健康診断で分かる!整形疾患とは?

こんにちは!東京都大田区大森西にありますイース動物病院です!!!

ワンちゃんネコちゃんの健康診断は年に1度行っていますか?ワンちゃんネコちゃんでも年に1度の健康診断は推奨されています。気がつきにくい病気など健康診断で早期発見し早期治療を行うことによってワンちゃんネコちゃんの健康を守ることができます。

本日はワンちゃんネコちゃんの健康診断で見つけられる整形疾患についてお話しさせていただきます。

先ほどもお伝えしましたが、ワンちゃんネコちゃんの健康を守るために定期的な健康診断は非常に重要です。特に、整形外科に関連する問題は、日常生活においてペットに大きな影響を与えることがあります。犬や猫も加齢や遺伝的要因、生活環境の影響で様々な整形疾患を発症する可能性があります。ワンちゃんネコちゃんの健康診断で発見されることが多い整形疾患について詳しく説明します。

1. 関節疾患

股関節形成不全

股関節形成不全は、特に大型犬に多く見られる遺伝性の疾患です。この疾患では、股関節の形状が異常で、関節がうまく噛み合わないため、歩行時に不安定さや痛みが生じます。若い頃から症状が出る場合もありますが、年齢を重ねるにつれて悪化することが多いです。診断は通常、身体検査とレントゲン検査によって行われます。早期発見により、適切な管理や手術が可能となり、生活の質を向上させることができます。

肘関節形成不全

肘関節形成不全は、特に大型犬種に見られる疾患で、肘関節の骨や軟骨が正常に発育しないために発生します。これにより、痛みや跛行が生じ、重症化すると関節炎を引き起こすことがあります。診断はレントゲン撮影やCTスキャンを用いて行われ、症状の進行を防ぐための管理方法や外科手術が検討されることがあります。

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼は、主に小型犬に多く見られる疾患です。膝蓋骨(膝の皿)が正常な位置から外れることで、後肢に痛みや跛行が生じます。この疾患は先天的なものである場合もありますが、外傷によって発生することもあります。健康診断で早期に発見されることで、早期治療が可能となります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

関節炎

関節炎は、関節の炎症による痛みや動きの制限を引き起こす疾患です。主な原因は加齢や肥満、過去のケガなどが挙げられます。症状としては、歩行時の違和感、運動量の低下、関節の硬直などがあります。治療には鎮痛剤や抗炎症薬、体重管理が含まれます。また、サプリメントなどの関節のサポートすることもあります。

2. 骨の疾患

骨折

骨折は、事故や転倒などによって骨が部分的または完全に折れてしまう状態です。犬や猫の骨折は、その動物の年齢や体格、健康状態によって異なる影響を受けます。若くて健康な動物の場合、骨折が治癒しやすい一方、高齢や骨が脆弱な子では、治癒が遅れることがあります。健康診断中に見つかることは少ないものの、日常的な観察で異常が見られた場合、レントゲン検査が行われます。適切な治療により、完全な回復が期待できることが多いです。

骨腫瘍

骨腫瘍は、特に中高齢の犬に見られることが多い疾患で、骨の組織に発生する腫瘍です。最も一般的なタイプは「骨肉腫」で、骨の痛みや腫れ、骨の変形を引き起こします。骨腫瘍は非常に進行が早く、早期の発見と治療が重要です。診断にはレントゲンやCTスキャン、さらには生検が必要です。治療としては外科的切除や化学療法が行われることが多いですが、進行具合によっては痛みの管理が主要な対策となることもあります。

3. 脊椎疾患

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは、特に胴が長い犬種(例:ダックスフント)に多く見られる疾患です。この疾患では、椎間板が変性し、脊髄を圧迫することで背中や首の痛み、さらには麻痺が生じることがあります。早期に診断されれば、薬物療法や安静により改善する場合もありますが、獣医師の判断では手術が必要になることがあります。診断は、レントゲン検査やMRIなどの画像診断が用いられます。

脊椎症

脊椎症は、脊椎の骨が変形し、神経を圧迫することで痛みや神経症状が発生する疾患です。特に高齢の犬や猫で見られることが多く、進行するにつれて動きが鈍くなることがあります。健康診断中のレントゲン検査で発見されることが多く、軽度の場合は症状が見られないこともありますが、重症化すると歩行困難や痛みが発生します。症状を管理するためには、薬物療法や理学療法が行われます。

4. 筋肉や腱の疾患

腱断裂

腱断裂は、腱が部分的または完全に断裂することで発生します。これにより、対応する筋肉の機能が失われ、動物がその部分を使うことが難しくなります。腱断裂は主に外傷によって引き起こされることが多く、健康診断中に発見されることは少ないですが、飼い主が異常を感じた場合には直ちに診察が必要です。治療には、場合によっては手術が必要になることがあります。

筋炎

筋炎は、筋肉の炎症で、痛みや運動制限が生じる疾患です。原因は感染症や自己免疫反応、または外傷などさまざまです。症状としては、痛みや筋肉の腫れ、動物が動きたがらない様子が見られることがあります。健康診断では、血液検査や筋電図、さらには筋肉の生検が行われることがあります。治療は、抗炎症薬や免疫抑制剤を用いることが一般的です。

まとめ

犬や猫の整形疾患は、生活の質に大きな影響を与える可能性があります。これらの疾患は、健康診断の一環として行われる身体検査や画像診断で早期に発見されることが多く、早期発見によって、適切な治療や管理が可能となり、ワンちゃんネコちゃんの快適な生活を維持することができます。定期的な健康診断は、これらの整形疾患の早期発見と治療において非常に重要です。ワンちゃんネコちゃんの健康状態に注意を払い、異常が見られた場合は速やかに獣医師に相談することが求められます。