犬と猫の歯を知ろう:健康を守るための基礎知識とケア方法
こんにちは!大田区大森にあるイース動物病院です!
私たち人間と同じように、犬や猫にとっても「歯」は健康を維持するうえで非常に大切な役割を果たします。ですが、ペットの歯に関する知識は意外と知られていません。
歯のトラブルは放置すると深刻な病気につながることもあるため、飼い主として正しい知識と日々のケアが求められます。
この記事では、犬と猫の歯の構造から、よくある歯の病気、予防法、具体的なケア方法までを詳しくご紹介します。
ペットの健康を守る第一歩として、ぜひ参考にしてください。
犬と猫の歯の基本構造
犬と猫の歯は、人間と同じ「永久歯」と「乳歯」があります。子犬・子猫のときに乳歯が生え、成長とともに抜け落ち、永久歯に生え変わります。
● 犬の歯の本数
- 乳歯:28本
- 永久歯:42本
犬は生後3週間ほどで乳歯が生え始め、生後6〜7か月で永久歯に生え変わります。
● 猫の歯の本数
- 乳歯:26本
- 永久歯:30本
猫も犬と同様に、生後2〜3週間で乳歯が生え、生後6か月頃までに永久歯に生え変わります。
● 歯の種類と役割
犬も猫も歯は「切歯」「犬歯」「前臼歯」「後臼歯」に分類され、それぞれ役割が異なります。
- 切歯(前歯):物をかじったり毛づくろいに使用。
- 犬歯:鋭く尖っており、獲物を捕まえたり引き裂く役割。
- 前臼歯・後臼歯:食べ物をすりつぶす役割。
犬は肉も植物も食べる雑食性、猫は完全な肉食性であるため、歯の形や使い方にも違いがあります。
歯にまつわる代表的な病気
犬や猫は「歯周病」や「歯石」のリスクが非常に高く、3歳以上の犬猫の約8割が何らかの歯のトラブルを抱えているとも言われています。
● 歯周病
歯と歯ぐきの間に歯垢(プラーク)が溜まり、細菌が繁殖して歯肉炎や歯槽膿漏を引き起こす病気です。
放置すると、歯が抜け落ちたり、あごの骨が溶ける、内臓に細菌が回るなど深刻な問題に発展します。
症状の例:
- 口臭が強い
- よだれが増える
- 歯ぐきが赤く腫れる
- ごはんを食べづらそうにする
● 歯石
歯垢が石灰化して硬くなったもの。見た目は黄色や茶色で、歯の表面にこびりつきます。
歯石になると、歯磨きでは取り除けず、動物病院での処置が必要です。
● 含まれやすい他のトラブル
- 乳歯遺残(にゅうしいざん):永久歯が生えても乳歯が抜けない状態。歯並びの乱れや歯周病の原因に。
- 破折(はせつ):硬いものを噛んで歯が折れることがあり、神経に達すると激しい痛みを伴います。
歯の病気は「予防」が何より大切!
歯周病や歯石は、進行してからの治療よりも、日頃の予防が最も効果的です。以下のような方法で、愛犬・愛猫の口内環境を清潔に保ちましょう。
おうちでできるデンタルケア
1. 歯磨き(最も効果的な予防法)
理想は毎日の歯磨き。難しい場合でも、2~3日に一度は磨く習慣をつけましょう。専用の犬猫用歯ブラシや歯磨きシート、味付きの歯磨きペーストを使うと抵抗感が少なくなります。
歯磨きのポイント:
- 無理やりやらない(嫌がると逆効果)
- 最初は口に触れるだけでもOK
- ご褒美を与えながら少しずつ慣らす
2. デンタルガム・おもちゃ
歯磨きが難しい場合は、噛むことで歯垢を落とす効果のあるデンタルガムや噛むおもちゃも有効。ただし、固すぎるもの(ひづめ・角・骨)は歯が折れる原因になるため避けましょう。
3. 食事の工夫
ドライフードはウェットフードよりも歯垢がつきにくい傾向があります。また、歯の健康をサポートする成分が配合された「デンタルケアフード」も市販されています。
4. 定期的な健康診断
年に1回は動物病院で歯のチェックを受けることが推奨されます。歯石の除去(スケーリング)や、必要に応じた処置を行うことで重症化を防げます。
シニア犬・猫の歯にも注意を
高齢になると免疫力が落ち、歯周病が進行しやすくなります。また、抜けた歯の影響で食事が摂りづらくなると、体重減少や病気の引き金にも。
年齢に応じたケアや食事内容の見直しが必要です。
まとめ:歯の健康は、全身の健康につながる
犬や猫の歯のケアは、「単なる口の問題」にとどまらず、全身の健康管理に直結しています。口腔内のトラブルは、心臓・腎臓・肝臓など重要な臓器にまで悪影響を与える可能性があります。
日頃から「口臭はないか?」「歯ぐきが腫れていないか?」「歯に色がついていないか?」など小さなサインを見逃さず、予防・早期発見を心がけましょう。
愛する家族の健康を守るために、今日からできるデンタルケアを始めてみてください。
気になることがあれば、大田区大森にあるイース動物病院にご相談ください!