あなたの対応が命取り⁉ 愛犬の骨折で最悪の結末を迎える前に絶対知っておくべきこと!~整形疾患は身近に?!~

こんにちわ!東京都大田区大森西にあります、イース動物病院です!

皆さんは大切な愛犬と今年たくさんの思い出を作っていきたいですよね!そんなときに旅行先、おうちなどで足や手をケンケンしていた!そんなことが起きてしまったら心配ですよね。

実は骨折という整形疾患は身近に起きてしまう可能性もあり、ちゃんとした整形専門医で治療をしてもらわないと一生足や手を使えない。や見逃されていた。そんなことも起きる可能性が大きくあります。では骨折してしまったらまずどうしたらいいのか?本日はそのことについてお話させていただきます。

犬の骨折の種類と治療法 ~愛犬の健康を守るために~

犬の骨折は、事故や落下、過度な運動などによって発生することがあり、適切な治療を行わないと後遺症が残る可能性があります。特に、成長板骨折 などの子犬特有の骨折は、骨の成長に影響を与えるため、早期発見と適切な処置が重要です。

本記事では、犬の骨折の種類、成長板骨折を含めた詳細、症状、診断、治療法、リハビリ、そして予防策について詳しく解説します。


1. 犬の骨折の主な種類

犬の骨折は、その発生状況や骨の折れ方によっていくつかのタイプに分類されます。

1.1 完全骨折(かんぜんこっせつ)

骨が完全に二つ以上に分かれてしまった状態で、以下のような種類があります。

(1) 横骨折(よここっせつ)

骨が横方向にまっすぐ折れるタイプで、比較的安定しているため固定による治癒が可能な場合があります。

(2) 斜骨折(しゃこっせつ)

骨が斜めに折れる骨折です。横骨折に比べて骨同士がずれやすく、手術が必要になることが多いです。

(3) らせん骨折(らせんこっせつ)

骨がねじれるように折れている骨折で、通常は強い回旋力が加わった際に発生します。プレートやピンを用いた固定が必要になることがあります。

(4) 粉砕骨折(ふんさいこっせつ)

骨が複数の破片に分かれてしまう骨折です。高所からの落下や交通事故など、大きな衝撃を受けた際に発生することが多く、治療が難しいため手術が必要になるケースがほとんどです。

1.2 不全骨折(ふぜんこっせつ)

完全に骨が折れるのではなく、一部のみが損傷している骨折です。

(1) ひび(骨折線)

骨の表面にひびが入る程度の骨折で、痛みはあるものの骨が完全に分離していないため、適切な安静と固定で治ることが多いです。

(2) 緑枝骨折(りょくしこっせつ)

若い犬に多く見られる骨折で、骨の一部が折れ、もう一方が折れずに残る状態です。これは子犬の骨が柔軟性を持っているために起こります。

1.3 開放骨折(かいほうこっせつ)

骨折部位が皮膚を突き破り、骨が外に露出してしまう状態です。感染のリスクが非常に高く、緊急の処置が必要です。

1.4 成長板骨折(せいちょうばんこっせつ)

子犬に特有の骨折 で、成長板(骨の端にある軟骨部分)が損傷することによって発生します。成長板は成犬になると骨に変わりますが、成長期の間は非常に柔らかいため、骨折しやすいです。

成長板骨折は「サルター・ハリス分類」 という基準で5つの型に分類されます。

  1. I型(成長板がそのまま分離)
  2. II型(成長板と骨の一部が分離)
  3. III型(関節内に骨折が及ぶ)
  4. IV型(成長板と骨の両側が骨折)
  5. V型(成長板が圧縮され、成長障害が発生)

適切な治療を行わないと、骨の成長が止まり、脚の長さが左右で異なる などの後遺症が残ることがあります。


2. 犬の骨折の原因

犬の骨折の主な原因として、以下のようなものが挙げられます。

交通事故

屋外で自由に動き回る犬はリスクが高い

高所からの落下

小型犬に多く、特に前脚や後脚の骨折が発生しやすい

過度な運動

ドッグランなどで激しく走り回ることで、着地の際に骨折することがある

打撲や転倒

室内でも滑りやすい床で転倒し、骨折することがある

栄養不足

カルシウムやビタミンDの不足によって骨が弱くなり、骨折しやすくなる


3. 骨折の症状

  • 足を引きずる
  • 患部を触ると痛がる
  • 腫れや変形が見られる
  • 患部をかばって動かない
  • 開放骨折の場合、出血がある

4. 診断方法

4.1 触診

患部の腫れや異常な動きを確認します。

4.2 レントゲン検査

骨折の状態を明確に確認するために撮影されます。

4.3 CT・MRI検査

関節内骨折や成長板骨折の場合など、より詳細な画像を得るために実施されることがあります。


5. 治療法

5.1 保存療法(固定)

軽度の骨折(ひびや不全骨折など)は、ギプスや包帯を使って固定し、自然治癒を促します。

5.2 外科手術

完全骨折や粉砕骨折、開放骨折の場合は手術が必要になります。

  • プレート固定:金属プレートを骨に固定し、安定させる
  • ピン固定:骨の内部にピンを挿入し、骨を正しい位置に保持する
  • 創外固定:骨折部分を体外から固定し、治癒を促す

6. 骨折の予防

  • 滑りにくい床を整える
  • 高い場所からの落下を防ぐ
  • 適切な運動量を守る
  • バランスの取れた食事を与える

まとめ

犬の骨折は、適切な診断と治療を受けることで、元の生活に戻ることが可能です。特に成長板骨折は子犬の成長に大きな影響を与えるため、早期発見と治療が重要です。日頃から予防策を講じ、愛犬の健康を守りましょう。

当院では毎週月曜日整形専門外来を行っています。

骨折と診断された。足や手を使わない。ケンケンしている。昔骨折したがその後うまく使わない。など些細なことからでもご相談ください。

飼い主様が悩んでいることを一緒に解決させていただきます。

大切な愛犬の一生を一緒に幸せにさせてあげるお手伝いをさせていただきます。