猫の歯が折れてしまったら 〜見た目以上に大切なお話〜

こんにちは!東京都大田区大森のイース動物病院です。

早速ですが、写真をご覧ください。

この写真を見て、
「え?歯が折れてる!」
「これって大丈夫かな…」
と思われる飼い主様も多いのではないでしょうか。

猫ちゃんの**犬歯(前にある長くてとがった歯)**は、とても目立つ歯です。そのため、少し短くなっていたり、先が欠けていたりすると、ある日突然気づくことがあります。
実際、動物病院でも
「たまたま口を見たら歯が折れていました」
「いつからかわからないけど、歯が短かくなりました」
というご相談は案外多いです。

🦷猫の歯はどうして折れるの?

「特にケガをした覚えがないのに、どうして?」
そう思われる飼い主さんも少なくありません。

猫の歯が折れる原因には、以下のようなものがあります。

・高い場所からジャンプして失敗した
・キャットタワーや棚から落ちた
・ケージや硬いおもちゃをかじった
・遊んでいる最中にぶつけた
・猫同士のケンカ
・過去の事故や衝突

猫は運動能力が高い動物ですが、それでも日常生活の中で歯に強い力がかかる場面は意外と多くあります。特に犬歯は長く、根元まで力が伝わりやすいため、折れやすい歯でもあります。

また、折れた瞬間を見ていないケースがほとんどなので、
「いつ折れたのかわからない」
ということも珍しくありません。

🦷折れていても元気そう…。大丈夫かな。

ここで、とても大切なポイントがあります。

猫は本能的に痛みを隠す動物です。
そのため、歯が折れていても、

・普通にごはんを食べる
・元気に走り回る
・鳴き声も変わらない

ということがよくあります。

しかし、歯が折れることで問題になるのは、見えている部分だけではありません。歯の中には「歯髄(しずい)」と呼ばれる神経や血管が通っている部分があります。歯が深く折れてしまうと、この神経が外に露出してしまうことがあります。

神経が露出すると、どうですか?ご経験のある方ならわかるように、かなりの激痛で麻酔無しには耐えれませんよね!

・ズキズキする強い痛み
・細菌感染
・歯の根の先に膿がたまる
といったトラブルにつながることがあります。

猫ちゃんはそれでも我慢してしまうため、気づいたときにはかなり進行していることもあります。

🦷放っておくとどうなるの?

「今は元気そうだから、様子を見てもいいかな…」


そう思われるお気持ちも、とてもよくわかります。

ですが、歯が折れた状態を放置すると、

・歯の根に感染が起こる
・顎の骨に炎症が広がる
・顔が腫れる
・鼻水やくしゃみが出る
・口の中から強いにおいがする

といった症状が後から出てくることがあります。

特に猫は症状が進むまで表に出にくいため、
「急に顔が腫れてきた」
「ごはんを食べなくなった」
という段階で来院されることもあります。

そうなる前に、歯が折れていることに気づいた時点での受診がとても大切です。

🦷動物病院ではどんな検査をするの?

歯が折れている場合、動物病院ではまずお口の中をしっかり確認します。その上で必要に応じて、

・歯の状態のチェック
・歯ぐきや周囲の炎症の確認
・歯科用レントゲン検査(全身麻酔が必要です)

などを行います。

見た目では軽そうに見えても、レントゲンを撮ると歯の根に病変が見つかることもあります。逆に、早期であれば負担の少ない対応ができる場合もあります。

🦷治療はどんなことをするの?

治療方法は、折れ方や感染の有無によって異なります。

・経過観察で済むケース
・痛み止めや抗生剤が必要なケース
・歯を抜く治療が必要なケース

「抜歯」と聞くと不安になる方も多いですが、痛みの原因となっている歯を取ることで、猫ちゃんがとても楽になることも少なくありません。

実際に治療後、
「ごはんをよく食べるようになった」
「元気が出た」
と感じられる飼い主さんも多いです。

🦷飼い主さんにできること

猫ちゃんの歯のトラブルは、気づいてあげることが何より大切です。

・たまにお口の中をのぞいてみる
・歯の長さが左右で違わないか
・欠けている歯がないか

難しければ、健康診断のタイミングで「歯も見てください」と伝えていただくだけでも十分です。

🦷最後に

猫の歯が折れているのを見つけると、驚きと不安でいっぱいになると思います。
でも、早く気づいた飼い主さんは、それだけで猫ちゃんを守っています。

「痛がっていないから大丈夫」ではなく、
「今は静かに我慢しているかもしれない」
そう考えて、一度東京都大田区大森のイース動物病院で相談してみてください。

猫ちゃんがこれからも、痛みなく・楽しく・おいしく過ごせるように。
歯のトラブルは、早めの対応がいちばんの優しさです。