あなたの猫の足が二度と歩けなくなる!?大腿骨骨折の恐怖と本当に必要な治療~整形疾患は身近に?!~
こんにちは。東京都大田区大森のイース動物病院です
「猫は高いところから落ちても大丈夫」と耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?実はそれ、大きな誤解です。確かに猫は身体能力に優れており、ジャンプ力や着地の柔軟性があります。しかし、それでも 交通事故や高所からの落下、あるいは 家庭内での不意の事故 によって骨折を起こすケースは決して珍しくありません。
当院でこんなことがありました。
ある3歳の猫ちゃん。
自宅のキャットタワーから転落してしまい、大腿骨が骨折しました。当院へ来院。


整形外科専門外来でプレート固定術を行ったところ、現在は元気に走り回れるようになりました。


一方で、一次病院で誤った治療を受けてしまい、骨が曲がったまま固まってしまったケースもよくあります。この場合は再手術が必要となり、猫にも飼い主さんにも大きな負担となります。
特に多いのが 大腿骨骨折 です。大腿骨は体重を支える最も太い骨のひとつであり、折れてしまうと歩行が不可能になるだけでなく、放置すれば 一生歩けなくなるリスク があります。
大腿骨骨折の症状
飼い主さんが気づくポイントは次のようなものです。
- 突然後ろ足をつかなくなった
- 足を持ち上げたまま歩こうとする
- 触ると強い痛みで鳴く
- 足がぶらぶらと不自然に動く
- 腫れや熱感がある
このような症状が見られた場合、迷わずすぐに動物病院へ連れていく必要があります。
レントゲンで分かる骨折の現実
診察では触診に加え、必ずレントゲン検査を行います。大腿骨骨折にはさまざまなタイプがあり、
- 斜めに割れる「斜骨折」
- 粉々になる「粉砕骨折」
- 関節にまで及ぶ「関節内骨折」
といった形態が存在します。
特に猫の大腿骨骨折は プレートやピンなどの整形外科用のインプラントを使った手術 が必須となることが多く、ただ包帯やギプスで固定するだけではまず治りません。
普通の動物病院での治療が危険な理由
ここが非常に重要です。
大腿骨骨折は「ただ骨をつなげばいい」という単純なものではありません。
✔ 骨の角度が1〜2度ずれるだけで正常な歩行が困難になる
✔ 関節に影響が及ぶと、一生の痛みや跛行につながる
✔ 成長期の猫では骨端線(成長板)が障害を受けると脚が変形する
これらを防ぐには、高度な整形外科の知識と専用の手術器具が必要です。残念ながら、一般的な一次診療の動物病院では設備も経験も限られているため、最善の結果を出すのは難しいのが現実です。
整形専門外来に任せるべき理由
イース動物病院では、骨折をはじめとする整形外科疾患に力を入れています。
専門外来を利用することで、次のようなメリットがあります。
- 正確な診断
レントゲンだけでなく、必要に応じてCT撮影を行い、骨折の状態を立体的に把握できます。 - 専用の手術器具とインプラント
プレート、スクリュー、ピンなど、その子に合わせた最適な固定方法を選択可能。 - 経験豊富な整形外科医
骨の角度、固定の強度、将来の歩行能力を見越した治療を実施。 - 術後管理が徹底
手術で固定するだけでなく、リハビリや定期的なチェックで確実に回復をサポート。
「猫は痛みに強いから大丈夫」は大きな誤解
猫は痛みを隠す動物です。骨折していても、じっと我慢しているように見えることがあります。しかしその裏では激しい痛みと不安を抱えています。放置することは 残酷な選択 です。
飼い主さんにお願いしたいこと
- 少しでも足を痛がっているようなら、すぐに受診してください
- 「とりあえず様子見」は禁物です
- 整形外科専門外来での診断と治療を受けることが、猫にとって唯一の救い です
まとめ
猫の大腿骨骨折は、命に関わる病気ではないかもしれません。しかし、その後の一生の生活の質を左右する重大な疾患です。
「普通の動物病院で何とかなるだろう」
その考えが、猫の未来を奪ってしまうこともあります。
後悔しないために、ぜひ 整形外科専門外来 での治療をご検討ください。
当院では毎週月曜日に整形専門外来を行っています。
昔骨折したがよくならない。内科療法として経過を見ている。足を使わない。等些細なことからでもご相談ください。