【犬猫の健康診断の大切さと慢性疾患について】
こんにちは!東京都大田区大森のイース動物病院です。ペットの健康を守るためには、日頃のケアだけでなく、定期的な健康診断が欠かせません。特に、慢性疾患は初期症状が分かりにくく、気付いたときには病状が進行していることもあります。本記事では、犬猫の健康診断の重要性や慢性疾患について詳しく解説します。
1. 健康診断の重要性
① 健康診断とは?
健康診断は、病気の早期発見や予防を目的として行われる検査です。犬や猫は人間のように言葉で体調を伝えられないため、健康診断を受けることで隠れた病気を見つけることができます。
② 健康診断の頻度
- 若齢期(1歳未満):成長が早いため、ワクチン接種のタイミングで定期的に健康診断を受けると安心です。
- 成犬・成猫(1歳〜7歳):年1回の健康診断が推奨されます。
- シニア期(7歳以上):加齢による疾患のリスクが高まるため、年2回の健康診断が理想的です。
③ 健康診断で分かること
健康診断では、以下のような異常を発見できます。
- 血液検査:貧血や感染症、肝臓・腎臓の異常
- 尿検査:腎臓病や尿路結石の兆候
- 便検査:寄生虫や腸内環境のチェック
- レントゲン・超音波検査:心臓や肺、内臓の異常
- 口腔検査:歯周病や口腔内腫瘍の有無
2. 慢性疾患とは?
慢性疾患とは、長期間にわたって進行する病気のことを指します。初期症状がほとんどなく、健康診断を受けなければ発見が遅れるケースもあります。ここでは、犬猫に多い慢性疾患を紹介します。
① 慢性腎臓病(CKD)
【特徴】
犬や猫の高齢期に多く見られ、腎機能が徐々に低下していく病気です。特に猫では発症率が高く、10歳以上の約30%が慢性腎臓病を患っていると言われています。
【症状】
- 水をたくさん飲む
- おしっこの量が増える
- 体重減少
- 食欲不振
- 口臭(アンモニア臭)
【予防・管理】
- 定期的な血液検査・尿検査で早期発見
- 腎臓に負担をかけない食事管理(低タンパク・低リン)
- 脱水を防ぐためにこまめに水を与える
② 糖尿病
【特徴】
犬や猫の糖尿病は、インスリンの働きが低下し、血糖値が異常に高くなる病気です。肥満や加齢、遺伝的要因が関係すると考えられています。
【症状】
- 多飲多尿
- 体重減少
- 食欲の増減
- 白内障(犬の場合)
- 後肢の麻痺(猫の場合)
【予防・管理】
- 適度な運動と食事管理(高タンパク・低炭水化物のフード)
- 定期的な血糖値チェック
- インスリン注射(必要に応じて)
③ 心臓病(僧帽弁閉鎖不全症・肥大型心筋症)
【特徴】
犬では僧帽弁閉鎖不全症、猫では肥大型心筋症が多く見られます。どちらも進行すると呼吸困難や失神を引き起こす可能性があります。
【症状】
- 咳が増える(犬)
- 呼吸が速くなる
- 運動を嫌がる
- 失神(重度の場合)
【予防・管理】
- 定期的な心臓の検査(聴診・レントゲン・エコー)
- 体重管理
- 塩分控えめの食事
④ 甲状腺機能亢進症・低下症
【特徴】
- 猫の甲状腺機能亢進症:甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気。
- 犬の甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモンの分泌が不足する病気。
【症状】
- 猫の甲状腺機能亢進症:食欲旺盛、体重減少、落ち着きがない
- 犬の甲状腺機能低下症:元気がない、寒がる、皮膚の乾燥
【予防・管理】
- 定期的な血液検査でホルモン値をチェック
- 甲状腺機能をコントロールする薬の投与
⑤ 関節炎(変形性関節症)
【特徴】
加齢や肥満により、関節の軟骨がすり減ることで発症します。特に大型犬やシニア猫で多く見られます。
【症状】
- 歩き方がぎこちない
- 運動を嫌がる
- 立ち上がるのに時間がかかる
【予防・管理】
- 体重管理(肥満予防)
- サプリメント(グルコサミン・コンドロイチン)
- 温めた環境での生活
3. まとめ
犬や猫の健康を守るためには、定期的な健康診断が欠かせません。特に慢性疾患は気付きにくいため、早期発見・早期治療が重要です。
「うちの子は元気だから大丈夫」と思わず、定期的に病院で検査を受ける習慣をつけましょう。愛犬・愛猫が健康で長生きできるように、日々のケアと健康管理を心がけてください。