犬の無駄吠えをやめさせるトレーニング

こんにちは!大田区大森のイース動物病院です。

犬の無駄吠えを減らすためには、「正しい手順で」「根気強く」トレーニングを続けることが重要です。
今回は、原因別に効果的なトレーニング方法を具体的なステップで紹介していきます。

ポイントは、「叱るのではなく、望ましい行動を教える」こと。犬が混乱しないよう、シンプルな指示とたくさんのご褒美で、ポジティブに学習させましょう。

無駄吠えの原因に関してはこちら。


1. 【警戒・チャイム吠え】に対するトレーニング

ステップ1:ピンポン音に慣れさせる

  1. スマホなどで「インターホンの音」を録音する、音源を用意する
  2. 犬がリラックスしているときに、小さな音量で流す
  3. 吠えなければすぐにご褒美を与える(吠えたら無視)

▶ ポイント:吠えない=いいことがあると結びつける


ステップ2:段階的に刺激を強くする

  1. 少しずつ音量やタイミングを本番に近づける
  2. 飼い主が「ピンポン→おやつ」を繰り返すことで、「音=安心」の印象づけ

▶ 「音→ご褒美」のセットを繰り返す。毎日短時間でOK。


ステップ3:実際のチャイムで練習

  1. 家族や友人に協力してもらい、実際のチャイムを鳴らしてもらう
  2. チャイムが鳴ったら、犬を別の部屋やクレートに誘導し、落ち着かせる
  3. 吠えなかったらたっぷり褒めてご褒美

▶ 来客時も「チャイム=落ち着く場所に行く=褒められる」を定着させましょう。


2. 【要求吠え】をなくすトレーニング

ステップ1:吠えを完全に無視する

  1. おやつ・遊びなどを「吠えて要求してきたら完全に無視」
  2. 吠え止んだらすぐに静かに褒め、ご褒美を与える

▶ 無視は徹底的に。目を合わせず、声をかけず、背を向けるのが鉄則


ステップ2:代替行動を教える

  1. 吠える代わりに「おすわり」などの指示を与える
  2. おすわりできたらおやつを与える
  3. 吠えたら無視、指示に従えばご褒美

▶ 吠えなくても望みが叶う方法を学ばせるのがコツ。


3. 【退屈・刺激不足】が原因の吠えへの対応トレーニング

ステップ1:日課に「知育遊び」を取り入れる

  • KONGやノーズワークマットを活用して、自力でおやつを探す遊びを習慣化
  • お散歩後の静かな時間に導入するのがベスト

▶ 吠える時間が減り、落ち着いて過ごせる時間が増えます。


ステップ2:一人遊びの練習をする

  1. 犬の見えるところで静かに過ごす(人がいても構わない)
  2. 一人で遊べたら「よくできたね!」と褒める
  3. 一人遊びの時間を少しずつ伸ばしていく

▶ 常に構ってもらえる状態を避け、自立心を育てましょう。


4. 【分離不安】に対応するトレーニング手順

ステップ1:離れる練習からスタート

  1. まずは犬から数歩離れ、10秒待って戻る(吠えていなければ褒める)
  2. 徐々に距離と時間を延ばしていく

▶ ポイントは**「吠えなかったら戻る」**こと。吠えているときに戻るのは逆効果。


ステップ2:外出の予兆を「無意味」にする

  1. 鞄を持つ・鍵を持つなどの“お出かけ準備”を何度も繰り返す
  2. 実際には出かけない
  3. 犬が「またか」と思えるように慣らす

▶ 外出前に犬が興奮しなくなるまで、毎日短時間でもOK。


5. トレーニング成功の3つのポイント

① タイミングが命!

褒める・ご褒美をあげるタイミングは吠え止んだ直後1秒以内がベスト。
遅れると犬は何に対する報酬か理解できません。


② 短時間・繰り返し

1回10分以内で十分。毎日コツコツ繰り返すことが、成功への近道です。


③ 感情的にならない

叱る・怒鳴る・たたくなどの行動は逆効果です。犬は混乱し、かえって吠えが悪化することもあります。


まとめ

無駄吠えのトレーニングは、一朝一夕では結果が出ないことがほとんどです。
しかし、正しい方法で丁寧に教えれば、犬は必ず学んでくれます

焦らず、怒らず、愛情とルールを持って取り組んでいきましょう。