自宅でのケアとして、最も重要なのは運動制限です。小さなケージに犬を入れて、最低でも2週間は必要以上に体を動かさないようにしましょう。ケージ生活は犬にとってストレスかもしれませんが、適切な管理を行うことで回復を促進し、将来的な健康にも大きく貢献します。

まとめ

頚椎ヘルニアは犬にとって深刻な疾患ですが、早期発見と適切な治療で改善が見込めるケースが多くあります。診断や治療に関する疑問があれば、整形専門外来にご相談ください。当院では毎週月曜日に整形外科専門医が診療を行っていますので、どうぞお気軽にご予約ください。