“おしりを気にしてた”は危険信号?肛門腺破裂とは?
こんにちは!大田区大森西のイース動物病院です。みなさんはワンちゃんやネコちゃんのお尻まわりには「肛門腺」という小さな器官があることをご存じでしょうか。
分泌物をためる袋状の構造で、排便時に自然に排出されるのが正常ですが、しぼりにくい体質や年齢、体格によってうまく出せない子もいます。分泌物がたまり続けると炎症・化膿を起こし、最終的には「肛門腺破裂」という痛みの強い状態に進行してしまいます。
今回は、“肛門腺破裂が判明した猫ちゃんの実際の症例も含めご紹介します。
写真の掲載がありますので、苦手な方はご注意ください。
■ 実際の症例:お尻を舐め続けていた猫ちゃん
飼い主さまから「最近お尻のあたりをずっと舐めている」とのことで受診されました。
肛門付近を繰り返し舐める行動は、不快感や痛みを訴えるサインです。
診察してみると、肛門の片側が大きく腫れ、すでに皮膚に小さな穴が開いて膿がにじみ出ている状態で、肛門腺破裂と判断しました。
● 破裂時の状態(閲覧注意)

破裂部位は強い痛みを伴い、触診にも反応が見られました。
猫ちゃんは我慢強い性格のことが多いため、気づく頃にはここまで進行してしまうケースも珍しくありません。
見ているだけでとっても痛そうですよね、、、。私だったら我慢できないです。笑
動物の我慢強さってほんとにすごいですよね、、!
■ 破裂してしまった場合の治療
破裂した肛門腺の治療は、次のような処置を行います。
- 破裂部から膿や汚れを排出
- 洗浄による感染コントロール
- 抗生剤の投与
- 痛み止めの使用
- 傷口の治癒過程に合わせた通院管理
この猫ちゃんにも同様の処置を行い、痛みの緩和と感染の抑制を進めました。
■ 治療後の経過
治療を数日続けると腫れは徐々に落ち着き、破裂部分の赤みも軽減してきました。
● 改善途中の状態

経過は良好で、定期的な通院を続けることで傷はきれいに閉じ、再発防止のためのケアもご案内しました。
写真を見ると破れていたところもきれいに治ってきて一安心ですね!ほんとによかったです!
■ 肛門腺トラブルを見逃さないために
肛門腺が問題を起こす前には、次の行動が見られます。
- おしりを床にこする
- 陰部・肛門をしきりに舐める
- 尻尾の付け根を触られるのを嫌がる
- 肛門周囲が腫れている
- 強いニオイがする
これらのサインが見られたら、早めの受診をおすすめします。
破裂してしまうと治療期間が長くなり、動物本人の痛みも大きくなってしまいます。
■ まとめ
陰部を頻繁になめる行動は、肛門腺トラブルの重要なサインです。
今回の猫ちゃんのように、表面からは分かりにくくても内部で炎症が進んでいることがあります。
「最近お尻を気にしているな…」と感じたら、大田区大森のイース動物病院までお気軽にご相談ください。
大切なご家族が痛みを抱えず、安心して過ごせるよう全力でサポートいたします!
