犬と猫の歯磨きの重要性とやり方のコツ
こんにちは大田区大森イース動物病院です。ペットの健康を守るためには、食事や運動だけでなく、歯のケアも重要です。犬や猫も人間と同じように歯周病になる可能性があり、放置すると痛みや口臭の原因になるだけでなく、全身の健康にも影響を及ぼします。本記事では、犬や猫の歯磨きの重要性や、効果的なやり方のコツについて詳しく解説します。
1. なぜ犬や猫の歯磨きが必要なのか?
① 歯周病の予防
犬や猫の歯に歯垢(プラーク)が溜まると、それが硬化して歯石になり、歯周病の原因になります。歯周病は歯肉の炎症や歯のぐらつきを引き起こし、放置すると最終的には歯が抜けてしまうこともあります。
② 口臭の軽減
口臭の原因の多くは、歯垢や歯石に潜む細菌です。定期的に歯を磨くことで細菌の繁殖を抑え、口臭を防ぐことができます。
③ 内臓の病気を防ぐ
歯周病が進行すると、口内の細菌が血流に乗って体内を巡り、心臓や腎臓、肝臓などに影響を与えることがあります。歯磨きを習慣化することで、全身の健康を守ることにつながります。
2. 犬と猫の歯の構造の違い
犬と猫では歯の構造が異なり、それぞれに合ったケアが必要です。
動物 | 歯の本数 | 特徴 |
犬 | 42本 | 咀嚼(そしゃく)よりも噛みちぎるための歯が多い |
猫 | 30本 | 犬よりも歯の本数が少なく、肉を引き裂くのに適している |
犬は比較的歯磨きを受け入れやすいですが、猫は警戒心が強いため、慣れさせるのに時間がかかることが多いです。
3. 歯磨きのやり方とコツ
犬や猫の歯磨きを成功させるためには、無理に行わず、徐々に慣れさせることが大切です。
① 歯磨きを始める前の準備
- 歯磨き用アイテムを用意する
犬猫専用の歯ブラシや歯磨きシート、歯磨きペーストを用意します。
※ 人間用の歯磨き粉は使用NG!(キシリトールやフッ素が含まれており、ペットにとって有害なことがある) - 口元を触ることに慣れさせる
いきなり歯を磨くのではなく、まずは口の周りを触ることから始め、優しくマッサージするように慣らしていきます。 - 歯磨きペーストに慣れさせる
ペット用の歯磨きペーストを指につけて舐めさせ、「美味しい」と思わせることで、歯磨きに対する抵抗感を減らせます。
② 歯磨きの実践
- 唇を軽くめくり、歯を見えるようにする
無理に口を開けさせるのではなく、少しずつ見える範囲から磨いていきます。 - 歯ブラシやシートを使って磨く
- 犬の場合 → 歯ブラシを使って、円を描くようにやさしく磨く
- 猫の場合 → 歯磨きシートで軽く拭くようにすると嫌がりにくい
- 短時間で終わらせる
最初は10秒〜20秒程度でOK。少しずつ時間を伸ばしていきましょう。 - ご褒美を与える
歯磨きの後におやつや撫でるなどのポジティブな体験をさせることで、歯磨きへの抵抗を減らせます。
4. 歯磨きが難しい場合の代替方法
中には、どうしても歯磨きを嫌がる子もいます。その場合は、以下の方法を試してみましょう。
① デンタルガム・おもちゃを活用
噛むことで歯の汚れを落とせるデンタルガムやおもちゃを利用すると、遊びながら歯のケアができるため、ストレスを感じにくくなります。
② デンタルウォーターを使用
飲み水に混ぜるタイプのデンタルケア製品もあります。これなら、歯磨きができなくても口内環境を整えることができます。
③ 動物病院での歯科検診
定期的に獣医師に歯の状態をチェックしてもらい、必要に応じてプロのクリーニングを受けるのもおすすめです。
5. 歯磨きを続けるためのポイント
- 毎日続けるのが理想だが、まずは週2〜3回から
- 無理にやらず、楽しくできるよう工夫する
- 歯磨き後は必ずご褒美をあげる
ペットの歯磨きは、健康を守るためにとても大切な習慣です。最初は嫌がることも多いですが、焦らず、少しずつ慣れさせることが成功のカギです。大切な愛犬・愛猫が健康で長生きできるよう、今日から歯のケアを始めてみましょう!