犬の無駄吠え、その原因とは?~飼い主さんが知っておきたい理由と対策~
こんにちは!大田区大森のイース動物病院です。
犬と暮らしていると、「どうしてこんなに吠えるの?」「静かにしてほしいのに…」と悩んでしまうこと、ありますよね。特にご近所への配慮を考えると、犬の“無駄吠え”は深刻な問題に感じてしまうことも。
犬にとって「吠える」という行動は、人間の「しゃべる」「伝える」と同じような大切なコミュニケーション手段です。ただ吠えているだけに見えても、実は何かを伝えたがっているサインかもしれません。
今回は、犬の無駄吠えの主な原因について解説します。原因を知ることで、無駄吠えの予防や改善にもつながります。
1. 警戒・防衛本能からくる吠え
もっとも一般的な吠え方がこの「警戒吠え」です。
例えば、家の前を人が通ったり、インターホンが鳴ったりすると「ワンワン!」と激しく吠えることがあります。これは「誰か来た!」「危険かもしれない!」と、家族(=飼い主)に知らせるために吠えているのです。
特徴
- 音に敏感に反応する
- 見知らぬ人や他の犬に対して吠える
- 吠える声が高く、連続していることが多い
対策ポイント
- 過剰な警戒をしないよう、安心できる環境づくり
- 「吠えたら静かにする」練習を日常に取り入れる
- 窓から見えないようにカーテンを閉める、などの視覚刺激の遮断も有効
2. 要求・甘えからくる吠え
「遊んでほしい!」「おやつちょうだい!」「構って!」など、犬が自分の欲求を伝えたくて吠える場合もあります。
このような吠えは、飼い主の行動によって強化されてしまうことも多く、知らず知らずのうちに「吠える=願いが叶う」と覚えてしまうことがあるので注意が必要です。
特徴
- 飼い主の視線を求める
- 吠えると飼い主が反応してくれることを知っている
- ケージ内で吠えると外に出してもらえると学習している場合も
対策ポイント
- 吠えているときには絶対に要求をかなえない(無視を徹底)
- 落ち着いているときにご褒美を与えるなど「静かにしていれば良いことがある」と教える
- 吠えずに待てたときにしっかり褒めてあげる
3. 不安・ストレスによる吠え
犬は不安や孤独、退屈といったネガティブな感情からも吠えることがあります。特に「分離不安」の傾向がある子は、飼い主が見えなくなるだけで不安を感じ、吠え続けてしまうこともあります。
特徴
- 留守番中に長時間吠える
- 夜中や早朝に吠える
- 飼い主の姿が見えなくなると不安で吠える
対策ポイント
- 日頃から少しずつ一人でいる練習、ひとり時間を取り入れる(留守番トレーニング)
- 犬が安心できる空間(ハウスやケージなど)を用意する
- 飼い主の出入り時に過度な挨拶をしないようにする(落ち着いた態度を心がける)
4. 退屈・運動不足からくる吠え
犬はエネルギーが有り余っていると、それを発散するために吠えることがあります。特に運動量の多い犬種(柴犬、ボーダーコリー、ビーグルなど)は、運動不足がストレスにつながりやすく、無駄吠えの原因になりがちです。
特徴
- 何かに集中して吠えるというより、暇を持て余している
- 走ったりジャンプしたりと同時に吠えることも
- 日中、活動時間が少ない
対策ポイント
- 毎日しっかりと散歩に連れて行く
- 知育玩具やおもちゃで頭を使わせる
- 飼い主とのコミュニケーションの時間を増やす
5. 痛みや体調不良による吠え
あまり多くはありませんが、身体のどこかに痛みや不快感があると、それを知らせるために吠えることもあります。犬が転倒したときや足を踏んでしまったときにキャンと高い声で鳴いたり、体を触ったときに普段は嫌がらないのにうなったり痛い部位を引っ込めることがあります。特に高齢犬では、認知症の影響で理由もなく吠えるケースも見られます。
特徴
- 触れられると吠える、うなる
- 夜中に意味なく吠える
- 吠え方が急に変わった(トーン、時間帯など)
対策ポイント
- 獣医師の診察を受けて原因を明確にする
- 高齢犬の場合は認知症ケアを検討する
- 身体の不調サインを見逃さないようにする
まとめ
無駄吠えと一言でいっても、その背景にはさまざまな「犬なりの理由」があります。それを「うるさい!」と頭ごなしに叱ってしまっては、かえって信頼関係が壊れてしまうことも…。
大切なのは「なぜ吠えているのか?」という視点で愛犬の行動を観察することです。原因を突き止めて、犬の気持ちに寄り添いながら、適切に対応してあげることが、無駄吠えの改善への第一歩です。
大田区、蒲田、大森でお困りなことや、突然キャンと鳴いたり体を触ったときにうなるようなことがありましたら、お気軽にご相談ください。