後ろ足が変？！レントゲン検査したらまさかの！！

こんにちわ！！東京都大田区大森西にあるイース動物病院です！

本日はワンちゃんが後ろ足に力がはいっていないや痛そうにしてびっこ引いていると起きているかもしれない『大腿骨骨折』についてお話させていただきます。

犬の骨折は、特に大腿骨（太ももの骨）に関しては比較的多く見られる怪我の一つです。大腿骨は犬の体内で最も長く、強力な骨であり、日常の活動や走ったり跳ねたりする際に大きな負荷がかかります。そのため、事故や高いところからの落下、交通事故、激しい運動などによって骨折するリスクが高くなります。この記事では、犬の大腿骨骨折の原因、症状、治療法、そして予後について詳しく説明します。

犬の大腿骨骨折の原因

大腿骨骨折の原因は様々ですが、主に以下のような状況で発生します。

事故や外傷

犬が車に轢かれたり、高いところから落下したりすることで骨折するケースが最も一般的です。特に交通事故では強い衝撃が加わるため、複雑骨折（骨が複数の部分に分かれる状態）を引き起こすことが多く見られます。

高齢犬や小型犬の脆弱性

高齢犬や小型犬は骨密度が低く、骨が折れやすくなっています。また、骨粗鬆症のような骨の疾患を持つ犬では、日常的な活動中に骨折することもあります。

遺伝的要因

一部の犬種では、骨折のリスクが高いことが知られています。例えば、トイプードルやダックスフントなどの小型犬種では、骨の構造が華奢であるため、少しの衝撃でも骨折しやすい傾向があります。

骨の疾患や腫瘍

骨腫瘍や骨の感染症なども、大腿骨の骨折の原因となることがあります。これらの疾患によって骨が弱くなり、通常では考えられないような低いレベルの外力で骨折が発生することがあります。

犬の大腿骨骨折の症状

大腿骨骨折の症状は、骨折の重症度や場所によって異なりますが、以下のような共通の症状が見られます。

歩行の困難

犬が骨折した場合、通常は脚を地面につけることができなくなります。また、骨折の部位に強い痛みを感じるため、歩こうとするたびに吠えたり鳴いたりすることが多いです。片足を完全に持ち上げている状態や、異常な歩行パターン（跛行）、力が入っていないもよく見られます。

腫れや変形

骨折した部位が腫れたり、明らかに変形している場合があります。触ると痛みを訴える、または触られるのを嫌がることが多いです。

内出血やあざ

骨折が皮膚の下で起こると、その周囲に内出血やあざができることがあります。これは、骨折による血管の損傷によって起こるものです。

感情の変化

骨折に伴う強い痛みのため、普段はおとなしい犬が急に攻撃的になったり、不安げに振る舞ったりすることがあります。

犬の大腿骨骨折の診断方法

獣医師による診断は、以下のような手順で行われます。

触診と視診

獣医師はまず、犬の痛みや腫れ、異常な動きなどを確認するために、手で触れたり視覚的にチェックします。これにより、骨折の場所や重症度をある程度判断することができます。

レントゲン検査

レントゲン検査は、骨折の正確な位置とタイプを特定するために必要です。これにより、単純骨折（一本の骨が折れる状態）か複雑骨折か、または閉鎖骨折（皮膚が破れていない状態）か開放骨折（皮膚が破れている状態）かを判断します。

CTスキャンやMRI

場合によっては、CTスキャンやMRIが必要になることもあります。これらの検査は、骨折が関節に影響しているか、または軟部組織の損傷があるかどうかをより詳細に評価するのに役立ちます。

犬の大腿骨骨折の治療法

犬の大腿骨骨折の治療法は、骨折のタイプ、場所、犬の年齢、全体的な健康状態によって異なります。一般的な治療法には以下のようなものがあります。

外科的治療

基本的に第一選択は外科手術になります。手術は、折れた骨を元の位置に戻し、プレートやピン、ネジを使用して固定する方法が一般的です。このような外科的な固定方法は、骨が正しく治癒するために非常に重要です。

保存的治療

犬が手術を受けるリスクが高い場合（高齢犬や重度の健康問題がある場合）には、保存的治療が選択されることがあります。これは、キャストやスプリントを使用して骨を固定し、自然に治癒を促す方法です。しかし、保存的治療は治癒までに時間がかかることが多く、完全な治癒が保証されない場合もあります。

理学療法

手術後または保存的治療の一環として、理学療法が推奨されることがあります。理学療法は、筋力を維持し、関節の可動性を確保するために重要です。リハビリテーションの一環として、水中トレッドミルやマッサージ、ストレッチなどが行われることがあります。

犬の大腿骨骨折の予後

犬の大腿骨骨折の予後は、骨折の種類や治療方法、犬の年齢、健康状態によって異なります。一般的に、適切な治療とリハビリテーションを受けた犬は、正常な生活に戻ることができます。しかし、重度の骨折や複雑骨折の場合、完全な回復までに数ヶ月かかることがあります。

注意点

治癒後も、再発防止のために激しい運動を控えたり、体重管理を行ったりすることが推奨されます。また、定期的な獣医師のチェックアップを受けることで、骨折後の問題が早期に発見され、適切な対応が可能となります。

まとめ

犬の大腿骨骨折は、特に事故や外傷によって発生することが多いですが、適切な診断と治療を受けることで、ほとんどの場合、正常な生活に戻ることができます。飼い主としては、早期の異常の発見と迅速な対応が最も重要です。もし犬が歩行困難や異常な動作を示した場合は、すぐに動物病院に相談することをお勧めします。骨折の治療には時間と労力がかかりますが、適切なケアを提供することで、愛犬が再び元気に走り回る姿を見ることができるでしょう。

当院では毎週月曜日に整形専門外来を行っています。

以前骨折をした。後ろ足が変。力が入っていない。昔手術したけど上手に歩かない。足を使わない。内科療法をしたがよくなっていない。など些細なことからでもご相談ください。

1からしっかりとご説明し一緒に大切な愛犬の為にベストな治療をご提案させていただきます。

大切な愛犬との一生の思い出に少しでもお手伝いをさせていただきます。